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『著作権』について暫し考察・・・

 兎角に、日本国内の『著作権法』に対する認識は甘い。あちこちで見受けられる、ネット上の写真や動画の無断使用の例としては、他人の『著作物』を他のサイトに違法掲載したり、事前許諾も得ずに写真をダウンロードして、公的機関の印刷物に流用するなど、同法を軽視したものが後を経たない。

 数年前に、滋賀県の某基礎自治体では、筆者の写真を無断借用し、ネット上のPDFファイルやその他自治体との共同制作観光冊子(38000部)に流用した、悪質なる『著作権侵害』が起こった。慌てた自治体の担当者らが、全て回収しまくり、証拠隠滅に走ったことがあった。

 当時、筆者はその自治体の担当者及び上司に対して書簡を送付。「知らなかった」という子供じみた言い訳の謝罪文が2通送られてきた。よって、同自治体の市長へ直接書簡を送るものの、全く誠意のない謝罪文が2通送られてきただけで、逃げてしまったのである。しかし、讀賣新聞や中日新聞ほかネット新聞も含めて、その自治体による『著作権侵害事件』を取り上げた。

 更に、同自治体の市議会議員全員へ、個別に『著作権侵害』についての書簡を送りつけるも、全く反応がない。年末の市長記者会見情報がネット上に掲載され、この『著作権侵害』への見解があった。「市民の皆様には大変ご心配を掛けている著作権問題については、現在、相手と話し合いがついていないので、後日報告する」旨の虚言が掲載されていた。

 ところが1年も経たない内に、その記者会見情報の『著作権侵害』についての記述部分が削除され、何食わぬ顔して、さっさと逃げ去ったのである。これが基礎自治体の市長なのだから、洒落にもならず、『遵法精神』の欠落が露呈した瞬間でもあった。『逃げるが勝ち』と判断する人物であれば、自治体の首には相応しくはない。よっぽど、滋賀県知事へ上申書を送付し、徹底的に調査依頼をしたいほど腹が立った。

 昨年1月『著作権法』が改正され、刑事罰が相当重くなっており、一例として『10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金』と改められている。ところが、今も尚、『著作権』に対する認識は、地方へ行けば行くほど、それは希薄となり、「大したことはない!」と言い放つ、団体理事長らも多い。

 第三者の『著作物』を汚す行為が『著作権侵害』であるが、平たく言えば、第三者の物を盗み(窃盗)、それを転売して金を稼ぐ輩と同レベルの犯罪であることを考えれば、とても気軽に無断拝借できるようなものではない。

 昨日も、第三者が某組合を取材した写真や動画が送られてきたが、早速、同組合に対して「写真及び動画の著作権についての許諾』を求め、数日後に同組合より正式に『使用許諾』の書簡が届いた。よって、安心してネット上で編集したものをアップできることになる訳だ。

 この流れが当たり前のことではあるが、ほとんどの人たちは、「分からないなら良いんじゃ!?」とか「大して有名な写真家でもあるまいし、誰でも撮っているような物だから、ネット上で見つかるはずはない!」と言い放つ、稚拙な輩も多い。これが、後々、事件として追及され、後の祭りとなってしまう。

 美術館などで展示されている絵画にしても彫刻にしても、国内では殆ど撮影許可をしていない。パリのルーブルでは原作の前で模写したり、ノーフラッシュの写真撮影を認めているが、気軽に旅行気分で国内を散策しながら撮影するのは構わないけれども、一つ一つの著作物を確認することは必要となる。

 『インスタ映え』で、店内や看板、料理の写真などをバシバシ写してSNS上でアップしている人は、筆者も含めて国内でも数千万人はいるに違いない。ただ、店側は時代も変わり「SNSでアップされると宣伝になるから!」と、その流行を利用しているが、厳密に言えば『著作権違反行為』を商売のために黙認していることになる。

 諄い様だが、ここで『著作権侵害』が重罪であることを再認識して頂きたい。面倒でも、目の前の人や物を写す場合は、必ず事前許諾を得ることが鉄則。もし、人が映るようであれば、無理矢理に撮さぬことだ。背後から、他人が特定されぬ遠距離からの撮影は安全だが、近づいて写していると盗撮として訴えられる可能性も高い。

 『著作者』や『著作権者』の権利を無視する『法の無知』なる人は数知れない。しかし、人様の権利を絶対に侵してはならない。下手すると、人生が完全に狂ってしまうほどの刑罰を受ける可能性も無きにしも非ず。勿論、ミッキーマウスに似通ったデザインやキャラクタを模倣すれば、一発訴えられる。

 筆者は新聞社を経て、起業し32年が経つ。これまで大なり小なり12回ほど『著作権侵害』の被害に遭遇している。『著作権法』を軽視した犯人は、皆、とんずらして行った。訳の分からぬ人間は警察に相談したと言うが、加害者と被害者をすり替えての『法の無知』なる恥ずかしい輩もいた。

 『著作権』という権利を擁護するために、刑法、民法に確と定められている。調子に乗って他人の『著作物』を粗野に取り扱っていると、刑事、民事の両方で突き上げられることにもなりかねない。『交通事故』や『著作権侵害』の加害者にだけは、なるものではない。

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