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売上がない珈琲店・ビジネス失敗相談へのアドバイス

毎月開催している【ビジネスお茶会】


経営者が集まり自社のPRと課題について他の経営者からアドバイスをもらうという2時間です。そのため少人数でじっくりとお話をしています。


犬と入れる喫茶店を始めた動機は「思いつき」


千葉県茂原市から参加したSさんのお話。
2019年に会社員を辞めて母親と暮らすために実家のある茂原市に移転しました。
会社員を辞めてしまったため、「何か近くで事業をしたい」

犬と一緒に入れる喫茶店が少ないから
犬と散歩に来て、コーヒーが飲めるお店を創ろうと考え、近くに物件を見つけ準備にかかります。

公的資金と自分のお金で資金調達をして敷地41坪に136平方メートルの鉄筋構造の喫茶店を買い取り、2020年にリノベーションして7月にオープンしました。
「犬と入れる珈琲店」がコンセプトです。
当初は従業員を雇ったりしていましたが、事業資金が続かなくなり、今は一人も従業員がいないとのこと。

土日だけオープンして
一人で土日に保護犬や猫の譲渡会を開催しているとのことです。

本人曰く
「すごくいい場所なんです。東京からも犬連れで来てくれますし、明るくて広々した店内で皆さん気に行ってくれます。
事業が立ち行かないので、設備一式2980万円で売却希望です。
買ってくれる事業家さんを探しています」

つまり居抜きでこの物件を買ってくれる人を探しています。ということです。

Sさんは
・すごく良い立地
・茂原珈琲はおいしくて有名
・東京からも来てくれる
など、プラス要件、メリットをたくさんお話ししています。

ビジネス初めて物語の失敗

Sさん「すごくいいレストランなんですが、集客にお金をかけれないので集客できないのです」


ビジネスはリピーターを創る。
ファンを創るのがどれだけ早くできるか、が売り上げの決め手です。
田舎の町で多くの人も通らないようなところで、集客もできないでしょう。

Sさんは「東京からも人が来てくれます」
といいますが、

私は毎週東京から千葉へアクアラインを経由してゴルフ場へ行っていますが、木更津東ICでさえ、「遠いなあ、混んでいやだなあ」と思いつつドライブしているのに、
そこからさらに1時間先の茂原市に、足繁く、ペットと珈琲のために通う人は、年間何人いるのでしょうか?

「東京からも来てくれます」と言っても、
リピーターというのは最低週に1回は来てくれる方です。

世田谷周辺でも犬と一緒に入れる素敵なレストランがたくさんあります。
年に1.2回しか来ないお客は「イベント客」でリピーターではありません。

珈琲だけでは売上が低い

Sさんは事業が継続できない理由をきちんと把握していないようでした。
珈琲550円だけでは単価が上がらず、
ということは売り上げも大きくなりません。

人を雇ってランチを提供したり、夜は、お酒を提供するようにしないと、逆に言うと昼間だけでは単価が低くて個人店はやっていけないはずです。


そもそも事業計画書はどうなっているんですか?

ときくと、
「当初従業員を多く雇いすぎてしまって・・
コロナ下でのオープンだったので、思ったより客足が伸びなくて」
とのこと。

コロナ下でのオープンは不幸でしたが、それもわかって準備したはずです。

それにしても珈琲1杯550円で売上,いくらを予想していたのでしょうか?
余りにも雑な経営計画では?

他の経営者からのアドバイス

経営者Aさん
「まずここを居抜きで買ってほしいということですが、どうして2980万円もするのですか?」

Sさん「これだけお金を掛けたので、残債が・・・」

経営者Aさん
「掛けたお金とこのビジネスの価値、金額は別物です。
事業をする人はここを買ってどれくらいの利益が出て、と考えます。
到底この価格では買い手は出てこないので早いうちに適正価格を診断してもらうことです」

経営者Bさん
「犬が入れるっていっても、結局は飼い主である人間が
『あそこのランチはおいしいから行こう』となるのであって、わざわざ珈琲飲みにはいきませんよ。東京から行くのであれば、今はSAなども整備されていて犬と遊べる公園はいくらでもありますからね。
美味しいランチを出すお店に変更したらいかがですか?」

などなど意見が出されました。

それでもSさんは
「当初はランチも出していました。でも人件費がかかって・・。すごくいい場所だから来てもらえれば良さがわかってもらえると思います」と、
どの話もあまり耳を傾けたくない様子で、ずっとお話しされていました。

そもそも、Sさんが脱サラして始めたので、
ビジネス自体理解せずに素人が喫茶店を思いつき出始めた、という感じは否めません。

事業計画書は納得した数字で書いたのでしょうか?
ビジネスはどこかで学んだのでしょうか?
ビジネスに対する考え方が甘かった例、と言えると思います。


「とても素敵な場所で」
「良いところで」という
その場所を愛する気持ちや熱があるのでしたら
Sさんが飲食店コンサルなどの指導を受けて営業継続すればよいと思うのです。
商工会議所の無料指導だって活用できます。

始めたけれどもうまくいかない、最も多く聞くお話です。

ビジネスをする前に、お金を使う前に
経験者、プロの声を聴いておくこと、これがとっても大切です。

コーヒーはFC(フランチャイズ)が強い

話は別ですが
私の友人は姉妹で喫茶店を経営したいと思い、自分たちはその運営ノウハウもない、ということで、タリーズコーヒーのFCに加盟しました。

東京に最初1店舗を出し、
その後これは行けると思って利益をつぎ込んで次々に都内に4店舗、近郊に1店舗を出店し売り上げを伸ばしています。

FCは最初に加盟金が必要ですが、
集客数や、売り上げ単価を綿密に計算し、店舗設計からスタッフ教育、店舗運営まですべてノウハウを提供してくれます。

お陰で当初の創業計画とはほとんど変わらない売上と利益で推移できるそうです。

定休日なし、いつも混んでいる店内
途切れのない集客、これがFCの力、ブランド力です。

飲食店で働いたこともない会社員がいきなり思い付きでレストランを開業しても・・・・残念ながらこうなるのは目に見えていた気がします。

ビジネスが成功するのは
経験と綿密な事業計画がってこそ

ビジネスは経験と創意工夫! 
Sさん、頑張ってほしいなあ!!

ビジネスお茶会は六本木ヒルズクラブで毎月開催しています

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