佐藤千晴

出産を機にメンタルバランスを崩し心理学を学び始める。長年抱えてきた生き辛さの解決に取り…

佐藤千晴

出産を機にメンタルバランスを崩し心理学を学び始める。長年抱えてきた生き辛さの解決に取り組む中で、自身も心理カウンセラーの資格を取得。/ 心理学をベースとしたエッセイを書くことが得意。/ 育児・母娘関係・生き辛さ / 静岡県在住37歳。小学生の息子・15歳年上の夫と3人家族。

最近の記事

わたしの言葉の良いところ。

わたしは友人から相談されることが割と多い。 相談事ではなくても、日常の出来事を聞くこともよくある。 そして話し終わった時に、大抵の友人がこんなことを言ってくれる。 「千晴と話しているとまるでカウンセリングを受けたような気持ちになる。ありがとう。」 と。 そう言われると嬉しい気持ちになるのだが、同時に疑問に感じることもある。 ただ普通に話を聞いて、ただ思ったことを言っているだけなのに、どうして友人は「癒された」などと言ってくれるんだろう。 自分が友人と話すときの会話を客

    • 心配性の息子

      9歳の息子は心配性だ。 そんな小さなことでそんなに心配になるの?と思うくらい。 例えば、放課後友達と遊んでいた時のこと。 息子はドラゴンボールのカードで遊んでいて、他の友だちはサッカーをしていたそうだ。 そんな中、一人の子が蹴ったボールが道路に出てしまい、車がそれをよける、ということが起こったらしい。 それ自体は非常に危ないことだし、誰一人ケガがなくてよかったのだが、そこから息子の心配がはじまった。 「ママ、どうしよう。 A君とB君が遊んでいたサッカーボールはね、俺のもの

      • 幸せをあきらめない。

        ゴールデンウィークに友人の結婚祝いをすることになった。 今からとてもワクワクしている自分がいる。 何をプレゼントしよう。 やっぱりマグカップかな。 手紙も添えよう。 ご飯もご馳走したい。 初対面のご主人に会うのも楽しみだし、 そして何より幸せそうな彼女の顔を想像すると胸が熱くなる。 彼女と出逢ったのはある心理学講座だった。 もう6年以上前になるだろうか。 一見悩みなどなさそうに見える明るい表情。 とても美人で教室の中でも目立つ存在だった。 彼女は恋愛や結婚においての悩み

        • その『行きたくない気持ち』の正体は。

          最近は『退職代行サービス』というものがあるらしい。 会社を辞めたいのだが、自分でそれを上司に伝えることが出来ない。そんな時に退職に関する一切の業務を代わりにやってくれる。 「雇ったすぐ直後に辞めてしまう。 それに伴って、たくさんの手続きや書類が必要になってくる。 企業側がどれだけ大変な思いをしていると思うのか。 社会人なんだから辞める意思くらい自分で伝えなさいよ。」 テレビの中のコメンテーターは怒り心頭の様子だ。 まぁそうだ。 会社側にとっては大変だろう。 でもそのサ

        わたしの言葉の良いところ。

          手料理だけが並ぶ食卓が苦手。

          誰かのお宅に招待されて、出して頂いた料理が全てその方の手料理だったら最悪。という話ではない。 これは、我が家の話。 わたしは、食卓に自分が作った手料理だけが並ぶことが苦手なのだ。 例えば昨日の食卓。 夕飯に肉じゃがと菜の花の辛し和えを作った。 簡単なものだけれど、どちらも手料理。味付けはわたしだ。 それらをテーブルに並べる。 夫や息子が食べ始める。 途端にわたしは変な緊張感で心がざわつく。 おいしいかな まずいかな 固いかな 濃いかな どうかなどうかなどうかな 夫の

          手料理だけが並ぶ食卓が苦手。

          プロフィールを変更しました。

          プロフィールを変えてみた。 そもそもこのnoteは 父の闘病を近くで見ていることがあまりにも辛くて、気持ちをどこかに出したくて初めたものだ。 早く書きたくて仕方なくて、適当に『いと』という名前をつけた。 少し珍しい3文字の苗字をつけたくてネットで検索してみたが、『後醍醐』のような歴史感たっぷりなものが多くて諦めた。『後醍醐いと』って何だよ。笑 プロフィール写真は、幼い頃の自分にした。子どものころの純粋な気持ちを忘れないように、と。まぁこれも適当に選んだ写真と理由だ。

          プロフィールを変更しました。

          ランドセルと里芋と。

          83歳の伯父はいつもわたしを子ども扱いする。 畑でとれたじゃがいもを持ってきては 「ちゃんと芽を取って食うだぞ。」 と言い、 抱えきれないほどの菜っ葉を持ってきては 「色の悪い所は取って、緑の所だけ食うだぞ。」 と言う。 「分かってるよ。」 わたしはいつも苦笑い。 ほんと、わたしを何歳だと思っているんだろう。 伯父の中には、まだ赤いランドセルを背負った小さいわたしがいるに違いない。 先日、袋一杯の里芋を持ってきた時もそうだ。 「煮方分かるか?出来るか?」 聞き飽きた

          ランドセルと里芋と。

          金目鯛の思い込み。

          お気に入りの健康ランドがある。 結婚前から夫と二人で宿泊をしていた。 息子もまだハイハイをする時から連れて行っていたので、割と長年の常連客だと思う。 温泉施設ももちろんのこと、何より夕飯が美味しい。 清水港でとれたしらす・さくらえび。 金目鯛の煮つけやマグロの刺身。 お酒とともに、これらを食べる時間。日頃の疲れは一気に吹き飛ぶ。 けれど、先日この美味しい料理が食べられない日があった。 その日、息子に付き合ってプールに長時間入っていたせいだろうか。 温泉でいくら温まっても

          金目鯛の思い込み。

          記憶の選別。

          「記憶力いいね」 そう言われることがよくある。 学生時代の友人と会うと、思い出話に花を咲かせることも多いが、 そんな時周りから言われる言葉。 「よく覚えてるね!」 「あんた、そんなことまで覚えてるの!?怖っ!」 自慢といっていいだろうか。 いや、自慢と言ってしまえ。 わたしは、人の話を記憶する能力に長けていると思う。 話してくれた内容を忘れることは滅多にない。 それが重い相談内容であっても、下らない世間話であっても。 カウンセラーとしては役に立つ能力だったと思う。

          記憶の選別。

          カウンセリングをしていると辛くなりませんか?

          『カウンセラー』として活動をしていた時、割と多く聞かれたこの質問。 「人の話をずっと聞くのって大変だね。」 「ずっと、暗い話聞いてるんでしょ?相手の悩み、貰っちゃったりしないの?」 カウンセラー=人の悩みを聞く=自分まで暗くなる=辛い仕事 そんな方程式のイメージなのだろうか。 この質問を受けた時、わたしは100パーセント自信を持ってこう答える。 「全く辛くないよ。むしろ力をもらえるくらい。」と。 ………… カウンセリング、と言ってもたくさんの技法や種類がある。 わ

          カウンセリングをしていると辛くなりませんか?

          ヤレる大学ランキングに母校が入っていたこと。

          タイトルの通り。 最初に知ったのは、テレビのニュースだった。 ランキングに入ったとされる大学の学生が、出版社に抗議に行く場面が流れていた。 そして数日後、ネットニュースでも見かけるようになり、わたしは何となくその記事をクリックした。 とくに興味があったわけではない。 「下らない記事を書く人がいるんだな」くらいの気持ちだった。 でも、なぜか見てしまった。 本当に、何となく見ただけの記事。 けれど、それはわたしに大きな衝撃を与えた。 母校が入っていたのだ。 しかも1位。

          ヤレる大学ランキングに母校が入っていたこと。

          ボスチャイルドの復讐。

          例えば目の前の人からこんな事を言われたら。 「今までありがとう。色々ごめんね。 これからは、あなたの人生を生きてね。幸せになってね。」 目の前の人が微笑んで自分に語りかけてくる。 そしてその語りかけている人物が、自分を散々酷い目に合わせてきた親だったとしたら。 これは先日、わたしが体験した実際の話。 その日は定期的に受けている心理セッションの日だった。 わたしはいつもに増して暗い顔をして部屋に入った。 そしてセラピストさんの笑顔を見た途端、涙がどんどん溢れてきた。

          ボスチャイルドの復讐。

          愛していたことの証明。

          先日読ませて頂いたこの記事。 いつも記事を読ませて頂いている、間詰ちひろさん。 毎朝、noteを開き、間詰さんの記事を読むことがわたしの日課だ。 先日、お父様がお亡くなりになったことを記事で知り、何かコメントを、と思ったのだが、書いては消し、書いては消し、結局何も言えなかった。 ゆっくり悲しみを感じられますように。 勝手ながら祈らせてもらうくらいだった。 親が亡くなる喪失感と言うものは、言葉に出来ない。 わたしも昨年それを経験した。 最近の間詰さんの記事は、どれも

          愛していたことの証明。

          寂しさの耐久レース。

          夫と息子が一泊で健康ランドに泊まりに行った。 昨日の午前中に家を出て宿泊をし、 チェックアウトは11時なので、あと数時間もすれば帰ってくるだろう。 「ママも行けば?」 そう言われたけれど、温泉って、リラックスして疲れがとれると思いきや、意外と体力を喪失しがち。 熱いお風呂に浸かり、サウナに入り、息子のプールに付き合う。 昔からの『元を取らなきゃ精神』が出てしまい、次の日の朝もチェックアウトギリギリまでお風呂に浸かってしまう。 朝寝坊も出来ないし、昨晩のお酒が残ってしまう時

          寂しさの耐久レース。

          「お金があっていいよね」という違和感。

          最近ストレスを感じることが昔より少なくなった。 もちろん、悩むことやイライラすることもあるけれど、 それに日常を支配され、布団から起き上がることが出来ないようなことは、ほとんどない。 ストレス耐性が強くなったわけではないと思う。 単に、ストレスが溜まるような不快なことを避けているだけだ。 少しでも違和感を感じた人とは距離を置いている。 愛想笑いをして、人の話に合わせて、帰宅後ストレスを洗い流すように酒を飲むのならば、そんな人間関係は必要ない。 やりたくもない仕事はしたく

          「お金があっていいよね」という違和感。

          シャボン玉の孤独と共依存。

          孤独だな…… そう感じることがある。 常にではないが、消えることがない、この感覚。 それはずっと小さなことから。 休み時間の級友の笑顔の中で、 修学旅行の新幹線の中で、 大人になった今も、それは例えば子どもの参観日で。 孤独を感じた時の状況を、以前受けた心理カウンセリングで、わたしはこんな風に表現した。 自分だけ割れないシャボン玉の中にいる感覚だ、と。 周りと自分の間には、薄くて透明な膜がある。 外の様子もよく見える。 けれど決して膜が割れることはない。 わたしは、

          シャボン玉の孤独と共依存。