会社にいてもキャリアは自分で決める!
先日日本にいる後輩が異動になる、と聞いた。新しいことにチャレンジして成長したい、ということで自分で異動先の部長に掛け合ったらしい。
逞しい!
まさしく自分のキャリアは自分で開く! 素晴らしい!と思ったが、同時にその異動の背景に日本的な定型的な人材育成が見えたので今日はそれについて書いてみる。
長らく変わらない人材育成方針
聞けば、もともと部内でやりたい仕事があり異動を希望したが、上司が
一人前になるまでは自部署で仕事させたい、でないと将来使い物にならない、その人のためにならない
という考えをもっており、異動できず、自分から売り込みに行ったらしい。
上司側は一通りの業務を入社10年のうちに経験させ、スキルアップしてもらい、その後異動や駐在を考えたい、という人材育成プランをお持ちだった。この入社10年かけて育て上げる考え方、20年以上から変わらない。
これってうちの会社だけじゃないと思うんだけど、どうなんだろう。
10年で一人前
20年近く前の入社式で言われたこと。
「石の上にも3年、10年経ったら一人前」
新卒の私は、
「そっか!頑張って一人前になって見せる!」
と意気込んだのを覚えている。今思えば素直な新入社員だった。
10年頑張って一人前になれば次のステップ(まずはリーダークラスへの昇進とか)に行ける。
この10年は駐在開始する時期にも重なる。つまり駐在は日本で一人前になれた人が出世コースに入る入口、ということだろう。
一人前になるころには
この考え方だと一人前になる入社10年後には、新入社員は30代になる。30代から一人前として本格的に異動。終身雇用前提で男性と男性と同じ働き方/キャリアを希望する女性を対象であればこれはよかったんだろう。
でも終身雇用が崩れ、働き方が多様化する今、この考え方って時代に即しているんだろうか。
新卒入社10年後には30代前半。ここからキャリアを本格的に積むため、海外駐在などを経て管理職となると30代キャリアが中心の人生になりかねない。
これが女性だったらで、考える。海外駐在や異動→管理職時期という時期が結婚、出産、育児というライフイベントと重なることが予想される。
つまり一人前になるころには、女性は次のライフステージにうつる可能性が高く、下積みまでであきらめざるをえないケースが出てくる。
自分で動くしかない
もっと早く成長したい、既定のジョブローテーション以外での経験、キャリアを積みたい人は規定の人材育成計画から外れてくる。また自分のライフデザインとの兼ね合いで既定の人材育成計画に合わない人も出てくる。
そして時代の流れから言うとこうしたケースは今後確実に増える!
この人たちが取れる道はおそらく以下の3つ
1.上司と話し合い、個別に上司とキャリア計画を作る
2.先述の後輩のように自分で売り込みにいき異動を勝ち取るか
3.どっちもできないから退職
になる。勿論可能なら1.がベスト。
日本で個別の人材育成やキャリアプラン作成共有ができるかは疑問だけど。相当面倒だし。
でも会社や上司側で既定路線以外での人材育成計画や個別のキャリアプランを考えない限り、自部署、自社から人が流出する事態は避けられなくなるし、女性活躍は進まない。
最後に
人材難という時代に、いつまでも昔のままの人材育成計画では人材流出は避けられない。そういう例はたくさん見てきた。個別のカスタマイズまではできなくとも、必要に応じて社員とともに会社や上司も柔軟にキャリア形成を考えられればお互い幸せなのではと思う。
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