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カナダ~5月のキャンプは白樺林

5月のロングウィークエンド(3連休)は、月曜日がVictoria Day。『ここから夏だ!』とばかりに皆、キャンプに出かけるようになります。


【Green Lake】

今回訪れたのは、Green Lake。湖全長約14km、幅平均1.5km、海岸線が約57km、水深約36mの大きな湖周辺にある、州立公園のキャンプサイトです。面積は3006.3haで、日本の網走湖より少し小さいくらいの湖らしいです。Shore(岸)は岩がちで、Beach(浜)は細かく丸い砂利でできた良い感じの湖でした。、また湖周辺には、多くの大きな別荘やキャビンが建ち並ぶリゾート地で、沢山の人がメインストリート(一本しか無い)で散歩や自転車を楽しんでいました。

湖の奥にはsnow peakを眺めることのできる最高のロケーションでした。


【白樺に囲まれたサイト】

普段訪れるサイトはほぼベイマツ(ダグラスファー?)や他の木々に囲まれた、ある程度プライバシーを保護されたサイトばかりなのですが、今回のサイトは、初めての白樺に囲まれたサイトとなりました。

(向かいのサイト)

白樺って、日本にいるときは全く見た事の無かった樹種だったのですが、何とも不思議な雰囲気の木ですね~。スーッと伸びた幹からは細い枝が出ていて、そこにはまだ新芽がついたばかり。だから、プライバシーなど全くない様な状態のキャンプとなりました。私の場合、Minecraftでしか白樺の林を見た事が無かったので(語れるほどの経験では無い)、白樺の群生する高原の中を通るのは、本当に感動の出来事でした。

3日目は車で、湖周辺をウロウロとしましたが、途中には何カ所もの焼け焦げた白樺林が・・・・。昨年のBCは、とても酷い山火事が数百カ所で起こっていたので(町が一つ焼失しました)、今自分が通っているこの場所も、消防士さん達が必死で守ってくれたのだな・・・・と思うと、感謝しかありませんでした。これが山火事の被害に遭った白樺林です。

ブリティッシュ・コロンビアでは、毎年多くの落雷が原因で山火事が発生します。その度に広大な面積の森(一山)が焼失してしまうわけですが、何年経っても、その後「植林」をしているような形跡は見受けられません。日本人の感覚からすると、特に山の斜面のような所の場合、植林しないと、地すべりの原因にもつながってくるのに・・・・と思うのですが。ちなみに、カナダ・ビクトリア大学の先生の研究によると、「地球温暖化防止」の意味としては、植林はほとんど効果をなさないようですが、一方で、伐採などの計画はかなり厳しく制限されるようになってきたようで、カナダなのに木材の高騰が住宅のリフォームやDIYを圧迫しているようです。「だから植林~!」と思うのはきっと浅はかなんでしょうね。


【トイレとキャンパー】

キャンプサイトは、どこも景観豊かな場所に設けられているので、保護に関しては厳しいルールがあります。まぁ破壊的行為さえしなければ、それほど難しい物ではないと思いますが、夜10時から朝7時までがクワイエットタイム(静かに過ごす時間)となり、サイトでの喫煙は禁止されています。ゴミは必ず、指定の場所に捨てなければならず、それを守らなければ・・・・熊に襲われるかもしれません!冗談では無く、熊は本当にサイト近くの森にいます、シカもクーガーも。なので、食べ物の管理に関しては特に気をつけなければなりません。本当に熊がよく出るサイトでは、夜中、レンジャーが定期的に見回り、空砲で追い払ってくれます。慣れていない私達は、その音にビックリしました。そんな中でも、大げさな柵などで囲わず、「熊も仲間だ」と言いたげなカナディアンの「自然への愛」はトイレにも現れています。

多くのキャンプサイトは、いわゆる「ぼっちゃんトイレ」です。若い人は知らないかも知れないですが、穴を掘って、便器を置いただけなんです。もう少し細かく説明すると、直径1mくらいのステンレスのパイプを地中に埋め、その上に便器を据え、小屋を建てます。屋根はアクリル板のような屋根で、簡単なフックで施錠します。当然虫などもいますし、壁の足下の隙間からはネズミが出入りする事もありますし、匂いだって大変です。でも、カナディアンは、そんな中でこれまでずっとキャンプを楽しんできました(現在は水洗トイレ、シャワー室完備のサイトもあります)。また、トレイル(散歩道)は近郊に無数にありますが、ほとんど自己責任にもかかわらず、多くの人がハイキングや自転車、サイドバイサイド(軽自動車くらいのサイズのオフロード専用車)で楽しんでいます。

うちの6歳児は、もうキャンプ歴5年にもなるので、ぼっちゃんトイレも平気です。未だに中を覗こうとするので「中まで見んでよろし」と言っていますが。そんな娘が今回言いました。

「なんで、みんな自然の中でキャンプがしたいのに、あんなもので寝るの?」と。

娘が言う「あんなの」とは、これのこと。

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前方にはプロパンタンクを装備しており、電気もお湯も使えますし、トイレもあります。発電機も合わせて持って行けば、更に快適なキャンプを過ごす事が出来る優れもの!今回も多くの人が、このキャンパーで寝泊まりしていました。こんなホテルのような物を自然の中に無理矢理持ち込んでまでキャンプをしたいんだな・・・・。人間の考える「自然への愛」とは、やっぱり少し身勝手なのかも知れない・・・・そんなことも考えるきっかけになった今回のキャンプでした。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

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