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小さな詩と絵Ⅱ

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絵にちいさな詩を添えて・・・Ⅱ
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2018年5月の記事一覧

涙色の空から 青紫の星が落ちた
こころですくい取ると
あの 遠い日の 悲しい雨のような香りがした

まぶしい季節が 君にはよく似合う
輝く君は夏 臆病な僕は冬
ふたりはずいぶん遠いけど
ふと惹かれ合った いつかの夢のように

風は未来を知っている
私の この悲しいこころの結末が
いつかの 青く流れる空の先にあることも

薄青い夏の片隅に
花びらのような忘れ物をした
あの時に あの時にこそ
それは言葉にするべきだったのに
風の中を ひらひら 今は遠く遠く

春のどこかに
置き去りにしたせつないこころ
あの ちいさな花だけが知っている