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【選挙ウォッチャー】 東久留米市議選2019・分析レポート。

実は、東久留米市も初めて訪れる地ではありません。一昨年のクリスマス前に何度も東久留米市を訪れ、市長選市議補選を追いかけていました。あれかれ約1年半が経ち、本来なら再び追いかけるつもりはなかったのですが、この街にも「NHKから国民を守る党」のポンコツ候補が立候補していますので、チェックしないわけにはいきません。

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東久留米市の定数は22ですが、今回は27人しか立候補していません。市議補選はあれだけ盛り上がったのに、本選に立候補してくる人が少ないというのは問題です。前回の取材で、東久留米市が成熟した街であることを知っているので、落選する人はわずか5人しかいないのですが、意外と大丈夫なのではないかと見ています。ミドルアッパー層が静かに暮らす街という雰囲気なので、B層はそれほど多くないのではないかと推測しています。けっして「NHKから国民を守る党」にフィットする街ではないと見ているのですが、僕の読み通りの結果になるでしょうか。


■ 民度の高い東久留米市ではN国党が落選

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一言に「NHKの集金人」と言っても、多くは「普通の人」であり、NHKから国民を守る党の言っているような「悪徳集金人」というのは、ごく少数だと思います。もちろん、少数でも強引すぎる取り立てがあってはいけませんが、「悪徳」と言われてしまう一番の原因は、「テレビがあるのにお金を払わない」という不法行為をする人たちがゴネることにあります。テレビがなければお金を払う必要はないのだし、テレビがあるのにお金を払いたくないと言ってしまうからトラブルが起こるのです。国民に受信料を払わなくて良いかのような誤解を与えて、余計なトラブルを増やしているのは他ならぬ「NHKから国民を守る党」であり、これはただのマッチポンプに過ぎません。そんなカルト政治団体が地方自治体の選挙を狙い撃ちしてくる。その理由は「勢力が拡大しているように見える」ことに加え、いざとなった時に党員から上納金を払わせるシステムの構築です。はっきり言って、税金の無駄以外のナニモノでもありません。

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東久留米市には大山智という候補が立候補してきました。埼玉県新座市で1期4年の市議経験があるそうですが、見た目はポスターほど爽やかではありません。日本第一党の桜井誠似の風貌です。前回、大橋昌信が当選した選挙で落選し、このたび、NHKから国民を守る党に鞍替えをして、落下傘で東久留米市に上陸。元みんなの党で、現在は保育園の理事長をしているそうです。こんな「NHKから国民を守る党」に入っちゃうような痛々しいオッサンの下で学ぶ子どもが可哀想です。

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「NHKから国民を守る党」には、立花孝志を支持するN国信者がたくさんいます。統一地方選なので、各地に候補者が立っているのですが、東久留米市の選挙にもボランティアがいて、終日、熱心にNHKから国民を守る党の政策ビラと「NHK撃退シール」を配布していました。東京23区から立候補している人がたくさんいるのに、わざわざ東久留米市のボランティアに来る人がいるレベルで「NHKから国民を守る党」を支持している人たちがいるということです。今になって思えば、この時から参院選で議席を取ってしまうかもしれない予兆というものがあったのかもしれません。

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ただ、この「NHKから国民を守る党」の戦略は、本来は公選法に違反しているはずです。というのも、選挙管理委員会が取り締まりをしないのは、この「NHK撃退シール」「価値がない」と判断しているからです。総務省には「このシールには何の効果もない」と判断されていて、どこぞの宗教が作っている「交通安全」の御札シールと同じ。交通安全の御札を貼っても運転が下手な奴は事故るのと同じように、このシールを貼ったからと言って集金人が来ないわけではない。要するに、ゴミを配っているのと一緒。ところが、人の価値観はそれぞれなのです。飲み終わったペットボトルを渡されて「1票よろしく」と言われても投票する気にはならないという理屈ですが、乃木坂46の楽屋に置いてあったペットボトルだと言って渡されて「1票よろしく」と言われたら、「そんなもんいらないわ!」という人がいる一方、「必ず1票入れさせていただペロペロペロペロまーす!」の人が出てくるわけです。ペロペロの人にとっては1万円以上の価値がある。だから、このシールの価値を検証する必要はあると思うのです。


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