ひいおばあちゃんと私
それは、私が小学生になったばかりのころだったと思う。その頃からの記憶が一番はっきりとしている。私は熊の顔が書いたセーターを着て、親戚に交じりながら正月の雑煮を食べていた。みんなが酔ってたくさんの言葉をしゃべる中、ひときわ顔が皺くちゃでこじんまりとひじ掛け椅子に座っている姿がひいおばあちゃんを思い出せる最初の記憶である。もうそのころには80をゆうに超えていて、大正の生まれだというから、当然だったと思う。足腰は丈夫な方だったが、少し背中を曲げながら歩く姿が印象的だった。
私は餅