見出し画像

祇園祭のハイビスカス?


今日は祇園祭でのお話をしましょう。


祇園祭というと宵山、宵々山、山鉾巡行等に目が行きますが、7月の約1ヶ月間に渡って行われる八坂神社の祭礼のことをいいます。たくさんの祭事が行われるのですが、そのうちのひとつが献茶祭で祇園祭の安全と茶道の発展を祈願して濃茶を点てて神前にお供えする、というもの。境内の近くには拝服席や副席も掛けられ、つまりお茶会もあるのです。


ある日のお稽古で、そろそろ梅雨明けが待ちどおしいねという話を友人としていたら、先生から《そうそう祇園祭のお茶会があるんやけど、二人で行ってきたらどう?》と言われ、その場にいた友人と二人で行くことになりました。まだ梅雨が明けておらず、梅雨末期特有の大雨がいつ降るかわからないような、じめじめしたお天気なので、友人と相談してワンピースで行くことに。


場所は祇園、花見小路の一力茶屋。この通りには友達の家(和食のお店)があり、何度か前を通ったことはあったので一力茶屋という名前も門構えも立派な塀も知っていましたが、中に入るのは初めて。『ここが一力さんかぁ〜』とワクワクです。


着物で来られている方が多いものの、ワタシたちのように洋服姿の方もちらほら。お運びは舞妓さんでした。暑い時期にもかかわらず、そんな素振りをちらりとも見せない舞妓さん、さすがです。お茶を頂いた後はお床とお道具の拝見です。掛け軸を拝見して、お花を拝見……ワタシたちはそこにあったお花の可愛らしさに思わず声をあげました。「わぁ〜キレイ! カワイイお花やねぇ〜」「ほんまや〜、ハイビスカスを使うこともあるのねぇ〜」と。


舞妓さんがお運びをしてくださるなかでお茶を頂き、お道具を拝見していたら、少し別世界感に行ってきたような感じで、外へ出てくるとなんだか元の世界に戻ってきたような、そんな感覚もありました。「あぁ、楽しかった〜。じゃあまたお稽古でね〜」と別れたワタシたち。その次にお稽古にうかがって、先生にお茶会でのことを申し上げるとなんとお席でのお花はハイビスカスではありませんでした。「あんたら、なんて恥ずかしいことを! 大きな声で! それも誰が聞いたはるかわからんところで。先に言うといたら良かったわ、ほんまにかなんなぁ……」と先生。


《え? あれ、違ったんだ……》ハイ、本当にすみません。もの知らずで……。ワタシたちが恥ずかしげもなく大きな声で「わー、綺麗〜」と言いながら拝見していたそのお花は木槿(むくげ)というアオイ科のお花で夏の茶花としては外せないような、そんなお花でした。ハイビスカスも同じアオイ科の植物。花の形が似ているのでムクゲは「東洋のハイビスカス」と呼ばれることもあるようなのですが、とはいえ似ていても別ものなのは間違いありません。


祇園祭のお茶会は献茶祭に附随するもので表千家と裏千家が毎年交互に担当しているということを知ったのも後になってからでした。何も知らないで行って、本当に恥ずかしいというかもったいないことをしたというか……。と同時に貴重な機会を頂いたこと改めて有り難く、感謝しきりです。以来、夏のお席でよく使われるハイビスカスに似たそのお花が木槿だということもしっかり頭に入りました。木槿を見る度にこの時のことを思い出します。



今日もお読みくださりありがとうございました。スキやフォローが励みになります❗️



☆見出しの写真は、みんなのフォトギャラリーからお借りしました。
ryokoyunokiさん、ありがとうございます!

最後まで読んでいただきありがとうございます。 よかったらまた遊びに来てくださいね。 スキやフォローしていただけたらとても嬉しいです。 頂いたサポートで良い記事を書いていきたいと思っています。 どうぞよろしくお願いします。