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読書記録 「SNS医療のカタチ」さんの同人誌を読んでみた

知り合いのmちゃんから教えてもらって出会った一冊の本。この本は今まで配信されたYouTube「SNS医療のカタチONLINE」で行われた講演を基に構成されているようですが、恥ずかしながら活動自体全く存じ上げませんでした。まずは活字で本として読みたいと思い、早速取り寄せました。

読み始めてすぐに感じたのは「やさしさ」です。本の副題に「36人の専門家が本気で考えたやさしい医療のカタチ」とあるように、気になっていたけれど知らなかったことや知っておくべきことが、誰が読んでもわかりやすく書かれていました。
様々な分野のことが書かれているので飽きることなくどんどん読み進めることができます。特に興味深かったのは、情報との向き合い方やストレスのこと、そして生き方についてです。   

私が病気になったのは今から35年ほど前。SNSは勿論のことネットも携帯もない時代です。そして私は当時まだ小学生。自分から情報を得ることもなく目の前の治療に専念していました。幸いなことに、主治医や両親が「子ども扱いではなく一人の人間」として自分の病気や治療内容、薬、検査結果について詳しくわかりやすく伝えてくれました。そのおかげで不安や恐怖を感じながらも、病気と長く付き合っていくという覚悟もある程度できました。主治医や周りの医療関係者のことも信頼していたので、環境に恵まれていたと思います。

もし今の時代に病気になっていれば、きっとネットの情報に頼っていたでしょう。新しい治療法や薬を知ることができるし、同じ病気や悩みを抱えている人とも簡単に繋がることもできます。
でも多くの溢れる情報の中から、正しいものと自分が本当に必要なものを探すという情報リテラシーを身につけていないといけません。そして本来は「共感」からの安心や安らぎであるはずの人との繋がりも、時には重く負担になってしまうこともあります。
これらは、医療情報に関わらず全てのことに関して現在のネット社会で言えることです。常に視野を広く持ち、偏りすぎず客観的に判断できる余裕を持ちながら上手くネット社会を生きていきたいと思います。

ストレスに関して、今までは「いかにストレスを回避するか、減らすか」ということばかり気にしていました。でも同じ状況に遭遇しても、人によって受け止め方や行動は異なります。ストレスの受け止め方や反応、考え方を変えていければ良いのだと理解しました。

そして、上手に歳を重ねていくために必要なこととして書かれていたのが、「自分にとって最も大切なことを考えておき、できれば自分の大切な人とシェアしておくということ」です。最新で最良な治療法があったとしても、生き方や価値観によって最適な治療や過ごし方は異なります。健康であればあまり考えないことかもしれませんが、誰にでも万が一のことは起こりえます。あらかじめ考えておくことは大切だと思います。

2023年8月26日と8月27日の19時から「SNS医療のカタチTV2023」が配信されます。

サブタイトルは、『もういちど「やさしい」を取り戻す』です。今からとても楽しみです。




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