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親子で心が彩り豊かになる世界を見た、触れた、感じた。

アクリル板越しに見えた彼女の表情が忘れられない。
昨日から、やや興奮気味である。

下の子が生まれてから、目が離せなくなるようになり
ここ最近は特に、どうしても長女への余白を持った関わりができずにいた。
我慢させてしまうのは、いつだって長女。
怒られてしまうのも、いつだって長女。

本当は泣いたり、怒ることなく、眠りにつかせてあげたいのに。
そんなことさえも、難しい日々が続いていた。
2人同時に泣かれるとどうしていいかわからなくなる。
怒っている娘を見ると、イライラしている自分をみているようで嫌になる。

このままではいけない。

やっと、調整がついた一時預かりへ息子が通い始める。
それと同時に私のやりたい事も次から次へと湧き出る。
そして娘と2人で過ごす時間を作ろうと意識している。


昨日はその娘との2人時間を
千葉県の”OPEN ENDED ART”さんのアトリエで過ごした。
自宅からは電車で1時間ほどの距離にある。
ここ最近、1時間ほどの電車移動も苦なくできるようになり、
幸い電車に乗りたいと言っている娘にとってちょうどいい旅だったようにも思う。


扉を開けて、お店のキリちゃんが説明をしてくれた。
靴を脱ぎ、裸足になる。
一歩入るとそこには、ベニヤ板やアクリル板、大きな模造紙が吊るされていたり
豪快に落書きされた一面の壁。
大人である私も心が躍った。
「なんでも使っていいですよ。」
そう言われたものの(本当に?これも?やっちゃっていいの?)が本音。
娘と探り探り、最初は控えめに…絵の具や筆を手に取る。
その瞬間、私たちがいかにたくさんのルールに縛られて生活しているかを感じた。
今この瞬間のペイントアート一つだけでなく、
社会や、家庭、このコロナ禍での決められたルールだ。

絵の具や粘土、安価で手に入るこの時代に家庭でやったことはあるのでは?
どんなに新聞紙を敷いたり、貼り巡らせても
神経はを張り巡らせている。
壁に飛んだら、貼り替えだなー
これが服についたら落ちないよなー
そんな後先の事を考えながら、気がつけば
「あー!!」「もー!」「ダメー!」
なんて口にしていた。

できれば、制限することなく
思うように伸び伸びとやらせてあげたい。
そんなママの願いが叶う場所だった。

好きな色を選び、混ぜたり、
好きな方法で、あちらこちらにベタベタと手形や筆で
真っ白な模造紙や、アクリル板が塗られていく。

だんだん慣れてきた娘は、次第に豪快に。
この後、電車で帰ることもお構いなし。
顔に絵の具を塗ったり、霧吹きで色付きの雨を降らせたり。
その点で言うと、子どもの方が思考が柔らかい。
好きにやっていいんだよと言われても
着替えを持ってきていたとしても
どこか躊躇してしまったりするんだから、大人である私は。


私はガミガミ言わなくていい、娘は好き放題やれる。
そんな空間が、心が豊かになる。
親子でその空間を見て、触れて、感じる。
なんて表現したらいいんだろう。
一言で言うなら、
Well Being
がふさわしい。

心地の良い、良い溜息が出る。また行きたい。

帰ってくるなり、余韻に浸り
動画を見返して胸が熱くなる。

一番最初の、黄色い絵の具の入った霧吹きをかけた時の
透明なアクリル板越しに見えた娘の
驚きと、嬉しそうな顔がずっと頭から離れない。

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