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最大の敵は身内だった

ライターで開業届を出してから丸8年。仕事で嫌なことは殆どない。

しかし、つい最近まで何かにつけて私の仕事を妨害し続けた夫や、繁忙期に限って「死にたい」と電話してきては「仕事仕事って、そんなにお金が欲しいの?」などと嫌味を言う母親への対応と仕事との両立は過酷だった。

それでも続けてきたお陰で今後のお金の心配はだいぶ減ったが、それと引き換えに健康を損ねたのもまた事実。

夫の仕事妨害はクライアントとのOMG中の仕事部屋に乱入してクライアントを困惑させたのが最大のハイライトだが、繁忙時に限ってすぐには必要のない用事を今やれと言って聞かないなどの細かい嫌がらせは数知れず。仕事における私の最大の敵は常に夫だった。

一方、母親の場合は少し複雑な感情から私にストレスを与えている。

かつては自分も手に職で稼いでいた母親は、私が手に職の個人事業主である点では一番の理解者である。しかし母親は私より遥かにお金で苦労する人生ではあった。

母親の夫である父親はそこそこ稼ぐが「飲む打つ買う」の三拍子揃った人物。母親も私達もお金の苦労が絶えなかった。(お嬢様育ちの母親自身が「自分が働きに出ると夫の収入が少ないと思われて恥ずかしい」と言って本当に生活が逼迫するまで短時間パートすらしなかったのも一つの原因だと思うが)

一方、私の夫は貯蓄(投資も含む)が趣味の節約家。私も浪費家ではないので、収入がそれなりでもお金に困る機会が母親より少なかった。

さらに、今は子どもが自立して、母親が今の私と同じ年齢だった頃よりはだいぶゆとりがある。私が無職でも当面は生活に困らない。

母親はそれが羨ましいのだろう。「現状で(私が)働く必要がないのにまだお金を増やしたいのか。金の亡者め」と露骨に言ってくるのがストレスになっている。

普通に電話すると私に軽くあしらわれるので、わざわざ「死にたい」と泣きながら電話してくるところが小賢しいと思う。

そんな面倒な身内のおかげで開業以来気苦労が絶えなかった私である。

しかし、最近になってようやく夫が私の仕事を認めざるを得ない状況に持ち込み、邪魔をされることもなくなって仕事が捗るようになった。

また、母親の嫌味への対応にも慣れてだいぶストレスが軽減されたが、我ながらよくここまで持ち堪えたと思う。

銀行員時代に受けた数々の嫌がらせに比べたら夫や母親の嫌がらせなど可愛いものだったが、長期にわたる地味な嫌がらせがじわじわと私の心身を蝕んだのは間違いない。

今思えば、私の足をずっと引っ張り続けていたのは母親と夫だった(遠い目)。以前から薄々感じていたがその根底にあるのは私への嫉妬だ。長年続いた一連の行動から、今はそのことを確信している。

母親は自分と同等のお金の苦労を私がしなかったことに嫉妬している。かつて物書きをの夢をあきらめた夫は、現在私が物書きとしてお金を稼ぎ続けていることに嫉妬している。それはもう間違いない。

2人とも私が不得意な分野で高い能力を発揮して結果を出しているが、それだけでは満足できないのだろうか?自分たちが不得意な分野で私が結果を出していることが気に入らないらしい。ずっとその疑念を否定していたが、年を追うごとにその疑念は確信に変わっている。

そんな2人を見ているとなんて贅沢で欲張りで不幸で愚かなのだろう?と思ってしまうのだ。

そんなに私が妬ましいなら、自分も同じことができるように死ぬほど努力しろと思う。何かにつけてこちらの足を引っ張るのは、その分野において無能だと自ら証明しているようなものだ。

自分でチャレンジする気もない奴ほど人の足を引っ張るのはお約束だが、私から見れば「負け犬の遠吠え」にしか思えない。そんな姿をさらして恥ずかしくないのだろうか?と思うが、そういう人は一生変わらないような気がするのでこちらが割り切るしかない。身内だけに大変厄介で面倒だけど。

自分にできないことをできる人を妬むなとは言わない。私にだって自分ができないことをできる人への妬みはすごくある。でも、できる人の足を引っ張って自分の無能をさらけ出す方が恥ずかしいと思っているから、己のプライドにかけてそれは絶対やらないと決めている。

そんなことをするくらいなら自分が得意な分野をもっと突き詰めることにエネルギーを注ぎたい。人生が残り少なくなった今、もはや人の足を引っ張ることに注ぐエネルギーや時間など残っていない。また、自分の足を引っ張る人に頭を悩ませるエネルギーや時間だって残っていないので、ここ数年はただただ目に見える結果を出すことに集中してきた。

その結果がFP2級(AFP)合格や自分一人を養える程度稼げる力につながり、ようやく最近足を引っ張る意味などないことを夫や母に悟らせることができた。ああ、長い長い闘いだった。

ただ、闘いにより生じたストレスと加齢のせいで健康状態に黄色信号が出ており、毎週最低1日は医療機関に行くようになった。おかげで年間の医療費が大きく跳ね上がった。ここ数年は確定申告の時期に確認する医療費の領収書の分厚さを見て溜息しか出ない。お金やキャリアや国家資格と引き換えに健康を損ねたのは大きな痛手だ。

本来ならもっと仕事の幅を広げてやりたいことがあるが、まずは8年の闘いでガタガタになった体を休めることが先決だ。それをやらないまま突き進めば取り返しのつかない事態になるところまで来てしまっている。

だから、当面は仕事を減らしながらこれからの仕事や人生の方針についてゆっくり考え、取り返しのつかない事態を避ける方法で自分のやりたいことを探すしかない。

本来味方であってほしい一番近い身内が2人も、最大にして最強の敵に回ったことは自分にとって大変不幸だった。でもそれもまた私に課せられた運命なのだろう。その運命を受け入れながら、残りの人生をできるだけ後悔しないように生きる方法を模索していこうと思っている。

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