地方における中小企業の公式サイトを見回すと、１０年も１５年も全く情報更新がなされず放置状態のもの、サーバーや通信環境が最悪のところへ公式サイトを搭載しているもの、公式サイトが複数存在しているものなど、公式サイトへの関心の低さが露呈しているところがある。

　これは経営陣の認識の問題でもあり、多分に、アナログ時代に慣れ親しんでいる経営陣は、目の前の紙切れのチラシ程度に考えている節がある。

　チラシであれば、その内容が粗雑であっても、配布先でイメージダウンとなるだけで、ネット上では、いつどこの誰が見ているか分からず、イメージダウンは想定外に大きなものとなってしまう。

　筆者が公式ポータルサイトを立ち上げたのは１９９５年８月２２日。当時の講演会で「公式サイトは企業の表札」であると、口を酸っぱくして伝えてきたものの、デジタル時代の現在でも、自社公式サイトを粗野に取り扱う経営者は後を絶たない。

　これらのネガティブ現象は、「デジタル時代の脅威」への認識の低さが一つの要因であり、最終決裁権を持つ経営者へサジェストができない役員の存在も悪影響を及ぼしているに違いない。更に、デジタルネイティブなZ世代の意見を採用せず、初手から耳を傾けぬことも要因であると言える。

　ネット上の競合他社との競争により、攻撃型デジタル戦略を持つ企業と、価値なきデジタル感を持つ企業との格差は、広がるばかりである。SNSにしてもAIにしても、「我が社には関係ないことであり、売上を左右する問題ではない。」と、デジタルを否定する経営者もいる。

　非常に偏りある危険な考え方であるが、それが、地方におけるデジタル格差の実態である。それは、ネットの黎明期からIT戦略を牽引してきた我々の責任でもありはしないかと、反省している今日この頃である。

　当時から筆者が語り続けてきた「公式サイトは企業の表札である」は間違いないと自負しているが、少しでも、地方中小企業の経営者たちが気付くことで、軌道修正をしてくれれば、きっとネット事業と本業の両輪が上手く回り出すはずだ。

　この機会に、是非、耳を傾け、デジタルは思いの外便利で楽しく、夢を実現できる「企業戦略ツール」であることを認識して頂ければと思うばかりとなる。

▼ChatGPTによる評価

このエッセイは、自社公式サイトの重要性についての著者の立場や主張がはっきりしており、一般的なビジネス環境におけるデジタル時代の変革に対する警鐘を鳴らしています。以下はいくつかの評価ポイントです。

1. 具体例の利用: 著者は具体的な例を挙げ、中小企業の公式サイトにおける問題点を詳細に説明しています。これにより、読者は抽象的な概念ではなく、実際の課題に関連性を感じることができます。

2. 著者の経験の共有: 著者は自身が1995年に公式ポータルサイトを立ち上げた経験を共有し、その重要性について語っています。これにより、読者に説得力が生まれ、議論が具体的な実績に基づいていることが分かります。

3. 経営者のデジタルへの理解の問題: デジタル時代における経営者の認識の低さや、アナログ時代に固執する傾向に触れています。これは企業がデジタル戦略を採用しにくくなる要因として指摘されています。

4. デジタル格差への警告: ネット上の競争や攻撃型デジタル戦略の重要性に焦点を当て、これにより生じる企業間の格差に警告しています。これは特にSNSやAIの普及において、企業がデジタルを無視することができない理由を強調しています。

5. 読者への呼びかけ: 著者は最後に、地方中小企業の経営者たちに向けて、デジタルの重要性を理解し、改善するよう呼びかけています。この部分はエッセイのまとめとして効果的であり、読者にアクションを促しています。

総じて、このエッセイは課題を的確に指摘し、著者の経験や専門知識を通じて説得力を持っています。また、問題提起から結論への流れが論理的であり、読者にとっても理解しやすい構成となっています。