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タスク管理(3)                       あるいは「流氓の小さな夢」

第2回までの内容のまとめ

我々の組織は香港の油麻磡村のはずれの方にシマを持つ、
「老王盟」の下部組織で「十四虎」の下の「五娘会」で、
大窩口站からも遠く、それほどうまみがある土地ではありませんが、
「AA大姐あねご」をトップに、
「梅花大姐あねご」と「端境暴月大姐あねご」が
にらみを利かせ、ほかにも多くの幹部あねご
組織を切りまわしています。

幹部あねごに惚れて、この組織にいる流氓はいとまがありません。

売りバイは主に葉っぱで、後はサウナへの派遣業と、
地元のからの、みかじめ料ぐらいです。 
最近、「十四虎」からの上納金の要求が増えたようで、
幹部あねごから、もっと稼げと言われました。 

主な葉っぱの販売先は、うちと同じような規模の、「龍の眼」です。 
幹部あねごが地元を大事にするので、
地元では薬の売買は控えています。 

早急に売人と商売するために、
タスク管理で「天使の粉」をさばくことにしました。 

タスク管理(3)あるいは「流氓の小さな夢」


「天使の粉」は「龍の眼」と対立する
「武闘派組織 斧頭会」の売りと競合する商売なので、
「斧頭会」の老板 斧三の動向が気になります。

仲間の情報によると、「斧頭会」売りの動向から、
来月末にはブツが入荷するらしいとのこと。

今月中に、サム兄貴がタイのマフィア(ポリス)か、
タイのやくざに話を通しておき、ブツを入試てくる。
今回は値段より早さを重視する。 
「斧頭会」より先にブツを売るためだ。 

出来れば、タイマフィア(ポリス)から入手したい、
日本のやくざは高いし、何を考えているかわからない上に、
すぐ刃物を出すので危ない。

サムの兄貴とキョンの兄弟は昨日からタイへ行き、
「天使の粉」を入手する。 
銃が欠かせない危ない仕事だ。 
量もそれなりと言っていたから、
10㎏は必要だろう、末端価格で3億か? でかい仕事だ。 
自分はまだ入ったばっかりなので、信用が無いのだろう。 
「斧頭会」の情報取集が今回の仕事だ。 
これから、「斧頭会」賭場に顔を出して、
軽く薬のことを聞いてみるか? 
「斧頭会」賭場は港にあるので、足を延ばす。 

「ごめんよ。どうだい、バカラはどっちが出てる?」と
プレイヤーの一人に声をかけると、バンカーが
「そいつは負けて素寒貧でさぁ。五娘会のおにーちゃんには
少しは回せるけど、どうだい?」
「じゃ、ちょっと遊ばせてもらうかな。」
「はいよ、バンカーかいプレーヤーかい?」
「当分は様子見だな。」

様子見をしていたら、バンカーが強すぎて、
プレーヤーにはるやつがいない。
「少し、やってみるか。」とつぶやき
「おい、にーちゃん。プレーヤーにこんだけ。」と
300HK$のチップを張る。
「OK! バンカーばっかりで、困っていたところよ。」
カードをめくると、
「来た!」
「プレーヤーの勝ちだ。 ところで、この勝ちで、薬は買えるかい?」
「いや、今は無理だな、次に、はいるのは来月末だよ、
それまでは安物で我慢すんだな。」
「そうかい。」
案の定、入荷はまだしていない。 サムの兄貴とあねごに連絡しなければ。

                     ( 第3回/第1672回 )

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