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個性を伸ばす集団の作り方(1178文字)

消しゴムを忘れた隣の子に消しゴムを貸してあげる子。
社会の新聞作り、隣の子が何を書けばいいか悩んでいると、相談にのってあげる子。
床に落ちた友達の物をサッと拾って手渡ししてあげる隣の子。
友達が食器を割ってしまうと、サッと片づけを手伝いに来る隣の子。

そんな子供たちの思いやりのある行動は、日々の忙しなさの中で、余裕がなくなり冷たくなっていきそうな心を温かくしてくれます。さて、今回は「隣の子にやさしくすることが、実は君の成長につながっているんだよ」というテーマでお伝えします。

個が伸びる集団の作り方

 私は個人の成長が何よりも大切だと思い、子供たちを指導しています。ただ、「良い集団」があってこそ一人一人の個は正しく、大きく伸びていくのは確実なので、一人一人の個を伸ばすためには、「良い集団をつくるにはどうしたらいいか」を考えることがとても重要です。

個人と組織のエネルギーベクトルによってつくられた平行四辺形の対角線が2つの【ベクトルの和】になる。これを最大限に引き延ばすような生き方を目指せば、個人と組織のエネルギーの和が最大限に発揮され、相乗効果を生む。

東京都初の中学校の民間人校長として杉並区立和田中学校の校長を務めた藤原和博さんは、こう言います。
 私はこれを「誰か(集団)のために自分の良さを活かして行動することが、個人と集団によい影響を与え続ける」と解釈しています。もう少し、噛み砕いた言い方をすると、「一人一人が自分以外の誰かのために行動すると、個性が伸びる良い集団ができる」です。

自分以外の誰かのために行動するとは

 では、「自分以外の誰かのために行動する」とは一体どういうことか?もし私が高学年を担任しているならば、子供たちにはこう伝えます。「まずは、委員会や係活動等を通して、学級や学校のために動くことが大切だよ」と。ただ、これはあくまで「高学年なら」です。では、「3年生なら」どう伝えるか?それは、「隣の人にやさしくしよう」です。3年生には学校のために活動する機会や役割を多く与えられていないことももちろんですが、発達段階的に「学級」や「学校」のように「顔の見えない相手のため」に動くことを得意としない子が少なくないからです。それよりも、具体的に相手がイメージでき、「ありがとう」と直接伝えてくれる「隣の人」の方が思いやりをもって接しやすい。もちろん、「隣の子」は学級で言えば、「隣の席の子」ですが、家では、親や兄弟、学校外の集団であれば、チームメイトや遊び仲間にあたります。どんな場所でも「個」と「集団」の関係性は成り立ちます。

 さて、今回は、「一人一人の個が正しく、大きく伸びるためには、良い集団の形成がまずはとっても大切」で、そのためにはまず、「隣の人にやさしくすること」を一人一人が意識して行動していくことが大事だよ、といったお話でした。

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