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寂しさを変換していく時代を経て 〜mystory2章〜

2003年12月出産と共に忙しい日々が始まった。いや、それより前の妊娠中から安産のためにと『マタニティスイミング』『マタニティビクス』『ウォーキング』と忙しい日々が始まった。
生活のリズムをスイミングやビクスに合わせるので、朝起きて夜寝るという当たり前の生活に戻れた。

スイミングやビクスによりそれに付随するランチ会でママ友ができた。
そうすると家にいる主人と話が合わなくても特に気にならなくなった。


『私には守るものができた!』

日常が生き生きし始めた。学生時代から水泳部だった私はマタニティスイミングで水の中で軽くなるお腹で得意ぶってスイスイと泳ぎ、同世代の『安産』というゴールに向けて運動に励む友達ができた。

『住む地域が近ければ一緒の小学校に通うかも!?』
と未来のワクワクも重なり、出産時期が近くなれば出産がすでに終わった少し先輩になった彼女たちのご自宅にお邪魔したりし、情報を収集したりした。

出産当日主人は職場から到着し、(後から思い出せば)心ここにあらずだった気がするが出産を通じて周りの両親や親戚、友達を巻き込みながら育児という充実の日々が始まった。


そこで産後一ヶ月たったところで、主人が自宅に帰ってきていないことに気がついたのだ。

里帰り出産も何も同じ市内に嫁いだ私はどっぷり実家に里帰りしていたが、おそらく主人はいつの間にかアルバイトに来ていた女の子と浮気し、アパートまで借りていたのは後からわかった。
彼女にせっせとお弁当を作って送り出されていたそうなのだ。浮気がわかったとたん家に帰宅しないようになってしまった主人の両親にことの顛末を伝えた。初めは主人の両親に謝られたが

『あんたが早く産まないからや』とか
『お弁当作ってくれていた彼女の方が可愛くなるのは当然』
くらい言われ始めた。
『浮気をされたのはあなたが悪い。』
附に落ちなかった。
が、離婚できることになって実は私はとても気持ちが楽になった。

両親に株式会社を与えられて喜んでいる主人にどんどん嫌気がさしていた私は、高級車に乗って高級時計をして、高級マンションも購入してもらいそこに住んでいる主人を何一つ尊敬できなかった。私も自分の力ではなく、主人の力でもない状況に居心地の悪さと生きがいのなさを感じていた。


さらに普通のサラリーマンの家に生まれた私は主人に『貧乏人の娘』と言われ(いやいや、都内の私立大学出してくれる程教育熱心な家ですよ?)完全に夫婦仲が崩壊していた。
浮気をきっかけに
『息子のもの心がつく前にこの人と離れられるかもしれない、よかった!!
』
という気持ちが大きかった。

ただ不安なのは働くことから遠ざかって3年

まだ離乳食も始まらない乳飲み子を抱えて、『どう生計を立てていくのが良いんだろう』と不安を抱えて公園デビュー。
いや、記憶にあるのは砂場ではしゃぐ息子の背中を見ながら、ただただ将来の不安。ということは息子1歳ごろは仕事についていなかったためやはり不安でした。


『手に職、手に職 手に職…それは何だろう!?』

そう思いながら高級マンション生活から築30年の実家に戻っていきました。

息子が2歳になるころ裁判ののち離婚が成立し29才でバツイチ子持ちになりました。
不安と、安堵の両方の気持ちが入り混じりながら裁判所の窓から桜を見ました。
当時裁判所の部屋から離婚成立を複雑な思いで私に伝えてくれた裁判員の方が
『裁判所から見るのは複雑かもしれませんが、今日は桜が綺麗ですよ。』
今でもふと、桜を見るとその時のことを思い出します。静岡市の家庭裁判所は窓から駿府城公園という桜の名所が見え、春にはたくさんの花見客で賑わいます。
当日は曇り。花霞の少し寂しい桜でした。

『手に職、手に職、手に職…』



父母とまだ未婚の弟と私、息子の5人の生活が始まり、よく眠る息子はすくすく成長しました。お話をするのも得意。

初めて話した言葉は
『アイちゃん!』
3歳になるマルチーズを飼っていました。
その愛犬の名前です。
まだ息子が赤ちゃんだったときにはアイちゃんの方が走り回れたのに人間が成長していくところを犬である彼女はどんな気持ちで過ごしていたのかしら。

母はよく『アイちゃんは喋れなくてかわいそうだねぇ』なんて話していました。(ワンチャンだからねぇ。)



実家での生活は金銭的に比較的余裕がありましたがそれでも私はやはり相変わらず
『手に職、手に職をつけないと』
私にしかできない仕事を、作り出したいと考えていました。
行政書士になる夢にはどうも熱中できず、勉強は捗りませんでした。


10数年後、自ら産み出す仕事が(現在=パーソナル トレーナー)、この数年間の寂しさからの脱出をさせてくれることになるとはこの時の私にはまだ想像できていませんでした。

続きはこちら💁‍♀️

https://note.com/chihiro_kawanaka/n/nf8d9abf0306f







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