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【選挙ウォッチャー】 仙台市議選2019・太白区レポート。

宮城県議選を取材するにあたり、5日間にわたってお届けしてきた仙台市議選のレポートも太白区で最後です。太白区は青葉区とともに「宮城1区」になりますので、「宮城2区」から立候補する予定の鎌田さゆりさんにはあまり関係ないエリアになります。太白区は定数12ですが、今年は14人が立候補しましたので、この中から落選するのは2人だけです。

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予算の関係もあって、十分な滞在時間を確保することができず、あんまり深い取材ができていないのですが、ポスターを見た瞬間に話を聞いてみたくなるような様子のおかしい候補もいましたので、ちょっとサブカル的な目線で見るのが楽しい選挙となっています。


■ 宮城県丸森町支援物資輸送プロジェクト4日目

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以前、丸森町で水などの物資が足りていないという情報を聞きつけ、大量の水や紙オムツ、生理用品などを持って駆け付けた僕でしたが、着いた頃には寸断された道路が復旧され、自衛隊がやってきて、必要な物資も既に到着。何のために来たのかわからない状態になってしまったのですが、再び宮城県議選の取材をする機会がありましたので、もう一度、丸森町の様子を見てみることにしました。結論から言うと、コンビニなども再開しており、水などの物資は簡単に手に入る状態。ただし、浸水してしまった家などは相変わらず片付けに追われており、必要なのは「人」であることがわかりました。それもこの数週間ぐらいの話なのかもしれませんが、丸森町では今、復旧の真っただ中にあると言えます。

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さて、僕は「選挙ウォッチャー」なので、選挙のことについても触れておかなければならないのですが、実は、丸森町では宮城県議選がありません。というのも、丸森町や角田市の「角田・伊具」という選挙区では、定数1に対して1人しか立候補者がいなかったため、無投票当選が決まっているからです。当選したのは自民党の八島利美さん、59歳です。もともと市の職員だった真面目そうなオジサンなのですが、他に立候補する人がいなかったのです。地元では「こんな大変な時に選挙がなくてよかった」と胸をなでおろしている人もいたのですが、それはちょっと複雑な気分です。選挙がこんなタイミングになってしまったのは偶然で、家の片づけもままならない中、選挙なんて行っている場合ではないと思うかもしれませんが、ちゃんと復旧を進めるためにも税金を投入してもらわないと困るわけで、僕は八島利美さんがどんな方なのかを存じ上げないので、無投票当選でも仕事をしてくれるのかもしれませんが、もっと仕事をしてくれる人がいるかもしれない。本来は、より仕事をしてくれると思う人に投票し、復旧をスムーズに進めるべきなのです。もともと市の職員だったというので、少なくともオペレーションについてはわかっている人物なのだと思いますが、世の中にはN国に限らず、ろくすっぽ仕事をしないバカタレが蔓延っているのです。より良い人を政治家にしていかないと、僕たちはいざとなった時に困ることになってしまうのです。実は、今回の宮城県議選は8つの選挙区で無投票当選が決まってしまいました。台風19号の復旧問題を抱えている丸森町もそうですが、東日本大震災からの復興や女川原発の再稼働問題を抱えている石巻市や女川町も、定数5に対して5人しか立候補者がおらず、無投票当選になっているのです。今回の宮城県議選の大きな争点は、水道民営化と女川原発の再稼働問題。争点の「現場」となっている場所で無投票当選になっているのですから、これは日本の闇です。塩釜市、白石市、蔵王町、七ヶ宿町、東松島市、富谷市、大和町、大郷町、大衡村、大河原町、村田町、柴田町、川崎町、色麻町、加美町でも、それぞれ無投票当選になっているので、ざっくり宮城県の3分の1ぐらいは無投票当選だと言っても過言ではありません。生活に忙殺されて選挙どころではないかもしれないのですが、「選挙どころではない」という感覚が本当はいけないのです。


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