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マミートラックはなぜ起こるか

私の投稿でも時々出るマミートラック。なぜ日本ではマミートラックがあり、マミートラックで辛い思いをするワーママがいるのか、を私の経験を基に纏めてみる。

なぜマミートラックがあるか?

結論から言えば、

✅日本では制度上のキャリアの選択肢が非常に少ない

✅仕事の成果≦時間重視の評価基準

✅長すぎるブランク(育児休暇)とママに偏る負担

の3つが大きい。具体例も交えて以下(この投稿では1番目のみ、2,3番目は次回投稿)で説明してみたい。

マミートラックの定義

その前に、そもそもマミートラックとは何か。

もともとマミートラックという言葉自体は30年前頃始まった制度、考え方らしい。

子育てしながらでも働き続けたい女性が業務量や時間を調整しながら働く働き方

当時の意図は分からないが内容見る限り女性を応援するものに見える。

ところが今マミートラックというと

育児休暇から復職しても短時間の雑務しか任されなくなり、昇進、昇格の道が閉ざされてしまう女性のキャリア状況

ネガティブな意味。

ここでは現代のマミートラック、上記の後者をマミートラックとして定義する。

キャリア、働き方の選択肢が少ない

日本企業だと自分らしい働き方(時間、場所、成果)のカスタマイズの余地が少ない。つまり、自分がどう働きたいか、仕事と出産/育児/家庭をどうバランス、を自分で考えデザインし会社と協議して決める。ではなく会社が決めた制度の枠の中(産休、育休、時短勤務等)でやれることをやる形。

他の一般社員と同等に働く通常勤務にするか、通勤時間等の都合で通常勤時間の出社が難しければ時短勤務を選ばざるを得ない。時短勤務選択の場合、残業免除や時には海外出張禁止等で守られる立場にはある。

短時間しか働けないけど、成果も出し、後々のキャリアアップも考える人には制限が多く物足りない。

私も以前時短勤務を選択していた。少し責任範囲が増えた状況で担当業務の仕事で成果を出すには海外出張したいと考えていた。制度上NGのため問い合わせると会社からは

「海外出張で数日泊りがけで働けるのなら、通常勤務にすべき」

という趣旨の回答が来た。毎日は無理だが一週間なら夫と義母で預かってくれる、状況だっただけに非常に悔しい思いをした。

出社前提での通常勤務か時短勤務か、という0か1かの選択では、時間が限られた人は成果、能力に関わらず時短を選ぶことになる。これが第1の理由。

週X日のリモート前提や成果主義時短のようなオプションがあり、働き方を本人と会社でカスタマイズできると状況はかなり改善する。(人事は大変だろうけどね、、、)

仕事の成果≦時間の評価基準

海外(恐らく日本の外資系企業も)だと与えられた仕事の範囲、ミッションで求められる(目標の)以上の成果を出せば評価される。日本の場合これに加え、出張を除く勤務時間は会社にいて仕事をすること、も評価基準。未だに

「彼は遅くまで残業して頑張っているから査定上げたい」

という管理職もいると聞き(もう令和なのに、まだ昭和🤣)驚いた。

こういう状況では、未だ1-2時間程度残業は当たり前。定時後に会議招集されたり、上司から電話が来ることも多い。上司からの電話は家でも対応可能なので良いが、会議はそうはいかない。結局誰かに代理出席をお願いすることになり、キャッチアップが難しくついていけなくなることもある。

加えて、メンバーシップ型雇用が一般的な日本はJob Description(職務記述書)が普及しておらず、社員各ポジションの仕事の範囲、ミッション、責任範囲が不明確なため成果の評価が難しい。結果成果ではなく時間のコミットが必要となり、長時間のコミットが難しい→マミートラックという流れがあるように思う。これが第2の理由。

長すぎるブランク、女性に偏る負担

日本では待機児童もあるので1年以上育休とるケースも多い。私も1年以上取ったし。子供にだけ自分の時間を使えるのはあの時だけで、今でも貴重だった、と思う。

が、キャリアだけ考えると1年というブランクは非常に長い。殆ど赤ちゃんと話し、育児のことが頭の80%以上を占める状態から、急に仕事モードにはなりにくい。1年経てば、キーマンが変わることもあるし、会社の制度や仕事の仕方も変わる。ちょっとした浦島太郎状態。

私は頭が切り替わらない、状況を理解できない不安から最初、会議ですらうまく話せず、大勢を前にプレゼンができるまでには半年近くかかった。つまり慣らし保育ならぬ、慣らし復帰に半年近くかかったわけだ。

育児休暇復帰してからも、料理、洗濯、保育園のお迎え、参観日、通院等、育児+家事の中で女性に負担が偏ることが多く、結果女性が仕事に割く時間が短くなり、時短を選ばざるを得なくなり、結果上記2つの理由と相まってマミートラックを走ることになると考えている。これが3つ目の理由。

誤解のないように言っておくと育児休暇を無くした方が、というつもりは毛頭ないこと。日々大きくなるわが子を見守るのは本当に貴重だし、あの時間が母性、父性を成長させるとも思うから。ただ後々キャリアと両立させるには例えば3-4か月ぐらいから週1回、数時間仕事する等社内、業界の情報に触れ、感覚を維持しておくようなことはあっても良いと思う。それをするには会社に産後復帰プログラム、ような完全会社復帰までの会社へのエンゲージ段階的に上げていくような仕組みだったり、を子供抱っこしながら会社で仕事できるような環境の整備も必要かな、と思う。

そして素晴らしいことに最近は男性の育休取得ケースも増えているから女性への負担偏向による時短勤務化は今後改善するのかもしれない。

まとめ

✅日本では制度上のキャリアの選択肢が非常に少ない

→通常勤務か時短か。時短=マミートラックの考えもある。カスタマイズ時短で時短でもキャリアトラックできるケースをつくれるといい!

✅仕事の成果≦時間重視の評価基準

→Job Descriptionがなく、成果の評価をしにくい分、時間コミットが評価される傾向で、時短だと評価されにくい

✅長すぎるブランク(育児休暇)とママに偏る負担

→キャリアだけ考えると1年丸々育児休暇は長い。ブランクがながく仕事の勘が戻るまで暫くかかる。後々のキャリア希望するなら週1回勤務のような慣らし復帰が必要かも。産後復帰プログラムがあってもいい。男女の負担分け合いできるとまた良し!

マミートラックは私も経験しているので、心身共に辛い時期であることはすごくわかります。。マミートラックを走っても、子育てがちょっと落ち着いたころにチャンスが来たり、掴める時がやってきます! きっともうちょっとの辛抱です。

それぞれの働き方で、自分の目指す姿実現できる女性が増える世の中になることを願っています。

長くなりましたが最後まで読んでくださりありがとうございます

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