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歌をなくした歌い手が
ひとり遠くを見ています
時は匂いの姿を借りて
彼に伝えます
「あなたの道は此処にあります」と


翼の折れた白鳥が
羽根を繕い休んでます
大地は風の姿を借りて
囁きかけます
「あなたの道は此処にあります」と


もう輝けなくなった星が
ひとり夜空に浮かんでます
月は夢の姿を借りて
話しかけます
「あなたの道は此処にあります」と


並んで歩く冬枯れの歩道
あなたには過ぎた事でも
私にはこれが始まり
本当の美しさは
目には見えないものだから
その心から出さなくていい
信じるだけで微笑みは
灯火のように揺れるもの

二度と見れない夢があって
いくら思い出を手繰り寄せても
故郷まで帰り着く事が出来ません
それでも愛しい記憶だけは
なくしてしまえないようで
私は私の姿を借りて
私に声をかけるのです


「あなたの道は此処にあります」と
「少し複雑な恋もします」と


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読んでいただきありがとうございます。

フランク・シナトラの「マイ・ウェイ」を鼻歌で歌ってて思いついた詩です。「マイ・ウェイ」の内容はよく知らなくて、メロディだけ知ってたので、後で歌詞を調べてそのスケールの大きさに驚きました。

それにしても素敵なメロディだと思います。

読んでいただき、ありがとうございます。 ほとんどの詩の舞台は私が住んでる町、安曇野です。 普段作ってるお菓子と同じく、小さな気持ちを大切にしながら、ちょっとだけ美味しい気持ちになれる、そんな詩が書けたらなと思っています。