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「富士山を褒めてはいけない🗻」そんな言伝えがあった地域を知ってますか?〜雲見と古事記〜

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📸↑烏帽子山雲見浅間神社中之宮からの富士山🗻

日本といえば富士山🗻🇯🇵
標高は日本一。その見た目の美しさは世界でも有数。世界には「富士山の姉妹だ」なんて言われているお山もたくさんあります。(実際にアメリカ🇺🇸カリフォルニアのシャスタ山、ペルー🇵🇪アレキパのミスティ山を訪れた際、現地でお世話になった家族がそう教えてくれました)
ここ日本でも○○富士のように、姿美しいお山は富士山に例えられていますよね。しかし神様という視点でみると、富士山で祀られているコノハナサクヤヒメの姉は、伊豆西海岸の雲見にある烏帽子山で祀られているイワナガヒメ。烏帽子山は海底火山の根、ごつごつとした見た目が特徴的で、富士山とは対照的。その容姿の違いも、言い伝えに大きく関わります。先日まとめた古事記のお話をおさらいしながら私なりにまとめてみました。

なぜ富士山を褒めてはいけなかったの?

姉妹でニニギノミコトという神様に嫁いだものの、ブスという理由で自分だけ追い返され、烏帽子山へ逃げ隠れたイワナガヒメ。自分にはない美貌を持ちニニギノミコトに選ばれた妹を羨みながら、恨み憎みながら、2人のいる富士山を見ないよう見ないよう過ごしました。そのため、富士山を褒めるとイワナガヒメ(もしくは娘を不憫に思う父オオヤマツミ)に祟られる、烏帽子山から落とされる、怪我する、不漁になるなどの言い伝えがあり、ほんの十数年前まではまだ「富士山」について烏帽子山で触れることはタブーだったそうな。また面白いことに、実際に烏帽子山に曇がかかると富士山は晴れ、烏帽子山が晴れると富士山は曇りで見えず、ということで富士山と烏帽子山が同時に見れることは本当に稀だったとか。(定かではない)

姉妹の不仲(というより姉の嫉妬による恨み辛み?)がしっかりと地域に言い伝えられていたんですね。

せっかく富士山が綺麗に見えるのに、誉めちゃダメ、綺麗に見えてることを喜べないなんて今じゃ想像がつきません。それもそのはず。もう仲直り(の儀)をしてるから!!?

姉妹仲直りの儀 もう褒めていいんです🗻

10年前の平成24年(2012)の2/23、雲見がある松崎町は、「世界でいちばん富士山がきれいに見える町」と宣言しました。もっともっとこの絶景を知ってほしい楽しんでほしい。でもイワナガヒメとコノハナサクヤヒメの関係性がこのままではよろしくない。ということで、2/23、富士山の日に妹のコノハナサクヤヒメを主宰神とする富士山本宮浅間大社から宮司さんに来ていただき、雲見浅間神社の宮司さんと共に、仲直りの儀を行いました。以降毎年この儀式は行われています。(松崎町HP)

対照的な姉妹ですが、2人の力が合わさることで、世に平和と繁栄をもたらし素晴らしい一年になるようお願いするそうです。私が雲見に嫁いでまだ数ヶ月ですが、富士山も烏帽子山も綺麗な姿を見せてくれる日も多いです。今では仲良く快晴のもと、お互いの姿を確認しているのかな〜と思いたいです。

感想

お互いないものねだり、自分の持っているものを誇りに思い、自分にないものを持つ相手に敬意を払い力を合わせていくこと、いつの世にも必要なことですね。

烏帽子山ではイワナガヒメのみが祀られています。仲直りしたといえど、誰だって過去の嫌なことはそう振り切れないはず。綺麗な富士山が烏帽子山から拝めたら、大袈裟に富士山ばかりを褒めその姿を称賛する前に、その景色を楽しめている烏帽子山の素敵なところにも感謝しながら登りたいなと思いました😌

番外編 コノハナチルヒメ=イワナガヒメ説

父オオヤマツミはイワナガヒメやコノハナサクヤヒメの他に娘がもう何人か。そのうちの1人がコノハナチルヒメ。咲く⇄散るの対義から、イワナガヒメと同一ではないかという説があります。これを信じたい。なぜならハッピーエンドっぽいから、、!コノハナチルヒメはヤシマジヌミという神様と結婚、そして何代か後に子孫にオオクニヌシが誕生します。国つ神のTOPであり後の出雲大社の神様です。そう、だいこくさま。見た目に捉われず本質を見る神と結ばれた結果、神話上とても大事で、なおかつ懐深い優しい神様が誕生してるなんて素敵。

※勉強中のノートのため内容に変更追記があることもございます、ご了承くださいませ🙏


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