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久しぶりの読書で気持ちが晴れる

先日、田内学さんの著書「きみのお金は誰のため」を読了しました。私がこの本を知って読むきっかけになった経緯は以下の記事に書いていますが、著者の田内学さんのプロフィールを読み自分と同世代であったこともこの本に興味を持った一因でもあります。

一番良かった点は小説形式になっていてとても読みやすいことです。そしてお金にだけ焦点を当てるのではなく、社会の仕組みを解説しながらどう生きていくべきかを考えさせられる内容であることです。
また登場人物の中学生優斗や投資銀行で働いている七海が感じていることは自分も含めて多くの人が普段から感じていることと重なるので同じ目線で読み進めていくことができます。「そんなことは綺麗事でしかない」と思いながらも登場人物と同じように物の見方や考え方が広がっていくという不思議な感覚でした。

誰のために働くのか? この問いかけに、自分や家族のためだと答える人は多いやろう。彼らは「誰のためにお金を稼ぐのか」という質問をされたと考える。「働く」という言葉を、「お金を稼ぐ」という言葉に自動変換しているんや。

田内学著「きみのお金は誰のため」P207より引用

特にこの引用部分のところに惹かれました。この後にも具体的な話が続きますがいわゆる「専業主婦」や「働く女性」という言葉への違和感が払拭されました。

偶然にもその後続けて読んだ秋吉理香子さんの著書「月夜行路」でも似たような文章に出会いました。

数字じゃないわ。むしろ数字に換算するのもおかしなことだと思う。お金にならないと価値がないって言ってるようなものじゃない。あたし前から気になってたんだけど、出産、育児後も女性が復帰して輝ける社会ってよく聞くけど、仕事をしていないと輝いていないの? 専業主婦だって輝いているわよ

秋吉理香子著「月夜行路」P150より引用

それぞれの立場や事情によって生き方が異なる中で、目立っているカテゴライズから外れていることに罪悪感や生きづらさを感じている原因はこれなんだろうなと思いました。自分のことも周りの人も大切にすることで誰かの役に立てると思います。たとえそれが目に見えず形にならないことでも。

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