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白と黒の間

幼少の時から、物事に白黒をつけるのが好きだった。どっち付かずのグレーは嫌いだった。でも、長年生きていると白と黒になる部分よりグレーの部分が多いことに気付く。そしてそのグレーを許容しなければ、世の中は回っていかないんだと分かってくる。

善悪などはその筆頭だ。ぱっくり善悪が分かれることもあるが、グレー率も高い。私の正義が他人の正義と違うこともある。善人と呼ばれる人も、仏のように一生善人ではないこともある。逆も然り。

めんどくさいな!!

大人になって色々を経験すると、たまにその不条理さに泣きたくなる。単純明快に悪もんと良いもんが分かれていれば簡単なのに、世の中はそんなに簡単には割り切れない。割り算で小数点以下が永遠と続くような気持ち悪さがある。

私は、不公平とか不条理とか理不尽とかが嫌いだ。それも「ひどい話ね」とか「嫌ぁね」などと言う軽い嫌い具合でなく、心底腹が立ってしょうがない怒りが湧いてくるタイプの嫌いだ。だからと言ってどうすることも出来ないこともある。またそれを計る物差しだって私の物差しであって、それが万人に同じとは言えない。それにどんなに嫌いでも、不公平や不条理や理不尽な出来事にぶつかる。道理の通らないことには全力で応戦するが、それを覆すことが出来ないこともある。そんな時は本当に疲れるし、悔しくて気持ちの整理が追いつかない。半世紀生きてもこんな感じだ。

現実社会がそんなだから、ドラマは勧善懲悪ものが好きだ。色々な悪事に手を染めた悪役が最後にコテンパンにやられる様は見ていてスッキリする。たまに器の大きな主人公が、形ばかりの反省をした悪役を最後に赦したりすると

ケッ


っと思ったりする。器のサイズでいうと小さじにも満たない私である。「人を許すことは自分を許すこと」などという言葉は私の辞書にはない。あ、時と場合による。(どっちやねん)

大抵は、自分は間違ってないというスタンスで来ていたが、結婚し夫と色々話すと、「今見えていることだけが真実ではない」ということに気付かされることが多い。それだけでも夫を夫にして良かったと思っている。(いささか上からなのは気にしないでください。通常営業です)

たまにだいたい同じ価値観の人同士で棲み分けられたらいいのにとさえ思う。詐欺する人は詐欺する人ばっかりで騙し合いすればいいし、浮気する人は浮気する人ばっかりで相手を取っ替え引っ替えすればいい。悪いことをしてほくそ笑んでる人間をどうしたって許せない。それを悪いことをしたら全部己に帰ってくるんやでと思うことで消化しようとするが、多分悪いことしてる人にはそんな自覚はないし、本当にそうなるかはわからない。わからないけど、そう思いたい。

真面目に一生懸命生きている人が馬鹿をみる世の中なんて、やっぱりおかしいと思う。そう言う人達がめちゃくちゃ幸せになりますようにと祈ってる。


※イラストお借りしました。yoneji_0416さん、ありがとうございます。

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