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西村麒麟句集 『鴨』

西村麒麟さんの句集『鴨』は2017年刊行。数年前はジュンク堂などにも並んでいたのですが、いまは在庫がなく、入手できない状態です。(なぜあのとき買わなかったのか自分……!)

句友さんが『鴨』を貸してくださり、読むことができました。
ありがとうございました!

すきな句を。

頭ほど大きな鈴や初詣
獅子舞が縦に暴れてゐるところ
嫁菜飯宿の暗さも気に入つて
ぷつぷつと口から釘や初桜
紫陽花や傘盗人に不幸あれ
白玉にひたと触れゐて白玉よ
青々と黒々と川秋の風
ストーブや一秒ほどの夢を見て
どの鴨も一回りする流れあり
そこに居るごとく着物や月おぼろ
黴赤く青く不滅や本の裏
少しずつ人を愛する金魚かな
かぶと虫くはがた虫と同じ墓
盆棚のパプリカ赤し芋の横
みかん剥く二つ目はより完璧に

バイブルとして手元に置いておきたい句集でした。
電子書籍化してほしいです……!


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