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「キリが良い」の威力

来月から新年度だしジムに通おうかなとか、日常で次の行動を促すときに「キリが良い」タイミングってありませんか?思い立ったが吉日と言いながらも、新しいことを始めたり、逆に何かを止める時期と「キリが良い」時期には強い関係があるように思われます。

ハイ・コンセプトやモチベーション3.0など数々のベストセラーの著者であるダニエル・ピンクさんの著書「When 完璧なタイミングを科学する」では、こうしたタイミングが行動に及ぼす影響について様々な視点から科学的な考察を試みていて、何かを始める時は週の初め、月の初め、年の初めや誕生日であることは関係しているようです。

しかし本著で特にされているのでは、こうした「始める」タイミングだけではなく次々に襲いかかってくる「続けられなくなる」タイミングの研究です。つまり始めたはいいけれど中だるみしてしまう、ということが科学的に考察されています。実際私たちの気分には時間によって明確な波が影響しています。ポジティブな気分は午前中にピークを迎え、午後に落ち込み夕方に徐々に回復していく傾向があり、仕事のパフォーマンスにも影響を及ぼしているという研究事例があります。つまり科学的にも朝の方が集中力が高くなることが示唆されています。このように私たちの仕事のパフォーマンスはやり方そのものよりも取り組むタイミングで大きく異なります。逆に言うとタイミングが悪い時も良い時もあるので、悪い時は休むしかないんですね。

そしてタイミングの悪い時に休むだけではなく、目標の設定の仕方も重要です。何かを始めるときに大きな目標を持つことは大切ですが、達成まで遠すぎると中だるみの影響で続けられなくなってしまう。だからこそ大事なのは「中間目標」を立てて目標まで段階的にステップを踏んでいくことです。勉強でもスポーツでも同じようなことがよく言われていると思いますが、気合で続けるということではないということがこのタイミングの科学が教えてくれることかと思います。

「キリが良い」タイミングで始めて、目標までの「キリが良い」ところまでステップを順番に踏んでいき、タイミングが悪い時は休むことも受け入れて進んでいく。キリが良いタイミングは時間の流れとしてはただの一点かもしれませんが、続けていく為の力としては凄まじい威力があるのではないでしょうか。

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