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【選挙ウォッチャー】 荒川区議選2019・分析レポート。

「荒(すさ)んだ川」と書いて「荒川」。まさに、この荒川区の選挙は、なかなか荒んだ選挙だったと言えるかもしれません。かつて僕のレポートを読んでくれていたはずの宮本舜馬さんは、今となっては日本維新の会に行ってしまった音喜多駿センセイがクラウドファンディングで設立した「あたらしい党」から立候補し、今では「NHKから国民を守る党」の夏目亜季と会派を組むほどです。音喜多駿センセイの思想に共感したと言っていた時点でだいぶ大丈夫なのかと思っていましたが、夏目亜季と会派を組んだ時点で「終わっている」と判断しました。それまでは若手のホープという感じで応援されていましたが、僕は完全にヤバい奴だと思っています。とても応援できるはずがありません。

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音喜多駿センセイが作った「あたらしい党」ですら、今となっては開店休業状態で、統一地方選以降、あたらしい党の候補者を見ていません。もしかしたら僕が見ていないだけかもしれませんが、一応、音喜多駿センセイが参院選に当選して以降、特に新しい動きはなく、地方選に新たな候補者を擁立する動きもありません。8月31日に政治塾「あたラボ」なるものを開講すると言っていますが、どうやら音喜多駿センセイの講釈を2時間ぐらい聞くという内容のようです。こんなもので日本の政治の勉強ができるなら、だいぶお手軽です。まだ「あたらしい党」がなくなったわけではないようですが、こんな感じでヌルッと進んでいくのでしょう。


■ ほとんど準備なしでN国党が当選した

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厳しい言い方をするようですが、地下アイドルとしては、だいぶ深い位置にある夏目亜季は、どうやら自設の事務所の担当マネージャーがゴリゴリのN国信者のようで、夏目亜季もまた熱狂的なN国信者であると言えます。党に上納する130万円を払うか払わないかを悩んでいた時に、それこそ解脱のチャンスではないかと思ったのですが、夏目亜季を支えるはずのマネージャーの男がゴリゴリのN国信者だったばっかりに、もう戻れないところまでやってきてしまいました。できることなら、お年頃の女の子だというだけで無条件に助けてあげるべきなのかもしれませんが、僕の心はそこまで成熟していないので、NHKから国民を守る党のカルト党員として男女の分け隔てなく、「熱狂的N国信者」として取り扱うことにしました。

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夏目亜季は、立花孝志とネットの番組で共演したことをキッカケに、党に誘われることになり、急遽、NHKから国民を守るから立候補しました。わりと直前になって立候補を決意したため、ほとんど選挙前の活動はできていなかったものと思われます。しかし、荒川区は東京23区の中でも平均の所得が低いエリアで、もともとNHKにお金を払いたくない人が潜在的に多いことが推測される街でした。そこに若い女性が立候補しているわけですから、無条件に投票してしまう「D層」が存在しました。これまで僕はずっと「B層」だと表現していたのですが、「B層」は、よくわからないけど現政権に肯定的な立場を取っている人たちであり、NHKから国民を守る党を支持している人たちは、どちらかと言うと、よくわからないけど現政権に否定的な立場を取っている人ということになります。なので、これまでずっと「NHKから国民を守る党」を支持している人たちは「B層」であるとお伝えしてきましたが、厳密なカテゴリー分けをすると「D層」であるということをここに記しておきたいと思います。

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驚くべきは、夏目亜季がこれだけカルト全開な政党に入り、完全に頭のおかしい状態になっているのに、ファンが夏目亜季を止めるでもなく、一緒にビラを配って応援しているというころです。その結果、「ユーチューバー国会議員」ではなく「国会議員ユーチューバー」を名乗っている立花孝志と同じように、「アイドル政治家」ではなく「政治家アイドル」を名乗るようになって、メインが政治家ではなく「アイドル」になっているということです。

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この選挙期間中、僕は何度か荒川区を訪れていますが、駅前に夏目亜季の選挙カーが置いてあるぐらいで、政策ビラを配っていたのはN国信者たちで、夏目亜季が稼働している時間は少なかったように思えますし、夜になると日暮里駅前に車が放置されているだけだという戦略が取られていました。これは「NHKから国民を守る党」がたびたびやる戦略で、人が完全にいなくなることもよくあります。候補者たちのハートが無視され、物理的なものだけが優先される。まさに今の「売れない日本製品」を見ているようですが、こんなものが支持されてしまうのですから、日本の知のレベルはだいぶ下がっているということです。


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