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【946BANYA】釧路北大通を歩いて、釧路の色を採集してみた

こんにちは!北海道釧路市に新しくできる共創スペース「港まちベース 946BANYA」デザインチームのchihosh(ちほっしゅ)です。釧路公立大の手塚亜佑さんと一緒に、コンセプトやネーミングの策定、ロゴデザインやブランディングに関わらせてもらっています。

「946BANYA」の9月のプレオープンに向けてロゴやシンボルマークを作成するにあたり、まずはキーカラーを決めていくことにしました。色を決める手段はいろいろありますが、今回は北大通を中心とした「釧路の街の色」をフィールドワークして採集し、ロゴに使っていくことにしました。夕日や湿原など自然豊かな釧路ですが、自然界の色から採集していくと無限に色数が増えてしまうこと、946BANYAが北大通沿いの施設に存在することから、釧路の街に自然となじむロゴにしたい、との想いから実際に採集した街の色をロゴに使うことにしました。

まずはメンバーみんなで北大通のランドマークとなる建物やモニュメントをピックアップし、スプレッドシートに記入。そのリストを元に、カラーチップを持って実際に北大通を歩いて色を採集していきます。前日は警報が出るレベルの暴風雨だったのが嘘のように、快晴の釧路。

まずは湾岸からスタート。「港町かもめホールR.I.C」の外壁の色を採集していきます。釧路湾岸のランドマーク「釧路フィッシャーマンズワーフMOO」の対岸にあり、旧「港町ビール園」を改装してできたレトロな建物。1階には医療・福祉施設、2階には「くしろ夕日カフェ」、3階にはライブハウス「釧路NAVANAホール」があります。ここでZiggyのライブを観たのはいい思い出。

こんな感じで、カラーチップを外壁にあてて色番号をメモしていきます。今回は日本塗料工業会とDICカラーガイドの2種類のカラーチップを使用しました。かもめホールは遠目で見ると漠然と「オレンジ色の建物」としか認識していませんでしたが、厳密にチェックすると必ずしもオレンジというわけではないのが面白いところ。

お次は「釧路港文館」。明治41年に建造された旧釧路新聞社社屋の一部を忠実に復元したレンガ作りの建物です。1階にはカフェ、2階には展示スペースがあり、歴史を感じながらお茶ができる素敵スポット。

釧路の港を象徴するデザインのガス灯。釧路といえばこのガス灯、というぐらい記憶に残る色とデザインです。

港に停泊している漁船の色も採集。遠目でも映える青と赤が印象的。

港の車止め。

釧路川の色も採集してみましたが、前日が豪雨だったためかかなり濁った色に。とはいえ釧路湿原はこういった透明なチョコレート色に見える川が多く見られる気がします。普通の川とは違う感じがまた釧路らしい。

そして釧路の代表的な夕日スポット、「幣舞橋」。側面の色は赤だと記憶していましたが、実際にカラーチップと見比べてみると思ったよりもくすんだ淡い色だと判明。色の面積が大きくなると、実際の色よりも強い印象に見えることを実感しますね!

幣舞橋の欄干。限りなくグレー寄りの黄色。こんな色だったんだという発見。面白い…!

幣舞橋のガス灯は港のガス灯とは違う色で着色されています。幣舞橋の象徴でもあるブロンズ像を邪魔しないシックな色味でこれまた素敵。

幣舞橋のブロンズ像は「春」「夏」「秋」「冬」の4体あり、一番色がきれいに残っている「冬」の色を採集。

「釧路フィッシャーマンズワーフMOO」。植物園やお土産物屋、交流施設、夏は岸壁で炉端焼きも行われる釧路湾岸のランドマーク的施設です。「946BANYA」はここの2階の旧「花ばんや」さん跡地にオープンしますよ!よく見ると外壁が何色かに塗り分けられています。じっくり観察しないと気がつかないことが多く、発見の連続です。面白い。

MOOのキーカラーである青と黄色も採集。看板やポスターなど媒体によって色が微妙に異なっていたため、施設内外をうろうろ歩いてこれぞという色を探し回りました。

釧路の文化芸術を担う「釧路芸術館」。ここもレンガ作りの建物です。

北大通にある代表的なホテルの色もいくつか採集していきます。赤みのある外壁の建物が多いなか、「ANAクラウンプラザホテル釧路」は街の中でもひときわ存在感を放つ色味。

「釧路プリンスホテル」。最上階の展望レストラン「トップオブクシロ」からは街並みや太平洋を一望できます。

「釧路センチュリーキャッスルホテル」。釧路の建築家・毛綱毅曠(もづなきこう)さんが設計した個性豊かなホテルです。MOOも毛綱さんが設計しています。釧路はこういったデザインが似合う街ですね。

すでに廃業してしまいましたが、当時のまま残っている旧「釧路パシフィックホテル」の色も採集しました。この色味の外壁が多いことがだんだんわかってきた。

そして「釧路駅」。建物は道内で現存する最後の民衆駅だそうです。かつては地下にステーションデパートもあったそう。この雰囲気がなんともいえない味を出していて好き。

釧路駅前、「勝手丼」が食べられることで有名な「和商市場」。

レインボーカラーの丹頂鶴のイラストが印象的な「くしろバス」。このなんともいえないレトロで、良い意味で洗練されすぎていない雰囲気が私としては釧路らしいな、と感じてしまうポイントです。

最後は酒飲みの聖地、「赤ちょうちん横丁」の赤提灯の色を採集。カウンターだけの小さなお店が軒を連ねています。

フィールドワーク中は、946BANYAの運営母体である「Hokkaido DesignCode」のメンバーで、釧路北大通で幼少期を過ごした赤間さんが昔話をたくさん教えてくれました。ここに昔カフェがあって…ここにはロッテリアがあって…かつてここには露店がたくさん並んでいて…ここは唯一空爆をうけずに残った蔵で…etc。何もかも知らないことばかりで面白い…!北大通は廃墟が目立ってしまっているけど、歩きながら目をこらしてみるとそこかしこに豊かさがまだ残っていることを発見できます。

最後は末広の「あっかんべぇー」さんで美味しいソフトクリームを食べて終了!暑い日だったので最高の締めソフトでした。お疲れ様でした!

採集した色は以下の資料にまとめました。釧路らしい色の傾向が少し見えた気がします。これからこの色たちを様々な場面で活用していきます!

https://acrobat.adobe.com/link/review?uri=urn:aaid:scds:US:e707b7c1-deac-4a6f-acf9-d650f514c1b4


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