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牧凌太が幸せになれない世界など存在価値もない

ネタバレ注意:このnoteは『劇場版おっさんずラブ LOVE or DEAD』のネタバレを含みます。ネタバレ踏みたくない方は絶対に読まないでくださいね。

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拝啓、牧凌太様

劇場版おっさんずラブを、公開初日に観てきた。そして八月末までに合計三回観た。私は連続ドラマよりのファンである。DVDも初回限定盤を購入したぐらいのファンである。そして何より牧凌太強火担過激派である。牧を苦しめるものは絶対に許さないし、牧が笑顔になれない世界など絶対に認めない。もしそんなものが生まれでもするならば、私はそんな世界破壊してやる。牧が幸せになれない世界など存在価値もない。

さっそく映画を見た感想を述べるとすれば、「ホッとした」。その一言に尽きる。

嗚呼、牧よ。良かった。本当に良かった。

春田に会いにわざわざ香港に行っちゃうし、何ならニコニコと「ニーハオ」なんて牧らしくない、ちょっと浮かれた挨拶しちゃうぐらい春田に会うのを楽しみにしてた矢先にあんな疑わしい場面に遭遇してしまうし、夢に向かって仕事に打ち込めば打ち込むほど春田の嫌な部分が目についてしまうし。すれ違って、イライラして、どんどん、どんどん綻んで崩れてきて。

花火大会だって、あんな不安げに春田を待っていて。「春田が来る」という確信が、あの時の牧にはなかった。

牧と付き合い始めたときに周りの目を気にしまくってたあの春田から手を繋いで、同じ花火を見上げて、同じ食べ物共有して、幸せそうな、そう、私が見たかった笑顔がそこにはあったのに。ついには完全に壊れてしまった。私が見たくなかった牧の、あの怖いほどに美しい瞳からこぼれ落ちる、怖いほどに美しい涙が、どうしようもなく心臓をつんざいた。嫌だよ、こんなの。牧は春田の横で幸せになんなきゃいけないんだよ。なぁ、二人だって、本当はお互いにそれを望んでるじゃないか。

…まさか、ジャスティスがそういう立ち位置だったとは。恋敵とかマジでいらん!キラキラネームは引っ込んでろ!とか思っちゃってごめん。

彼はこの世界の“正義”。
その“正義”とは、「大切な人に、言葉で、本当のきもちを伝える」ということ。

普通の不動産屋さんが犯罪グループの監禁と爆破に対峙なんて冷静に考えたら超ド級のトンデモ展開なのに、私は泣いていた。それはきっと、たぶん、画面の中にいた全員が本気だったから。本気で生きよう、愛そう、伝えようとしていたから。“カッコイイ救出劇”なんてものじゃない。全然スマートじゃないし、華麗じゃないし、とにかく必死だった。部長のアイルビーバックの後、牧が壁突き破るところとか。全然カッコよくない。でも、それが美しかった。共に生きるために助け合っていた。お互いに支え、支えられていた。そう、本当の意味で、愛し合っていた。

この映画は、“愛し合うとは何か”を問うている。特に牧に対して

カッコ悪いとこも全部見せ合えるのが、本当の愛じゃねぇのかよ!

牧は甘えていたんだ。言葉にしなくたって伝わるはずだ、って。それを部長は「かまってヒロイン爆・誕!!!」と気持ちいいぐらいに綺麗にぶった切り、そして上のセリフである。至言だ。命題だ。これが全てだ。嫉妬を認められず強がって思ってもないことを口にした春田も悪いし、自分の本音をちゃんと言葉にしなかった牧も悪い。

「死んでも牧と一緒にいたい」
「俺も、春田さんじゃなきゃ嫌だ」

嗚呼、本当のきもちを伝えあうって、なんて情けなくて、清くて、恥ずかしくて、尊くて、醜くて、美しいんだろう。とっても難しいけど、“本物のきもち”を見せなければ、“本物の信頼”なんて生まれやしないんだ。男同士の恋愛関係だからとか、年の差カップルだからとか、そんなの全部全部関係ないんだ。人間と人間が相対したとき、お互いが大切であればあるほど、そこに“本物の言葉”が必ずなければならないんだ。

花火大会に行く約束をしたあの帰り道。牧と春田はじゃあ、と言って別れた後、二人とも一度振り返ってお互いの姿を確認した。

でも、一番最後のシーン。シンガポールに旅立つ牧と日本に残る春田、二人はじゃあ、と別れた後、一度は立ち止まるが、振り返ることはなかった。

そう、本物の言葉によって本物のきもちを伝えあったから。お互いに本物の信頼をもって、背中をあずけ合える。振り返って互いの存在を確かめなければ不安でならない、そんな脆い関係ではもうなくなった。

二人とも本当に不器用だ。確かに愛しあってるのにさ、ここまでずいぶん遠回りして。でも、きっと二人が永遠に幸福であるためには、言葉にして伝え合うという正義を知る必要があったんだろうね。嗚呼、牧よ、良かった。本当に良かった。春田に見せるあなたの笑顔は世界一、いや宇宙一愛らしい。やっぱり牧が「春田の隣で」幸せになれない世界など、存在価値もない。

好きなシーンと個人的考察?の羅列

・タイトル出るところの、連ドラ名シーン集で普通に泣く
・ジーニアス7お披露目時の紹介映像かっこよすぎ
・不憫がちな武川主任、再びの脚壁ドン~~~!あなたも幸せになってくれ、マジで!
・ブーケトスで花束勝ち取った部長の背景がハート型のボケで満たされてたから…これは、新しい恋、始まりの合図…?
・混沌のサウナバトルシーンやばみ(笑)
・牧と見る花火は「すっっっげぇ綺麗」だけど牧と別れた後見る花火は「全然綺麗じゃねぇよ」
・ジャスティス一人で花火来てたみたいだけど…家族との思い出があの花火大会にはあるのだろうか…?
・連続ドラマは「はるたんが俺をシンデレラにした」、映画は「俺がはるぽんを白雪姫にする」
・人工呼吸しようとするところの部長の「一回だけ」死ぬほど笑う
・「狸穴(まみあな)」と「たぬき(=狸)そば」
・牧とちずの友情なんかめっちゃ好き…良き…
・マロの前髪(マロの前髪)
・誠意大将軍でいきます!#とは
・おっさんずラブスタッフは牧の目をキラキラ輝かせることに命を賭けているとしか思えない(拍手喝采)
・自分なりの夢を抱くことができた春田、成長したね
・炎の中で春田に自分の想いを言葉で伝えるときの牧、春田と繋いでるのとは逆の手でめちゃくちゃパンツの裾握ってて、めちゃくちゃ勇気振り絞ったんだな、と(滝涙)
・下の名前で呼び合う二人初々しすぎやんお布施しよ
つか春田、牧のことめっちゃ好きやん
牧指輪してるやん!!!!!(二回目に気づいた)
春田も指輪してるやん!!!!!!(三回目に気づいた)
・あ!??!?!香港で買った指輪は婚約指輪、最後に二人がしてた指輪は結婚指輪ってことか!!!!!!!(落ち着きましょう)
・オフィシャル本ようやく手に入れた。合言葉は“94ページの右下”

こんな多幸感得られる麻薬みたいな映画が2000円弱で見られるなんて、実質無料では?DVDになったら絶対買いますので、絶対作ってください。どんな値段付けられても実質無料なので。公式さん、よろしくお願いします。

林遣都さん、“牧凌太”であってくれてありがとう。田中圭さん、“春田創一”であってくれてありがとう。

おっさんずラブに会えてよかった!


  

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