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【選挙ウォッチャー】 札幌市長選2019・分析レポート。

北海道札幌市は、大阪府大阪市と同じように知事選、市長選、道議選、市議選が開催される「クワトロ選挙」になりました。今回、11知事選と5政令市長選をすべて追いかけることが僕のミッションだったわけなんですが、無事にすべてを追いかけることができたと言えます。北海道知事選は「自民・公明推薦の若造vsオール野党のオジサン」という構図になりましたが、札幌市長選はなかなかイビツな構図になっていました。そんな状況も含めて、どんな選挙だったのかをお伝えします。

秋元 克広 63 現 自民・公明・立憲・国民・社民・大地推薦&支持
渡辺 達夫 54 新 共産推薦

これを見ていただければ分かるように、札幌市長選は与野党相乗りで現職を推薦し、いつものように共産党だけが独自の候補を立てているという構図になります。ただし、秋元克広さんになって札幌市が良くなったのかと言われたら、あんまりなっていないのではないかというのが市民の肌感覚のようです。「現職が微妙」となると、選択肢は渡辺達夫さん1択になってしまうのですが、多くの人が「だからと言って共産党に入れたいわけではない」と考えている人もいたようで、第3の選択肢を求める声もありました。


■ 争点は1000億円の無駄な道路建設

先日、安倍晋三総理の地元と麻生太郎財務大臣の地元を結ぶ2000億円の「下関北九州道路」について、塚田一郎国土交通副大臣が「忖度する」と発言し、大臣を更迭される騒ぎがありましたが、実は札幌市でも1000億円の無駄な道路建設が進められようとしていて、僕たちの暮らしが政治によって苦しめられています。現在の計画では、わずか5kmに満たない道路のために1000億円という巨額の費用をかけようとしていて、札幌市が200億円の借金を背負う計画になっているそうなのですが、ただでも人口が流出し、札幌に住む人がどんどん減ろうとしているのに、距離の割に建設費が高すぎる道路を作り、その借金の返済は少ない人口で割らないといけないのですから、これから借金返済のために行政サービスが低下するのは確実です。こうしたズブズブの利権を受け入れているからこそ、自民・公明党が対抗馬を出してこないのかもしれませんが、日本ハムファイターズは札幌ドームを捨てて北広島市で試合するようになりますし、現市長の取り組みが札幌市を疲弊させていることは言うまでもありません。辛うじて中国からの観光客によって経済を保っているところがありますが、肝心の市民の暮らしがちっとも良くならないのでは意味がないのです。


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