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ライターと作家の違いは執筆スタイルの違いにすぎないような気がする

ライターと作家の違いがわかる人は意外と少ないと思う。

また、書く仕事をしていない人の多くは、どちらも全く同じだと考えているようだ。

たとえば、私の父は「ライターなのになぜ小説(の賞)に応募しないんだ?」などと言っているので、明らかにライターと作家の区別がついていないことが丸わかりだ。他の人もおおむねそんな反応である。

しかし、書くを仕事としている人の間でもその区分は曖昧らしい。(私自身も実は厳密にはよくわかっていないが)

その証拠に、有名な著述業の間でも、認識の違いによる意見の相違が起きている。多分はっきりした区分があるわけではないのだろう。

私自身は、両者の違いについて次のように考えている。

・客観的事実をわかりやすく書くのがライター

・主観に基づき読者の共感や感動などを呼ぶ文章を書くのが作家

その区分で本当に良いかどうか自信はないが、調べてみるとおおむねその解釈でよさそうだ。

私の場合、この仕事で受注してきたのはほとんどSEO記事。その性質上終始「書き手のペルソナ」の立場で事実のみを書くのが当たり前だった。だから、自分の肩書きは「ライター」だと思っている。

しかし、最近はクライアント様の要望で、自らの経験に基づく主観をベースとしたライフスタイル系記事も書くようになった。明らかにこれまでとは違うスタイルであり、「作家」のカテゴリーに入るような内容だ。

正直、今はまだ「客観性を旨とするライターなのに主観を入れた記事を書いてもよいのだろうか?」という戸惑いの方が大きいが、読者様の反響も大きく、クライアント様からも引き続きそのような記事をと言われているので、まあそれもありかと思う。

また、作家的な記事は自らの人生経験に基づく内容が求められているため、私でないと書けない内容で書いている。

我ながら、こんなおばちゃんの平凡な経験談でいいの? とは思うが、若い世代の読者様から見ると、私がすでに知り尽くしていることでも未知の領域であることも多いらしい。

記事へ寄せられたコメントを読むと、こちらが驚くほど(良くも悪くも)新鮮な情報として受け止められているのがわかり、いわゆる「おばあちゃんの知恵」も十分有益な情報となりうるのだということに気づかされる。

そのような背景から、最近は自分がライターなのか作家なのかはあまり考えず、広い意味での著述業であると自認するようになりつつある。

できれば、今後もそのような変化や仕事の広がりに柔軟に対応し、幅広い仕事ができる自分でありたいと思っている。

ライターも作家も文章を書く仕事だ。ならば、自分の中で両者の区別をしながら、随時自分なりに中のライターと作家を切り替えればいいだけだ。

つまりニーズに応じて

・「ライター」としては徹底的に主観を排除する

・「作家」的記事は持てる知識や経験に基づく主観を入れて書く

と明確に区別しながら両方の肩書きを持つ「著述業」をやればいいと思うし、厳密な意味での肩書きにこだわりを持つ必要もないと感じている。私自身は、そのような区別はさほど難しくはない。

元々ライターは案件ごとに書き手のペルソナを取り替え、掲載メディアのカラーに合わせて記事を書く「パフォーマー」である。だから、作家的な文章を書く時は、「自分」という書き手の役を演じ、その役で求められているスタイルで書けばいいのだ。

つまり、「ライターと作家の違いで自分をカテゴライズしない方が、より多くの仕事のチャンスに恵まれる」ということではないだろうか。

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