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『映画デデデデ』を見に行きました

 昨日は、アニメ映画『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』を見に行った。

 この映画は、東京に宇宙から『母艦』といわれる飛行物体が来て、それに振り回されるかのように世間が変わっていく中で、変わった日常を生きていく女子高生達を描くSF作品である。
 僕が幾田りらさんとあのさんのファンであることが、この映画に興味を持ったきっかけである。主題歌をデュエットで歌い、主人公の小山門出と中川凰蘭を演じるということが「見てみようかな」と思った理由である。実際に調べてみて、あらすじを読んで「これは面白そうだな」と思って見ることにしたのである。

 面白かった。女子高生達のあどけなさが残る青春と、それに影を落とす世間との落差が描かれていて、それが少しずつ少女達の日常を侵食していくのがぐっときた。家族から完全に独立できない高校生という時期だからこそ、門出達の仲良しグループも世間に振り回されながらも、友情を育んだり、恋をしたりと強かに生きていた。青春が異質な空間のように思えた。

 この作品が現代社会の縮図や社会風刺のようにも思えた。風評被害、根拠のないもので娘を振り回す母親、重要なことを世間に隠蔽する政府、溢れる情報に振り回される人……そういった登場人物達に「あるある」という共感を抱いたと同時に、「あるあるで良いのか?」と問いかけられたような気がした。
 幼少期の回想シーンでは、正義や勧善懲悪の在り方を問われたような気がした。作中に登場する漫画作品『イソベやん』の登場人物デベ子に対して批判的に見ていた門出だったが、結局デベ子と似たような結末を辿っていたようにさえ思えて皮肉がきいているような気がした。

 そして何よりも僕は百合にも近いような、狂気的な友情が好みなのだ。「僕は君の絶対だから」という言葉がめちゃくちゃに刺さった。門出とおんたんは絶対なのである。


 ちなみに余談だが、映画館の近くのハナミズキとツツジが見頃を迎えていた。太陽の光をきらきらと反射させて咲き誇る白い花は見事なものであった。

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