先日、Ｔ沼に行ってきました。

　Ｔ沼を一周したので、いったん車に戻って、コンビニでお昼を調達しました。
　公園のベンチでお昼を食べていたら、上からどんぐりが落ちてきました。

　昼食後に再びＴ沼周辺を歩き始めました。
　先ほどのアカゲラが戻ってきているのではないかと思ったからです。

　だいたいの位置を探すと、先ほどと同じ木にアカゲラがいて木に穴を開けていました。

　私がアカゲラの撮影を楽しんでいたとき、知らない人に声をかけられました。

　「アカゲラ、いたかい」
　アカゲラがいるのは有名なんだなと思って
　「そこにいますよ」
　木の上を指しました。

　アカゲラの顔が見えないので、いろんな方向から撮っていたら、カケスがやってきました。

　カケスはアカゲラの邪魔をしているように見えました。

　カケスはアカゲラの周りを飛んで、枝を移動します。
　アカゲラの方は本気で穴を掘っているので、羽を広げてカケスを撃退します。

　カケスは普段、ジャーと鳴くくせに、アカゲラをからかうときだけニィニィと鳴くのでした。

　アカゲラはシャーッと威嚇します。

　羽を広げて、上の枝にいるカケスへ飛び掛からんばかりです。

　カケスは本気ではないみたいで、さっと逃げていきました。

　アカゲラは穴掘りをやめて飛び去りました。

　「何、いまの……ケンカ？」
　そう言った私に、おじさんは
　「きれいな羽根だったね」
　という謎の回答をしてきました。

　この近くでは、大きなカメラを構えている人が水辺を陣取っています。
　「なに、アカゲラ？」
　そう言ってこちらにやってきました。
　「そこの枝で穴をあけていたんですよ、今はいないけど」

　デカカメラの人たちは双眼鏡を持っていなくて、アカゲラのあけた穴を見つけられないでいました。

　そこへ通りすがりの女性がやってきました。
　スマートホンを取り出して、みんなが探している珍しい何かを撮る気に見えました。
　その人は特に声をかけてきませんでしたが、ずっとデカカメラの人たちの後をつけていました。

　アカゲラを見られたので満足して駐車場に戻る途中、カケスを撮ることができました。
　カケスをもっと撮りたいなと思って松林の中を見ていたら、今度はアオゲラを見つけました。

　カケスもアオゲラも撮れたのでかなり満足でした。

　またデカカメラの人たちがやってきました。
　「アオゲラいた？」

　アオゲラの鳴き声が聞こえていたから、そう言ったのだと思って
　「アオゲラ、いましたよ」
　「へー」
　大きなカメラの人たち、もしかしたら、話をしたらあまり怖くない人なのかもと思いました。

　日が傾いてきたので、このあたりで切り上げて帰路につきました。