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【選挙ウォッチャー】 参院選2019・宮城県選挙区レポート。

この宮城県という選挙区は、1956年の第4回・参議院議員選挙で自民党が初めて議席を獲得して以来、今日の今日まで自民党が完全に議席を失ったことはありませんでした。自民党から立候補した愛知治郎さんは、祖父が外務大臣や大蔵大臣を務めた偉大な政治家で、父の愛知和男さんも当選9回を誇る衆議院議員の重鎮。祖父の代から脈々と受け継がれてきた圧倒的な地盤と組織力で、愛知治郎さんが負けることなんて想像もできませんでした。一人のストロングスタイルの女性が、歴史的な快挙を成し遂げたのです。

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愛知 治郎  50 現 自民公認・公明推薦
石垣 のりこ 44 新 立憲公認・国民・共産・社民推薦
三宅 紀昭  57 新 NHKから国民を守る党公認

僕が石垣のりこさんに初めて会ったのは、参院選の真っ最中の時でした。僕は「選挙ウォッチャー」なので、まだまだたくさんの選挙区を回らなければならず、気持ちとしては宮城県にべったり張り付いて、石垣のりこさんのことを徹底的にバックアップしたいぐらいでしたけど、そういうわけにもいきませんので、僕は合計で3日ほど取材させていただいて、そそくさと次なる取材の地に行くことになったのでした。あまりにも激戦すぎて、最後の最後まで当選確実が出なかったので、開票の時はかなりハラハラさせられたのですが、結果、石垣のりこさんが当選したことで、国会のいろいろなものが可視化されるようになり、桜を見る会の野党合同ヒアリングで官僚にバッチリ質問している様子などを見ると、やっぱり石垣のりこさんが議員になって良かったと思います。


■ 菅野完さんは選対本部長ではない

ネトウヨ界隈でまことしやかに囁かれている「石垣のりこさんの選対本部長は菅野完だ!」という噂。ジャーナリストの須田慎一郎さんがいわく付きのテレビ番組『ニュース女子』で話したこともあって、ファクトチェックがまったくできないネトウヨのブラザーたちが、デマを真実かのように受け取っているので、きっと同じデマが流されることになると予想されるため、このレポートでもしっかり書いておこうと思うのですが、石垣のりこさんの選対本部長は、立憲民主党の衆議院議員・岡本章子さんです。もちろん、今回の参院選での勝利は、最後の最後に選挙戦略の責任を取る岡本章子さんの手腕があってのことなのですが、今度の衆院選で宮城2区から立候補予定の鎌田さゆりさんの力もだいぶ大きかったと思います。では、なぜネトウヨのオジサンたちは菅野完さんが選対本部長だったなんていうデマをあっさり信じてしまうのか。その理由はめちゃくちゃシンプルです。選挙事務所で菅野完さんの姿を目撃した人がいるからです。確かに、僕も石垣のりこさんの選挙事務所で菅野完さんに会っているので、菅野完さんが事務所にいたかどうかで言ったら、間違いなく「いた」です。僕が見ているんだから間違いありません。だとすると、ネトウヨの皆さんが気になっちゃうのは、どうして菅野完さんが石垣のりこさんの選挙事務所にいたのかという話です。菅野完さんが石垣のりこさんを応援していた理由は僕の中ではけっこう衝撃的でした。菅野完さんが石垣のりこさんを熱烈に応援していた理由、それは「石垣のりこさんが菅野完さんが発行している『月刊ゲゼルシャフト』の読者だから」です。「我が雑誌の読者が参議院議員に出るとなったら、そら応援せなアカンやろ。この人、めちゃくちゃええセンスしてはる!」だそうです。それで仙台に泊まり込んで、「事務所の掃除は絶対に欠かしたらアカン!」とか言いながら、いきなり掃除とか始めたりなんかして、選挙カーから降りてきたボランティアスタッフを毎度毎度拍手で迎えたりして、気づいたら石垣のりこさんが参議院議員になっていました。


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