ヤングケアラーとJW

最近よくヤングケアラーという単語を目にします。
障害や病気がある家族の手助けをしている子供のことです。家事だけではなく、介護や兄弟の世話、労働する事まであります。

私は母親がうつ病で寝たきりだった為、
家事は姉と分担していました。
姉の方が下校時間が遅いのと、
姉がせずにいると私が怒られるので、
掃除、洗濯、片付け、炊飯をしていました。


小学校低学年にして冬場の手は
赤切れしていて、当時は皆の
ツルツルでふっくらした手指が羨ましかったです。
また、赤切れの対処方法すら
知らない年齢で
親すらも私の手の赤切れなんて
気にも止めてませんでした。

こうやって新しい概念や単語がうまれて
そこでようやく自分の幼少期にいた世界は
やはり歪で異常だったんだ、と
少し安心感を覚えるのです。

あの時に私が感じていた感情は
間違ってなかったんだ、
私は辛い環境に置かれてたんだ、と。

JW2世の中でもヤングケアラーな方を
たまにTwitterでお見かけします。
私はJW2世である事を強制している時点で
虐待だと思っているので、
親の言うことを聞かない=サタン(悪魔)に取り憑かれている、
という考えの元で躾を行う事は
更に子供の心を傷つけています。

親の信仰心のために
駒のように子供を扱う事に
何一つ疑問も罪悪感も抱かない。
子供の心はどんどん歪んでいって
私の様にもう手の施しようがないまで
傷付けられるんです。

家事を強要する狂信的なJWの親は
あきらかに現実検討能力に欠けていて
一見社会性は保たれているかの様に見えますが
家族の一員であり、子供を養育する立場より
神への信仰心を証明する事にばかり熱心な点で
私は社会性に欠けていていると思います。

私からすれば妄想となんら変わりありません。
非現実的な事を信じて疑わず、
他人にもその事を訴え続けるって
精神疾患の症状ではないですか。

診断名は付かないでしょうが、
JW2世は家族のため犠牲になっている点で
十分にヤングケアラーであると思います。

ヤングケアラーとなって問題となるのは、
子供として適切な療育をされない事です。
気づけば子供が親の精神的な保護者となって
話を聞き、時には励まし、慰めます。

ただ、それを成熟していない
親の庇護下にいる年齢の子供が
その責任を負わされているのです。

子供からすると親という存在は唯一無二です。
見放されたくない、見放したくない、
可哀想、助けたい、そばに居たい。
子供の純粋な優しさにつけ込んで
弱っている時は甘えて
普段は親として物事を強要する。

誰かに守ってもらえる、無条件で愛される、
自分の存在を認めて気にかけてくれる、
そんな生きる上で、人格を形成する上で、
土台となる重要な安心感や自己認識を
与えられる間もなく、
手探りで親や家族を守る立場に立たされる。

大人になってしまった私たちには
想像も付かない絶望感や孤独感、
親を喜ばせられない自己への罪悪感、
たくさんの痛い気持ちを抱えて
生きていかねばならなくなります。

大人になれば、たくさんの人に出会い
ある程度の人間関係における法則を
見つける事も、自分の判断能力に
自信を持つ事もできます。

いわば、自分を守るために
相手を切り捨てる事ができるのです。

でも、子供は家族や親を切り捨てるという選択肢はありません。
そもそも、そんな選択肢がある事すら
知らないような年齢なのです。
そして、親を守るために
自分の痛さに蓋をして犠牲となります。


ただ普通に、子供らしく
欲しい物をおねだりして
沢山写真を撮ってくれて
ハグやキス、言葉で愛情表現をしてくれて
怖い夢をみたら親の暖かさに包まれて眠って
いい事をしたら沢山褒めてもらって
少しでも体調を崩せば
親が心配そうにしていつもより甘やかしてくれて
誕生日やクリスマスなど
楽しい事をいっぱい経験する。

ただそれだけの事しか望んでないのに、
ただ他の子と同じことをして欲しいだけなのに。

子供として生きられないまま
周囲から大人と仕立てあげられて
時の流れで更に過酷な世界へ放り出される。


もしヤングケアラーだった方や
ヤングケアラーを見かけたら
沢山沢山褒めて甘やかしてあげて下さい。
小さな主張はきちんと反応してあげて下さい。

私は親ではない人が
そうしてくれたお陰で
今も死なずに生きています。


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