マガジンのカバー画像

ゲームの感想

39
新旧問わず、プレイしたゲームの感想について 購入したのにまだプレイ出来ていないゲームもたくさんあって、どこから手をつけたものか。
運営しているクリエイター

記事一覧

英雄伝説 空の軌跡FC(感想)_主要キャラの魅力が高いRPG

英雄伝説 空の軌跡FC(感想)_主要キャラの魅力が高いRPG

『英雄伝説 空の軌跡FC』は2004年に日本ファルコムからWindows OS向けの発売されたRPG。英雄伝説シリーズとしては、初期2作品とガガーブ3部作の後発となるため通算6作目となるけど、シリーズとしての物語や設定の繋がりは特に無い。
本作は後にWindows 8対応版、PSP、PS VITA、PS3、モバイルなどに移植されてヒットしたことで、PC向けのメーカーから脱却したという印象がある。

もっとみる
Swan Song(感想2)_人間同士の軋轢と、その先にあるものについて

Swan Song(感想2)_人間同士の軋轢と、その先にあるものについて

『Swan Song』は2005年7月に発売されたビジュアルノベルで、シナリオライターには瀬戸口廉也が関わっている。ブランドはLe.Chocolatから。
以下、本作の中心人物となる6人についての感想を深掘りすることでネタバレを含む感想を。
作品全体についての感想はこちら。

八坂あろえ雲雀の解釈によれば、あろえはナカマが不在のため周囲から孤立しているとある。善悪やモラルについての判断や思考は出来

もっとみる
Swan Song(感想1)_おぞましいほど醜い地獄絵図のなかで、見いだす希望

Swan Song(感想1)_おぞましいほど醜い地獄絵図のなかで、見いだす希望

『Swan Song』は2005年7月に発売されたビジュアルノベルで、シナリオライターには瀬戸口廉也が関わっている。ブランドはLe.Chocolatから。
ゲーム内はたいてい曇天か降雪のため、冬の寒い時期にプレイしたくなるゲーム。年末から2週間くらいかけて久しぶりプレイしてみたが、精神的に削られる場面が多数あるためどうしても時間がかかる。
以下、ネタバレを含む感想などを。

過酷な環境で問われる人

もっとみる
大戦略II(感想)_ユーザーを巻き込んだ優れた拡張性

大戦略II(感想)_ユーザーを巻き込んだ優れた拡張性

『大戦略II』は1988年にシステムソフトから発売で、実際の兵器を扱ったSLG。戦場マップや戦闘シーンは似たようなイメージだが、ゲームシステムとしては前作の『現代大戦略』から大幅に刷新されている。
私が当時プレイしたのはPC-98の『大戦略IISP』というマイナーチェンジ版だった。

前作から大幅に刷新されたシステム64☓64のHEXで構成されたマップ上を、ターン制で各陣営がユニットを動かして戦闘

もっとみる
ティル・ナ・ノーグⅡ カオスの警鐘(感想)_前作からのキャラクター引き継ぎが嬉しいRPG

ティル・ナ・ノーグⅡ カオスの警鐘(感想)_前作からのキャラクター引き継ぎが嬉しいRPG

『ティル・ナ・ノーグⅡ カオスの警鐘』は1988年にシステムソフトからPC-9801用に発売されたRPGで『ダーナの末裔』の続編。前作を所持しておらずともプレイは可能でそもそも物語の連続性は薄いが、前作のクリアデータからキャラクターを持ち越せるのが最も良いところだと思う。
以下、感想などを。

主人公キャラの3人組み込みが可シナリオをランダムに生成させるか、10桁のコードを入力することでゲームをプ

もっとみる
ティル・ナ・ノーグ ダーナの末裔(感想)_そこそこ中毒性のあるRPG

ティル・ナ・ノーグ ダーナの末裔(感想)_そこそこ中毒性のあるRPG

『ティル・ナ・ノーグ ダーナの末裔』は1988年にシステムソフトからPC-9801用に発売されたRPG。後にWindows用に復刻されておりそちらもプレイした記憶もあるが、やはりオリジナル版の方が思い入れが深くてやり込んだ思い出がある。
以下、感想などを。

自動生成されるシナリオ本作のシナリオはジェネレータで自動生成(または自分で入力)される10桁のコードによって無数のシナリオが生成されるため、

もっとみる
水月(感想)_主体性の無いのをいいことに、つけ込まれる主人公

水月(感想)_主体性の無いのをいいことに、つけ込まれる主人公

『水月』はエフアンドシーから2002年発売の美少女ゲームで、シナリオはトノイケダイスケ、原画は☆画野朗。
記憶喪失になった主人公が、自己のアイデンティティに悩む物語となっていてシナリオがなかなか興味深い。2023年3月には音声追加とUI刷新され、再発売しているがそちらは未プレイ。
以下はネタバレ含む感想などを。

夢と現実の境界が曖昧に『水月』は海と山に囲まれた那波町で、事故によって記憶喪失になっ

もっとみる
水滸伝・天導一〇八星(感想)_箱庭型の塞をつくりあげる楽しさ

水滸伝・天導一〇八星(感想)_箱庭型の塞をつくりあげる楽しさ

『水滸伝・天導一〇八星』は1997年に光栄からWindows95対応で発売された歴史SLGで、後にプレステやセガサターンなどの各機種へ移植されている。
前作『天命の誓い』はSteamなどで購入可能なのに対して、本作はコーエー定番シリーズで再販されたのみ。2023年現在は高値安定傾向の中古品を購入するしかない。
以下、私のプレイしてきたWindows版の感想などを。

箱庭型の塞をカスタマイズゲーム

もっとみる
水滸伝・天命の誓い(感想)_愛すべきアウトローたち

水滸伝・天命の誓い(感想)_愛すべきアウトローたち

『水滸伝・天命の誓い』は1989年に光栄からPC-88SR用に発売された歴史SLGで、後にX68000やMSXなどの各機種へ移植されている。
本作は『シブサワ・コウ アーカイブス』によって配信されているから、2023年時点でもまだプレイが可能。
30年以上前のゲームなのでかなり古臭さは感じるが、原作の世界観を楽しめる国産ゲームが希少なので未だに稀にプレイするゲーム。
以下、私のプレイしてきたたPC

もっとみる
Wingspan(感想)_穏やかな時間とゲーム性を両立させたバランスの良さ

Wingspan(感想)_穏やかな時間とゲーム性を両立させたバランスの良さ

『Wingspan』は2019年にStonemaier Gamesから出版されたボードゲーム。私がプレイしているのはSteam版で、50%OFFセール(¥1,025)につられて購入したのだが、ちょっとした空き時間の気分転換に最適だからほぼ毎日プレイしている。
私の大人になってからのボードゲーム経験は、『街コロ』『カルカソンヌ』をプレイしたことあるくらいの初心者。
拡張セットは未購入で、購入してから

もっとみる
媚肉の香り(感想)_毒婦は正体を隠すから騙されるということ

媚肉の香り(感想)_毒婦は正体を隠すから騙されるということ

『媚肉の香り~ネトリネトラレヤリヤラレ~』はelfから2008年発売の美少女ゲームで、シナリオは土天冥海、原画は市川小紗。
終盤に凌辱シーンがあるものの下品な作品タイトルからは想像し難いほどの、不器用な男女の恋愛が話しのメインと思われ、静かな感動もある作品だった。
以下はネタバレ含む感想などを。

複雑な人間関係の三澤家季節は夏、大学生の拓也と由紀は付き合いはじめてまだ3ヶ月で、二人には卒業旅行の

もっとみる
Imitation Lover(感想)_心と体、両方の繋がりを求めてること

Imitation Lover(感想)_心と体、両方の繋がりを求めてること

『Imitation Lover』はlightによる2006年発売のADVゲーム。学園内で目立つ存在の美少女からカンニングを条件に処女をあげると取引を持ち掛けられるのがきっかけではじまるラブストーリー。性行為のシーンを入れるために逆算された都合のきっかけだが、恋人同士の心の結びつきについて掘り下げられているのが好印象。
以下はネタバレ含む感想などを。

心と体、両方の繋がりを求める来栖樹は実直で大

もっとみる
R.U.R.U.R ル・ル・ル・ル このこのために、せめてきれいな星空を(感想)_選び取る様々な幸せのカタチについて

R.U.R.U.R ル・ル・ル・ル このこのために、せめてきれいな星空を(感想)_選び取る様々な幸せのカタチについて

『R.U.R.U.R ル・ル・ル・ル このこのために、せめてきれいな星空を』はlightより1999年4月に発売されたADVゲーム、シナリオは伊藤ヒロ。
宇宙を舞台にしたSF世界、幼なすぎる主人公や数多くの作品からの引用などかなりクセのある異色作だが、遠い未来の宇宙でたったひとり残った人間が選び取る幸せをいくつものパターンで提示する興味深いゲーム。
以下、ネタバレを含む感想などを。

生き残った人

もっとみる
なついろレシピ(感想)_自然豊かな過疎の村で食にこだわるラブコメ

なついろレシピ(感想)_自然豊かな過疎の村で食にこだわるラブコメ

『なついろレシピ』はPULLTOP Airによる2015年発売のADVゲーム。
面識の無かった若い男女が腹違いの兄弟として、自然豊かな村で一緒に暮らし始めるのだが、本当は二人の血は繋がっておらず、兄の岳史は血の繋がりの無い事実にすぐ気付くが、兄弟としての暮らすことを選択する。
以下はネタバレ含む感想などを。ただしメインヒロイン以外のストーリーには特に触れない。

閉ざされた田舎の村で暮すということ

もっとみる