リアリティ

NHKの大河ドラマは徳川家康が主人公である。
徳川家康といえば私は山岡荘八の「徳川家康」を高校生の頃に読んでそのイメージが強い。
徳川家康について書かれた文章や本は今までにも数えきれないほどあるだろう。いくつか目にして読んでみたがやはり高校生の頃に読んだ「徳川家康」の印象が強く、その他どれを読んでもあまり感心しなかった。
テレビドラマでも多くの歴史もので多くの役者が徳川家康を演じたが私の身や範囲ではあまりリアリティを感じない。それはあまりに徳川家康を演じようとし過ぎているからではないか。今は誰も徳川家康の実物を見たわけではないので徳川家康の実像を描こうとすればするほど何か嘘くさく見えてしまう。
今、放映されている大河ドラマの徳川家康は、私にはものすごくリアルに見える。それはこの大河の役者が意図してかどうかわからないがあえて徳川家康の実像に迫ろうとしていないからではないか。あくまでも作家も含めて自分たちの頭の中の家康像を描こうとしているからではないかと推測する。この大河ドラマに出てくる織田信長も豊臣秀吉も然りである。実際こういう人物であったかどうかは関係なくて役者も含めて作り手の思う人物像が今までの解釈に拘らずに自分たちの思うままに演じられているところに私はリアリティを感じる。
リアリティとはある特定の人物を描くにしてもその時代時代あるいはそれを描くその人々によって当然違うのだろうと思う。リアリティはひとつではなく数限りなくあるのではないか。

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