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忘れ物を取れないこともあるけれど、オリンピック後に続く人生を見たい

「忘れ物を取りに来た」
そういってオリンピックに出場する選手がいる。

「高木美帆選手は前回、個人の金メダルを取れなかったんですね。だから今回は、忘れ物を取りに来たということですね」とテレビで解説者はいう。

スピードスケートの高木美帆さんは、前回平昌オリンピックの1500メートルで銀メダル。
パシュートという3人の団体追い抜き(パシュート)レースで金メダルはとったが。
世界記録保持者でありながら、今回も1500メートルでは銀。

悔しそうな表情。

でも、思いもよらず500メートルで銀メダル。

忘れ物を取ったのではなく、新しく得るものがあった。


ジャンプの高梨沙羅選手には、つらいオリンピックとなった。
2014年のソチでは「沙羅選手のための大会」とまでいわれていた。
ワールドカップでは、連勝に次ぐ連勝で。

でも銅メダルに手が届かない4位。

平昌では、銅メダル。

高梨沙羅選手はワールドカップ通算記録は61勝、167回の出場のうち、110回も表彰台に上るという男女を通して歴代最多記録を持っている。

銅メダルを取っているけれど、記録から見たら周囲も本人も「もっと・・・」と思ったろう。

今回のオリンピックでも4位。
あと一歩、メダルに手が届かなかった。

そして男女混合団体ジャンプでは、「スーツ規定違反」に。
「いつもと測り方が違った」「その前はOKだったのに、なぜ」
各国から怒りと困惑の声が上がっているのは、ご存じのことと思う。

沙羅選手は黒い画像とともに、悲しみの発言をインスタグラムに投稿している。
「日本チーム皆んなのメダルのチャンスを奪ってしまったこと、そして、今までチームを応援してくださった皆様、そこに携わり支えて下さった皆様を深く失望させる結果となってしまった事、誠に申し訳ありませんでした。
私の失格のせいで皆んなの人生を変えてしまったことは変わりようのない事実です。(インスタグラムより)

https://www.instagram.com/p/CZt8gRQvH_I/?utm_source=ig_embed&ig_rid=7eff635a-6f1f-4493-ad2c-7e2eddccf7b3

忘れ物をとれなかった・・・。


忘れ物。

人生にはたくさんある。

私にもたくさんある。

取り返せるものもあるかもしれないけれど、取り戻せないものもある。

取り戻せないものの方が大きいかもしれない。


人生は続く。

スポーツ選手は、オリンピックに出場すると「オリンピアン」と呼ばれ、メダルを取ると「メダリスト」と呼ばれる。

大きなキャリアとなり、確かにその後の人生を変えるものだろう、と思う。

でも、そこでは終わらない。

メダルを取らなくても、オリンピックに出なくても。

そこまでの努力、視点、練習、体力、メンタル。
周囲を見る力や、悔しさも。

あなたをつくっている。

私は金メダリストだけを見たいのでは、ない。

まっすぐ進んでいる、努力し続けたあなたを見たい。

忘れ物は、今回は取れなくても。

いつか、取り戻せるかも、しれない。

そう願っている。


忘れものだらけの人生を歩いている私が、いえることではないのですが。
息子への育児も、忘れものだらけで。

でも、誰にでも人生は続く。

明日がある。

自分に言い聞かせて。

※写真は札幌の大倉山のジャンプ台です。


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