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【選挙ウォッチャー】 横浜市議選2019・南区レポート。

横浜市議選の中で、最もドロドロとした黒いものが蠢いているのが横浜市南区になると思います。というのも、日本屈指の政治屋である菅義偉官房長官の懐刀だと言われている遊佐大輔さんが立候補している選挙区になるからです。4年前もトップ当選を果たしているのですが、菅義偉官房長官が引退するようなことがあれば、将来的に遊佐大輔さんが国政に挑戦することもあり得るわけですから、今からどのような選挙を繰り広げているのかをチェックしておくことは大切です。

遊佐 大輔  37 現 自民党
渋谷 健   60 現 自民党
仁田 昌寿  62 現 公明党
荒木 由美子 59 現 共産党
伊藤 純一  46 現 立憲民主党
原 祥平   32 新 無所属

南区は定数が5から4に減ったため、現職5人のうち、誰かが議席を失うということになります。おそらく自民党と公明党は強いでしょうから、ここでも立憲民主党か共産党のどちらかが議席を失うことになるんだろうと思うのですが、菅義偉官房長官のお膝元では、どのような選挙が繰り広げられるのでしょうか。


■ 南区は完全に「遊佐祭」が開催されている

37歳にして絶対的な強さを誇っているのが遊佐大輔さんです。まだ横浜市議だということもあり、知る人ぞ知る存在のため、どれだけのポテンシャルを持っているのかを知らないかもしれないのですが、小泉進次郎さんが総理大臣をやる頃に官房長官をやっていてもおかしくない、菅義偉の懐刀と言われている人物です。横浜高校に進学し、桜美林大学に進学するも、家業閉鎖により勉学を断念し、民間のごみ工場に就職。サラリーマン生活の中で菅義偉官房長官と出会い、政治に関心を持って秘書になり、横浜市議会議員になったという人物です。毎年のように「ゆさ祭り」なるものを開催し、一度でも挨拶をすると顔を覚えていると言われるほど。

横浜市南区、西区、港南区は衆院選の「神奈川2区」となり、菅義偉官房長官が選出されている場所です。ここでは1994年の小選挙区導入後、8回連続で菅義偉官房長官が選出され続けています。民主党が政権交代を果たした2009年の衆院選では、菅義偉(13万2270票)、三村和也(13万1722票)となり、ギリギリまで詰め寄られたこともありますが、それでも菅義偉さんが勝ち続けています。そんな土地なので、ポスターに「令和おじさん」こと菅義偉官房長官の顔が採用されるのは自然なことです。

街にある「公安警備保障」という謎の会社の前にも、遊佐大輔さんと菅義偉官房長官の2連ポスターが貼れているほどで、南区では自民党の議員が2人立候補しているのですが、圧倒的に遊佐大輔さんが推されているのだとわかります。

今回、遊佐大輔さんの事務所に行ってみたのですが、「ゆさ大輔」の提灯と大きな垂れ幕があり、窓には通行人に向けて遊佐大輔さんが書いたと思われる直筆のメッセージが掲げられていました。事務所の前を通った人はその熱い想いを受け取り、思わず投票したくなってしまうことでしょう。

日頃から大変お世話になり、心より感謝申し上げます。いよいい四年に一度の市議選がスタートいたしました。ご近所の皆様のご迷惑にならないよう誠心誠意努めます。教育を始めとした子どもたちや子育て世代への積極的な投資、医療、介護などの社会保障はもちろん、横浜版景気対策で持続可能な豊かさに溢れる新時代づくりに挑戦します。

このようなことが書かれているのですが、師匠の菅義偉官房長官は地元の大反対を押し切り、横浜にカジノを建設しようと奮闘しています。横浜にカジノを作ったところで、横浜版景気対策にはならないと思うのですが、そこは進めてしまうのでしょう。よくよく読んでみると、たいしたことは書いていないのですが、なかなか達筆なこともあって、好感度は高いです。「ゆさ祭り」の効果もあって、地元の人との交流も忘れない男なので、今年は4年前の選挙よりも票を積み増しました。


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