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【選挙ウォッチャー】 大阪府知事選2019・中間レポート。

大阪府知事選には、おそらく優秀な選挙コンサルタントが入っていると思われ、維新側も反維新側も堅実な戦いを見せていると思うのですが、「ネット戦略」においては、毎度のことながら「ネトウヨ」が物理的な量で上回ってしまうため、反維新側である小西禎一さんの劣勢にあると見ています。沖縄県知事選の時には「ネトウヨ対策」がしっかり機能したのですが、それは名護市長選でネトウヨ対策に失敗したために危機感を持つ人が多かったからです。大阪府知事選は想像以上に盛り上がっておらず、ネトウヨ対策をする人が少なく、このままではデマがまかり通ってしまう可能性がありますので、現状を少しまとめたいと思います。

と言っても、僕がここで書いていることが絶対的に正しいとは限りません。あくまで個人的な見解を述べているに過ぎず、僕のことを信用できない人はたくさんいるでしょうから、そういう人はべつに信用しなければいいと思うし、このレポートを書いたことで大阪府知事選に何らかの影響をもたらすかと言ったら、何一つ影響を与えることはないでしょう。そんなことでいちいち選挙が変わっていたら、どんな選挙も楽勝になってしまうからです。異論がある人は適当に異論を述べていたらいいと思います。僕は知る人ぞ知る存在で構わないので、これが絶対的に正しいと主張するつもりもありません。

■ 「大阪都構想vs給食無償化」にされている

ネトウヨの産経新聞のせいで、この大阪府知事選が「大阪都構想vs給食の無償化」というショボい戦いにされようとしています。これは「市民のためにお金を使う渡具知武豊vsパンダの誘致にお金を使う稲嶺進」という構図にされてしまった名護市長選と同じです。小西禎一さんにとって給食の無償化は数ある政策の中の一つであって、すごくショボい話を大々的に掲げているかのように見せられています。街全体のことを考えて「スマートシティ」を謳う吉村洋文さんと、多くの人にとっては関係の無い「給食の無償化」を謳う小西禎一さんという印象操作をされていますので、大至急、そうではないと否定するべきです。もし大阪都構想で比較するのであれば「大阪都構想をするvs大阪都構想をしないで大阪市を守る」の構図であることを見せるべきです。産経新聞の印象操作をすぐに潰す必要があります。

まず小西禎一さんが掲げている「給食無償化」は、大阪を活性化するための成長戦略ではありません。維新が切り捨てた福祉を取り戻し、人々の生活を豊かにすることで、お金をたくさん使ってもらう作戦の一環です。これとは別に成長戦略を語らないと、維新が掲げている成長戦略が魅力的に見えてしまいます。実際にはカジノで大阪の街を活性化させると言っていますが、カジノが成長の起爆剤になるどころか、大阪の治安を悪化させ、大阪の地価を下げることになり、総合的な経済効果ではマイナスになってしまう危険性があります。また、東京五輪が無駄なハコモノばかりの「負のレガシー」なのに、反省もなく大阪万博を進めることが大阪の活性化になるはずがありません。土建屋にお金を流すだけで富の再分配のバランスが悪く、人々の生活は悪化するばかりです。夢州の活性化のために「F1コースを整備する」と言っている維新の会が、果たして、本当に大阪の活性化ができるのか。このあたりの具体的な数字を出しての検証が必要です。

■ 論破されているという印象を無効化する

これもまたネトウヨの仕業なのですが、「アノニマスポスト」がデマを拡散しています。これは小西禎一さんがモニターを見ているシーンなのですが、「アノニマスポスト」は吉村洋文さんに論破されたため、ふてくされて外を向いているという話にしています。このような明らかなデマが拡散されており、少なくとも6571リツイート以上、1万1415件以上の「いいね」がついていることを見ても、この国のB層がこうしたデマを拡散することは問題です。これがデマであることを示すファクトチェックは既に取り組まれていますが、物理量で負けているため、もっとたくさんの正しい情報を流す必要があります。とにかくネトウヨは「論破」という言葉が大好きなのですが、論破できないことを嫌います。なので、「大阪市をなくすって、どういうつもり?」という線で議論をした方がいいでしょう。大阪市をなくすことになることは間違いないのに、どうにか「大阪市はなくなる」という事実をごまかそうと必死なので、事あるごとに「論破、論破」と騒ぐロンパーネトウヨは、瞬殺で黙らせる必要があります。

問題なのは、この明らかなデマを松井一郎さんがリツイートしていることです。松井一郎さんはデマであってもリツイートする人物であることを多くの人に知ってもらうべきでしょう。この明らかにB層が流しているデマを、それまで大阪府知事だった人間がリツイートしているのですから品位を疑う話です。もともと品位なんてものはあったものではないのかもしれませんが、これには抗議が必要でしょう。自民党から正式に抗議するべきかもしれません。

■ 巨大組織と戦う十八番の演出

橋下徹さんの時代から大阪維新の会のやり方は変わっていません。巨大な悪の組織を小さな体で倒す演出で、これまで人々の好感を得てきました。しかし、自民党、公明党、立憲民主党、共産党、連合大阪は「悪者」なのでしょうか。組織がないのに戦っていると言っていますが、実際には、大阪で既得権を持っている人たちは商売のために大阪維新の会を推しています。吉本興業や大阪タクシー協会は大阪維新の会を推しているので、自民党を熱烈応援することはありません。ご本人は「しがらみがない」と言っていますが、それは従来の自民党が持っているしがらみがないだけで、新しいタイプの利権を持ち、それを配っているのです。実際、大阪市営地下鉄をはじめ、市の財産を次々に民間に売り払い、それまで適切な運営が成されているかを市民がチェックできたものを、ブラックボックスの中に入れてしまい、交通インフラの財産を使ってウマウマできるようにしたのが大阪維新の会です。大阪でおいしい商売をしたければ、大阪維新の会様に逆らうなんぞは愚の骨頂なのです。ぜひ大阪メトロに関連する企業のラインナップを見ていただきたいです。実際は巨大な組織と戦っているのではなく、旧来の利権を壊し、新しい利権を生み出し、自分たちの仲間だけで潤う作戦が展開されているのです。

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