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気持ちを込める

以前の職場に入社したばかりの頃、研修があまりにも難しくて苦戦していた。

今まで経験したことのない膨大な仕事内容をすぐに暗記して実践できなければ、先輩たちに厳しく叱られた。

当時の私は寝る間も惜しんで深夜二時まで毎日勉強していた。それでも、一向にできるようになる気配はない。

当時仲良かった男友達と遊んでいるときも勉強をし続け、もう嫌だ嫌だと弱音を吐いていると、その男友達はある日電話で相談に乗ってくれた。

「それ、なんでお前はそんなに頑張ってるのにできないの? なんで他の先輩はできてるの?」

「わかんない。頭の良さが違うのかも」

「そんなわけねえだろ。その先輩たちはその仕事にめちゃくちゃ就きたくて、それで働いてるから頑張れてるんじゃねえの? だからそんなに難しいことでも覚えられんじゃねえの」

そ、そうなのかな。みんなそんなにこの職業になりたかったのかな、と私は疑問だったのでそう言ったけど、

「いや、そうだろ。それ以外考えられないもん。お前、気持ちで負けんな。メンタルだよ。とにかく先輩たちに負けない気持ちでやれ!」

本当にそうかな~と思ったけど、なんだか彼のその言葉は心に響いて、確かに気持ちで負けないって重要かもな、と思ったのだった。

そんな話をした翌日、私は彼の言ったメンタル!という言葉を胸に抱え、仕事に挑むことにした。
絶対に先輩たちに負けない。先輩に何か言われる前に動いてやる。気持ちを強く持って、先輩が見ていないものだと思って、自分なりに動いてみよう、と。

そうしたところ、ミスはしても今までより確実に動けて、先輩たちも、え、成長したね……というような反応。

これは凄い。メンタル、重要!と、全く今まで一切、体育会系とは無縁だった自分に熱血精神が舞い降りたのだった。

それをきっかけに考えてみると、確かにどうしてどれだけ勉強してもできるようにならなかったというと、自信がなかったからなのだった。

勝手に動いていいのかな、とか、間違えたらどうしようとか、怒られたくない、とか余計な空気を読みすぎて、先輩に怯えて自分から動くことができなくなっていたのだ。

ちゃんと勉強して頭の中に知識は入れていても、実践して慣れなければスムーズに動けるようにはならない。
その実践の部分が及び腰だった為に、私は一向にできるようにならなかったのだ。

それからというもの、私の生活では、気持ちという概念の重要度がぐんと上がった。

初対面の人と会うときは、自信を持って堂々と笑顔で接する。不安なときや、テンションが低いときも、言葉尻まできちんと発声してしっかりと話す。とか、まずは対人のときに意識していたのだけど、最近は日々の過ごし方でも、気持ちを意識している。

最近の私は仕事と家事をして疲れていて、毎日ずっと眠かった。
以前はできていた毎日の読書や、週1度のnoteや、小説の執筆、勉強などがやりたくなくなって、だらだら。
家に帰ってご飯を作り、Netflixを見て、お風呂に入り、眠る、といった日々が続いていた。さすがにこれはまずい、と思い、対処法を考えた。

それは日々の行動に気持ちを込めること。

例えば、掃除のときに、面倒くさいから早く終わらせよう……と思いながらやるのではなく、高級ホテルのトイレのように気持ち良くて良い匂いの空間にしよう!と思ってみたり、

使ったリビングをそのまま放置して寝室に行くのではなく、丁寧に片付ければ頭の中も整理されると思いながら片付けたり、

お風呂に入るのが面倒臭いときに、ベッドに入る前に身体を清めて悪いものを流そう!と思うようにしてみたり、何でも日々の行動に思いを込めている。

そうすると、最近の面倒くさくて適当になりがちだったことが、丁寧にしっかりと、苦もなくやれるようになった。

そうすると頭の中もだんだんすっきりとしてきて、今月の目標を立てるようになったり、一日のタイムスケジュールを書いて行動してみたり、また以前のように精力的に活動ができる兆しが見えてきた。

やっぱり重要なんですね、気持ちって。
何事も、自分なりに考えて、やる気の出る、物事がうまくいく気持ちの込め方を考えていきたいですね!

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