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1人でなんでもできる、1人ではできない。

1人でなんでもやってきたのにIKEAの棚は1人では組み立てられなかった。
結局2日かかって棚として機能するようになったが、最初の晩に組み立てた際は、脚が3本しかつかず、ネジはハマらず、深夜2時ごろ組み立てを諦めた。そこに至るまでの出来事を綴る。

①イギリスへの帰省

12月中旬から1月半ばまでイギリス・オランダにいた。主な理由は帰省・遠距離恋愛中の彼を訪問、仕事の3つのため。日本に引っ越しをしてきて1年と少しぶりに降り立ったイギリスは相変わらずでありながら、少し変わっていて、こうやって居ないうちにどんどん街は変わっていくんだなと実感した。

イギリスは、私にとって帰る場所。愛する全てがイギリスに詰まってる。家族もいるし、彼もいるし、友人もいる。行きつけのパブもあるし、訪ねるとみんなに「おかえり〜!」と言ってもらえる元職場もある。地元ではないけど、イギリスは私が帰ってホッとする場所だ。

オランダは、観光兼仕事のために訪ねた。初めてのオランダだったが、せっかくヨーロッパにいるのだからと春から個展をさせていただくアーティストを訪ねた。アーティストのスタジオを訪ね、個展で出展する作品を選んできた。世界を股にかける仕事をしてる感がすごいあるけど、そんなことはない。ただ行って帰ってきただけに過ぎない。

帰国した日、時刻は21過ぎ。上司が取ってくれたホテルにチェックインした。私はすぐに荷物を小さい部屋で詰め直し、コインランドリーで洗濯を回し、大きな荷物は京都に送り、翌朝8時の便で仕事のため沖縄に行った。いわゆる、現地集合出張だ。国内でも国外でもいつも1人で大丈夫だよね?と現地までは1人で行くことが多い。現地で上司と集合し、現地で解散して帰ってくる。

1人で私はなんでもできるんだと思う。思ってた。日本に引っ越しして来た時も全部1人で家の手続き、仕事、なんだって1人でできてきた。

②イギリスと一旦別れ、オランダ、沖縄へ立ち寄って、やっと京都に帰ってきた。


家が空っぽで寂しいなとドアを開けた瞬間に思った。COZYではない感じ。実家にある温もりみたいなのが私の部屋にはない。

温もりのない家になってしまった理由は明快だ。京都を心地よくしてしまうとイギリスに帰れなくなってしまう不安で必要最低限でしか買い揃えてこなかった。

ここに長くいるつもりはない、また引っ越すときに楽なように。

いつも頭の片隅にあるこの言葉が邪魔をする。

その日の夜、IKEAの棚を二つ買った。部屋の模様替えもした。
もう少し家を暖かい場所にしようという試みだ。

③IKEAの棚は1人では組み立てられない。

組み立ては仕事を終えて帰宅した20時過ぎから始めた。ちゃっかりずっと食べたかったマクドナルドのハンバーガーを床で食べながら。

全く同じ棚を二つ買った。二つともネジがはまらない。
4時間ほど戦って、震度1の地震でペシャンコになってもおかしくない、風が吹いただけでもペシャンコになるだろうと思えるくらいグラグラの棚が1つ。もう一つは3本しか脚がつかなかった。

なんでも1人でやってきた。
1人でできないこともあるんだなと思いながら泣いた。

私はすぐ泣く。もう26歳なのに。
悔しいと泣いてしまう。

同じ棚を買った人の組み立て動画やブログをみてもみんなすんなり組み立てられているようだった。

絶望感。その日は寝た。

次の日も同じ時間から再び始めた。
ネジがはまらないところもあったが脚はついたし、グラつきがなくなったのでもうこれでいいやと諦めた。時刻は深夜3時だった。

でも棚を置いたおかげで部屋が部屋らしくなった。それでいいの。

④まとめ

1人でなんでもできると思ってたが、IKEAは1人ではできなかった。
1人できないことがあってもいいや。1人で全部しなくていいや。
次回は誰かに頼りたいと思う。

私が買った棚はこちら。

後日レビューを見てると、みんな苦戦してた。

なんだ、仲間がいるじゃない。


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