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日報10月21日(土)

052 日報10月21日(土)

 体温計を咥えながら、いつものルーティーンをこなす。土曜日。月経が来ると、普段以上に落ち着きがなくなる。後先考えずに今いる場所から走り去ってしまいたくなる。その場で足踏みをしてみたり、部屋のなかをふらふらしてみたり、眉にしわを寄せて頭を抱える。
 そうばかりもしていられない、何とかしたいと思った。作り置きがなくなったことを思い出して、昨日買った材料で朝ごはん兼作り置きをつくることにした。買ってきた豚肉、実家から持ってきた大量のピーマンと玉ねぎの一部をフライパンいっぱいに炒めて、半分にして違う味付けをした。料理をすると気分も少し落ち着いてきた。
 月曜日にはテストがある。勉強をしないと。過去問を少し解いた。「ゾーン」に入らないと、私は同時並行であれこれ考えている。それをとめるために音楽を聴きながら勉強したり、ドラマを見ながら勉強したりすることもある。その文脈で、今日は、松本シネマセレクトで今後何が上映されるのか気になって検索してみた。すると、今日、ちょうど13時からジャック・ロジエ「トルチュ島の遭難者たち」が上映されるという。ポスターの美しさと解説に惹かれて見に行きたい衝動に駆られた。その衝動のままに出かける準備を始めた。

松本シネマセレクトより

Les Naufragés de l’île de la Tortue/1976年/フランス/フランス語/カラー/146分/1.66 :1/日本語字幕:高部義之 © 1974 Jacques Rozier
DCP
監督/ジャック・ロジエ 脚本/ジャック・ロジエ 撮影/コラン・ムニエ 録音/ジャン=フランソワ・シュヴァリエ 音楽/ナナ・ヴァスコンセロス、ドリヴァル・カイミ 編集/ジャック・ロジエ、フランソワーズ・テヴノ 製作総指揮/ジャック・ロジエ 製作管理/ジャック・ポワトルノー
出演/ピエール・リシャール(ジャン=アルチュール・ボナヴァンチュール)、モーリス・リッシュ(太っちょノノ)、ジャック・ヴィルレ(プティ・ノノ)、キャロリーヌ・カルティエ(広報アシスタント)、アラン・サルド(支店長)、ジャン=フランソワ・バルメール(ノッティンガム)、ナナ・ヴァスコンセロス(ミュージシャン)、パトリック・シェネ、ピエール・バルー
パリの旅行代理店に勤めるボナヴァンチュールと同僚の「太っちょノノ」は、ロビンソン・クルーソーの冒険を追体験させる無人島ヴァカンスツアーを企画する。彼らはツアー候補地のカリブ海へ調査に向かうが、空港で「太っちょノノ」が逃げ出し、代わりに弟の「プティ・ノノ」がボナヴァンチュールに同行することになる。現地に着いた二人が無人島を探していると、パリから最初のツアー客がやってくるが、誰もボナヴァンチュールの言うことを聞こうとしない。

https://www.cinema-select.com/%E3%81%93%E3%82%8C%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%E4%B8%8A%E6%98%A0%E4%BA%88%E5%AE%9A/?mobile=1
(引用:松本シネマセレクト)

 自転車に乗って下り、駅前の通りに出る。久しぶりにアンゼリカのカレーパンが食べたくなった。カレーパンはなかったので味噌パンを買った。上映会場に向かう。学生は1000円だと思っていたら、会員だけだった。お金がなくてどうしようと困っていると、宮嵜さんの取り計らいにより、ボランティアをすることになった。とはいえ、できることもなく、また次回来て、お手伝いすることを心に決めた。
 映画は解釈を誰かと話してみたい。私は特に、最後の主人公の姿、言動が印象的であった。まだ言語化はできていない。

かわいいポストカード

 11月には、鵜飼先生が来るジャックデリダの回がある。カレンダーに記録した。
 17:30~アルバイトがある。まだ時間があるのでどうしようか迷ったが、Dokkaにはいくつもりだったので、ひとまず向かうことにした。

 文月さんに会った。かつて人づてにファンレターを書いて渡しただけだったので、まさか自分の顔がわれているとは思わなかった。お店に入った瞬間に文月さんが声をかけてくれた。持ってきていた彼女の著作にサインをしてもらい、一緒に写真を撮ってもらった。最近のこと、作品のことを話した。文章だけを読んできて、こうして日常を営んでいる文月さんと会えて、なんだかとても安心した。大丈夫な感じがした。

Dokkaでの展示

 Susanのなみこさんに自慢しに行ったら、今日はいなかった。しょうがないので、ありさかさんに自慢した。久しぶりに会ったので最近の報告をした。

 とても寒くなってきた。いよいよ暗くなってきた。季節の移ろいを感じる。バイトの時間が近づく。今日は6年生の尊敬する大好きな先輩が食べに来てくれる。とても楽しみにしていた。6年生の先輩2人とそのお母さまが来てくれた。先輩二人はそれぞれ、アメリカとイタリアへの留学経験者で、私も5年生でイタリアへ留学に行きたいと思っているのでいろいろお話を聞いている。優秀な先輩なので、勉強のしかたも参考にさせてもらっている。
 注文を受けるのだが、先輩が後輩の私に敬語で話す。先輩も、敬語で話しちゃう、と笑っていた。ふとお店の人とお客さんの関係って不思議だと思った。この空間について考察の余地がありそう。
 お店の仕事の間に一緒に座って少し話した。彼女のお母さまが、「若いころには今しかないように思えるけど、実は1年や2年たいしたことないのよ」と言っていたのが、印象に残っている。よく言われることばだけれど、なぜかこの時の私には刺さった。

 寒いせいか、今日はお客さんが少ない。床暖の上に座って、静かな店内に響くテレビの音を聞く。今日は早めの閉店になりそうだ。

 なんとなく、日記のような、日報を書くことにした。いつもの抽象度をひと段階下げてみた。ほかの人の日記やブログを読む機会があって、具体的であるほど、解釈の幅が広がる感じがしたし、自分の記録が残る気がしたから。

展示の一部。文月さんの言葉。

20231023 月曜日

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