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耐え忍ぶ期間

半世紀も生きると、毎日どこかしらが不具合である。年齢的に更年期なのだ。この更年期、なかなか厄介である。医学的には、閉経前5年、閉経後5年。計10年。


10年て!!
長すぎやろ!!



これは、自分が更年期になるまで知らなかった。若い時、オカン世代がよく「更年期キツイわぁ」と言っているのを横で鼻ほじりながら「ふーん」と聞いていたが


ほんまキツいわ!!


諸々の不調が出始めた時、婦人科に罹った。婦人科の先生が「更年期時期は、体の水分が失われて髪も肌も粘膜もカラッカラになります」と仰った。そして、ホルモンバランスが悪くなるので、そこから色んな不調がやってくるらしい。

私の髪はピンピンにストレートであったが、更年期になってうねり始めた。風呂上がりに体にクリームなんて塗ったことがなかったのに、最近は必須だ。この間の鼻血ブシャーも鼻の粘膜の乾燥によるものだ。どうやら女はこのホルモンバランスという代物から逃げられない運命らしい。骨が折れたや、お腹を手術で切ったなら大抵の人に心配されるが、ホルモンバランスなどという目に見えないものの不調は、他人から心配されない。特に男性からは。同じ悩みを抱える同年代以上にしかこの苦痛は伝わらない。

更年期と一言で言っても、それに伴う症状は様々で、色んなところから攻撃してきやがる。頭痛、倦怠感、ホットフラッシュ、鬱、不眠、肩こり、動悸、ドライアイ等。多岐にわたって症状があるので、どれもこれも病院に罹り、原因が特定されなければ大抵更年期のせいになる。中でもホットフラッシュなんかは、誰にも理解されない苦痛だ。ホットフラッシュとは、上半身主に顔まわりが突然暑くなるのだ。寒い日も関係ない。おかげでここ数年、首の詰まった服は着られなくなってしまった。タートルネックが好きだったのに今は着られない。とにかく首元に余裕がないとだめ。冬でも。Vネックの服が大半を占めるようになる。悲しい。

このホルモンバランスに体が馴染むまで10年というのだから、体がアホなのかホルモンバランスがアホなのかよくわからないが、女の体はめんどくさい。

更年期には卵巣のはたらきが弱まることでエストロゲンの分泌が低下するのが諸悪の根源だ。薬で補う方法もある。でも私はその選択をやめた。なぜなら、私は子宮筋腫持ちだからだ。この子宮筋腫は、女性ホルモンが多いと筋腫が成長してしまう恐れがある。なので閉経すれば、自然に女性ホルモンが減り筋腫もそれ以上成長しないし、ラッキーなら縮小することもある。薬を使用すれば、更年期に伴う体の不具合は軽減されるが、筋腫は大きくなるかもよ?という、まぁこっちを立てればあっちは立たず的な状態になるのだ。どないせぇっちゅーねん。どちらも解消されて気分スッキリにせぇよ。

思えば、妊娠、出産後の期間中もこのホルモンバランスに苦しんだ。メンタルがボロボロで非常にしんどかった。子供を産めない年齢になりまたもやホルモンバランスに悩まされるなんて、本当に最悪だ。逃げようもないので、耐え忍ぶしかない。

そら、女、強くなりまっせ!
強くなかったら生きていけまへんねん。


というわけで、嫁さんがイライラしててもなるべく許してやってほしい。10年を耐え忍ぶんだな、可哀想だなと憐れみの心で接してもらいたい。そう、そこの貴方。頼むよ。


※イラストお借りしました。iloさん、ありがとうございます。



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