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[小説:紹介] スティーヴン・キングの小説 (6) [2000年代]

ネタバレ基本的になし

スティーヴン・キングの小説を紹介します。
第六段は2000年代に発表された分です。

こっから全部は読んでないです。
読んだものを紹介していきますね。

◎スティーヴン・キング

◎リチャード・バックマンとは

キングの別名です。
キングは一時期、正体を隠してこの名前で本を出してました。
途中でバレちゃったんだけどね。


2000年代に発表された作品紹介


ライディング・ザ・ブレット

2000年発表。

当時、eBookで発売されて48時間に50万人がダウンロードした逸話を持つお話。

この数年後に電子書籍関連の仕事をしてたので、感覚的に覚えてるんだけど、このころはまだ電子書籍は一般的ではなかったはず。
インターネットもやっとブロードバンドが出てきたころで、電子書籍を読める端末を持っている人もそういない。PCで読んでたのかな。

そんなころに、新しい試みとして、eBook版だけで発売されたんだ。
そんで人々が殺到した。

物語は割とシンプルで。
母親が倒れたとの知らせを受けて、夜中のヒッチハイクに向かおうとする主人公が不気味な運命に巻き込まれる…というもの。

日本でいうと、タクシー怪談みたな感じかな。
それがやたらリアルに細かく描写されてるって感じ。

ページ数もそんなにない。
今は紙の書籍もある。


ドリームキャッチャー

2001年発表。

1999年6月19日 スティーヴン・キングは自宅近くを歩行中に交通事故にあい、一命は取り留めたものの瀕死の重傷を負った。何ヶ月にも及ぶ激痛とリハビリに耐え、ついに書き上げた長編が本作品。

そういった意味で、『ドリーム・キャッチャー』 はキングの作品群の中でも重要な作品のひとつと言えるかも。
作中には交通事故のシーンが登場し、とてもリアル描写が多く見られます。

『ドリーム・キャッチャー』 の子供時代の舞台は、キングの代表作『IT』の舞台と同じ、《デリー》です。
なので、物語の中で懐かしい名前を見かけたりもしますよ。

『ドリーム・キャッチャー』も子供時代の出来事と、大人になってからの出来事がリンクしていく物語です。
仲良しグループの感じも少し似ている。

だからといって、決して物語が似ていないのが、すごいところ。

このお話は、とにかくぶっ飛びがすごい。

ぶっ飛びすぎだわwwww

メインテーマにこんなもんを使うとは、誰が想像できるだろうか!!!!
うーん、それが何だか言いたいけどここでは言えない!!!

ジャンルだけ行っておこう…。

未知との遭遇的なSFなんです。

ふざけてるのかと思うよ… ふざけてるのかもしれないケド…。

B級SFのようでいて、実はかなりイカれた感じのハードSFなんだ。

コンピューターやインターネットの概念も取り入れられていて、なんかめっちゃすごい。

映画も原作の雰囲気をよく表現してて思いのほかよかったです。
でも時代が早かったかも感はある。

今の映像技術で見たい。

ちょっと残念だったのが、物語の重要な登場人物としてダウン症のあるダディッツをダウン症じゃない人が演じてたところかな。

昨今ではその当事者の役者さんが演じることも増えてきたので、挑戦してみたらけっこうすごい映画になったのでは…と思うのだ。

ちなみに私の息子はダウン症なんだけど、息子が生まれるずっとずっと前から、ダディッツは私のお気に入りの登場人物なんだ。

それにしても、映画の最期のオリジナル設定にはビビるわ~。
椅子から転げ落ちました。

そんな説明いらないと思うんだけどね。。。ある意味やりすぎ感が嫌いになれない映像化でもあります。

映画しか見てない人っ!!! あの最後の設定は原作にはないからねっ!!!!


ブラックハウス

2001年発表。ピーター・ストラウブと共著。

1984年発表の『タリスマン』の続編です。
大人になった主人公 ジャック・ソーヤーが再び主人公です。

めっちゃいい男になってます。
疾走した子供たちを追う刑事さんです。

本作品では、ブルックリンの吸血鬼ことアルバート・フィッシュという実在の殺人鬼がモデルの人物が出てきたりして、サイコサスペンスな展開を見せるのですが、普通のサスペンスではルール違反とされるようなことが起こってしまうよ。

うわーうそーーん(^^;)って。

だからミステリー感覚で読んでいるとその驚くべきプロットに憤慨して本を叩きつけるようなことになりかねない。
どうか、この本の著者がミステリー作家ではなくて、スティーヴン・キングとピーター・ストラウブという超ド級の2大ホラー作家であることを忘れないでほしいのです。

サスペンスではなく、ダークなファンタジーなんです。

前作 『タリスマン』 では J・R・R・トールキンの 『指輪物語』 が度々引用されたが、『ブラック・ハウス』 では エドガー・アラン・ポー の詩 『大鴉』 がよく引用されます。

詩の世界が暗示するように物語はどんどん暗く不吉な方へと突き進んでいき、やがてスケールがでかいことになっていく…。

(^^;)えーー!? ってならずにちゃんと着いてきてね~。

なお、あえて言ってしまうけれど…

『ブラック・ハウス』 は単体では楽しめない!

『タリスマン』 は読んでおいた方がいいし、『ダーク・タワー』 はせめてその世界設定だけは知っておいた方がいいかと思う。

なにしろね、これは『ダーク・タワー』の外伝的な物語なんだ。
『ダーク・タワー』を読んだ人なら、とっても知りたいあの人たちのことが詳しく出て来る…。

コソッ…ブレイカーの話なんですよ…。


回想のビュイック8

2002年発表。

奇怪な本である。

『回想のビュイック8』 の内容って、せいぜい短編が書ける程度ではないだろうか。。アイディアだけの世界ってゆうか。

それを長編にしてしまって、しかも割りとぐいぐい読ませてしまうのがなんかもう神業的なのだが、だけど読み終わって、いったいなんだったのか…と頭を抱えてしまうような、そういう小説なの。

この物語を書いている時期を前後して、スティーヴン・キングはかの交通事故にあい、生死の淵をさまよっていました。
確認するのがめんどくさいので、ホントかウソかは知らないけど、この物語の交通事故シーンを書いた後にその事故が起こったという噂もあり。

なので、『回想のビュイック8』 は曰くつき、呪われている、と言われたりもします。

確かに呪われているのかも。

この本の何だか異様な感じはそういう風に説明ができるかもしれない。


なにもかもが究極的

2002年発表。短編集です。

『ダーク・タワー』の外伝的な短編も含まれます。

ひとつひとつが面白い読み応えのある短編集です。


ダーク・タワー

1982~2004年にかけて発表。

『ダーク・タワー』については、以前、本垢の方でめっちゃ語ったのでそちらをどうぞ。

『ダーク・タワー』は私が今まで知った物語の中で一番おもしろいと思っているお話です。
1冊目がちょっと退屈なんだけど、その次に辿りつければジェットコースターのように一気に物語は加速します。

全ての物語は『ダーク・タワー』に繋がります。
キングの本を少しでも読んだのであれば、『ダーク・タワー』も読まないと世界の一部しか知らないってことになりますよ!!

ちなみに、映画化もしたんですけど、そうじゃなくて…という感じでした。


セル

2006年発表。

『セル』 は人類の大半が人間ではない何かに変貌してしまってゾロゾロ徘徊し、文明社会が崩壊する類の物語です。

広い意味ではゾンビ物と言えると思うけど、『セル』はちょっと変わっている。
私たちが「ゾンビ」と聞いて想像するものとは少々異なる奴らが『セル』には登場します。

この奇抜な設定のおかげで、ゾンビたちが何か哲学的な存在に思えてきてしまうので面白い。
ネタバレになっちゃうのでここでは書けないけど、ホントにおかしなゾンビたちなのよね。

そして、物語は徐々に大変なことになってゆき…どうすんだこれ…収集つかないぞ…というところまで発展していきます。

この物語の結末は、なんかどひゃーって感じでw

映画化もしているけど…。



リーシーの物語

2006年発表。

読んだはずなんだけど、記憶がない…。
キング自信お気に入りの作品らしいので、もう一度ちゃんと読んでから感想書きます。


悪霊の島

2008年発表。

事故で片腕を失い、脳にも後遺症が残った上に妻にも去られた男がひとり。
メキシコ湾に浮かぶ孤島「デュマ・キー」に移住し、絵を描き始める。

脳にダメージを負った者が急に絵を描き始めるのってよくあるみたい。

これまで全くスーパーナチュラルな世界とは無縁だった人が、急にそちら側のアンテナの感度がよくなりいろいろ受信しちゃう感じ?

とても面白いんだけど、ちょっとぶっ飛びが足りない感じはある。

シンプルなホラーが好きな人にはおススメ。


夕暮れをすぎて

2008年発表。
短編集。まだ読んでないです。


アンダー・ザ・ドーム

2009年発表。

これはやばいやつです。

閉ざされた空間で人はどうなるか。

キングの実験場に人々がまた連れてこられました…。

メイン州の小さな町チェスターズミル。
人口およそ2000人。その町は突如、透明の障壁に囲まれた。
上方は高空に達し、下方は地下深くまで及ぶ。

“ドーム” と呼ばれるようになった障壁は、わずかな空気と水と電波を通すのみ。

突然に閉ざされた空間と化した平和な村が、人々の陰謀や思惑によってアッという間に崩壊していきます。

ページをめくるたびに身体の震えが止まらなくなるほど私は興奮していました。

あれのこと!!!!!???
あれのことを書いているの!!!!!???

この物語が語ること。それは私がこの数年囚われてきた妄想と同じだったのでした。

道端でせっせと食べ物を運ぶありんこや、水槽の中の魚たちを見ながら思っていたこと。
私たち人類が知ってると思う宇宙が、実はまったく別の形をしているかもしれないということ。

これはもう、究極の回答なのでは?
この世界はそう、つまりドームの下にあるっていうこと。

『アンダー・ザ・ドーム』はTVドラマ化されています。

ドラマの方は徐々に独自の展開となってドラマオリジナルなストーリになってしまうけど、そっちもそれで面白かった。
ただ、途中で打ち切りになってしまったのが残念だ。



Full Dark,No Stars Full Dark,No Stars

まだ読んでないです。


11/22/63

2011年発表。

タイトルとなっている日付。アメリカの歴史に詳しい人ならピンと来るかも。
第35代アメリカ大統領ジョン・F・ケネディが暗殺された日です。

2011年に生きる高校教師がひょんなことからタイムトリップし、歴史を変えるために奮闘するお話です。

本書でのタイムトリップには独特のルールがあり、まるで現実世界でロールプレイングゲームをしているみたいな面白さがあります。

それから、『IT』の舞台の町《デリー》カムバック的な要素も少しあります。

ケネディ暗殺事件は、今でも謎が謎のまま解決していないことがあまりに多く、さまざま推理憶測が繰り返されてきた題材です。

『11/22/63』では、念入りな取材の元にリー・オズワルドやその周辺の人物が生き生きと描かれていて、詳しい人にはかなり胸アツなのでは?と思います。

私はそんなに詳しくなかったのだけど、物語を読み進めるうちに、いつしかこの歴史上の人物たちが身近な人々のような気持にさせられました。

人物だけではありません。50年代末から60年代初めのアメリカの描写が実にリアルなんです。

2011年に生きる主人公のジェイクは30代。タイムトリップした先の時代ではまだ生まれていません。
私たちは彼の目を通してひと昔前のアメリカを体験し、ジェネレーションギャップを味わうことができます。

『11/22/63』は、ケネディ暗殺の実行犯とされるリー・オズワルドの動向を追っていく面白さもあるけど、未来人ジェイクが過去の人々と繰り広げる人間ドラマも見どころのひとつになっています。

そんでそんで~!!

なんと、この物語はキング作品中で最もロマンチックと言ってもいいくらいの、とっても切ないラブストリーなのである。

なんかケネディもオズワルドもどうでもいいやw ってなりそうな。

果たしてジェイクはケネディを救えるのか~!!!

なお、『11/22/63』は人気の監督J・J・エイブラムスによってテレビドラマ化されました。

少々ストーリーを端折ったところはあるが、ほぼ原作通りでキャストもイメージどおりの素晴らしドラマだよ。
ドラマもおススメなのでぜひどうぞ。



これ以降に出された本は読んでないです。
そのうち読んで行きたいです。

この中で私のおススメは『ドリームキャッチャー』『ダーク・タワー』『アンダー・ザ・ドーム』です。

『ダーク・タワー』は超大作ですが、読んでいない人にはぜひ読んでほしいです。
ひとりでも多くの人にこの物語を体験してほしい!!!!
そして、最後にひっくり返って欲しい!!!!

以上です。


▽第一弾 70年代はこちら

▽第二段 80~85年はこちら

▽第三弾 86~89年はこちら

▽第四弾 90~95年はこちら

▽第五弾 96~99年はこちら

▽第六弾 2000年代はこちら


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