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逆説1:バームクーヘンと和ろうそくの作り方にコミュニティデザインを学ぶ

かつて、議論メシには分科会という失敗がありました。

分科会は、メンバーの興味領域ごとにFacebookグループというを用意し、そこに誰でも参加できますよ、というコミュニティ内コミュニティ

テーマは「地域活性」「トークン」「子育て」「コミュニティ」「HR」などなど、多様なテーマで分科会が用意されていきました。

しかし、です。

同じ興味を持っている人をドカッとに入れたらアクティブになるのではないか?と考えて作った分科会ですが、その目論見は外れ、全く盛り上がりませんでした。

議論メシのコミュニティデザインにおいて最も学びの大きかった失敗の1つですね。

なんとなく共通の興味がある人を集めるだけでは、何も起きないのです。しかもそれがオンラインのコミュニティだと、振る舞い方がよくわからない。心理的ハードルがあるせいで、なかなか自律的なアクションにつながらない。

なぜ盛り上がらなかったのか?それはとなる人がいなかったからだと、今になって思います。

核の重要性を物語る、こちらの動画をご覧ください。

コミュニティデザインの界隈では有名な動画です。

クレイジーな1人目がいて、その人に乗っかる人(フォロワー)が出てくることで、熱狂が広まっていく。

この動画ではフォロワーの存在に注目していますが、私は最初の1人の存在に注目しました。

あたりまえのことですが、熱狂が生まれるにはとなる存在が必要なのです。分科会のようなではなく。

型ではなく核をベースにしたコミュニティデザイン

コミュニティを作るには、誰かしらがそのテーマについて狂っている必要がある。そういう人はコミュニティの有無に関わらずすでに動き出しているものです。

自ら熱狂できる人。そんな人をにしたコミュニティデザインをするのがコツなのです。

そして、「この人めっちゃ面白い!」「わたしも同じくらい熱狂したい!」と感じた人がそこに集まってきて、手渡しで熱を受け取っていく。そうして熱狂が伝播していけば、コミュニティは自ずと動き出すのだと思います。

そう考えると、テーマを中心にしたコミュニティデザインのコツは、そういった

となる人をメンバーのなかから発見する
②その人がやりたいようにやれる状況を作る

ことかもしれません。

①については、コミュニティのオーナー自体がになるか、あるいはオーナー以上に熱狂している人が身近にいるなら、ペアを組んで一緒にやろうと誘ってみるのもいいでしょう。

②については、金銭的な補助や、集客のサポートなどが挙げられます。

議論メシもそうだった

ではなく」というコミュニティデザインの方針は、議論メシを立ち上げるときにも意識していたことです。

最初に集めた0期メンバー8人は、になる存在。なので、とても慎重に選びました。そして、その人達をにして、議論メシは徐々にクチコミで人が増えていったのです。

コミュニティデザイン全体は核から始まったのに、コミュニティ内コミュニティである分科会では型から始めてしまった。核が無い状態でスタートしたのだから、盛り上がらなくて当然です。

これが、分科会の失敗の原因だったのです。

バームクーヘンと和ろうそくの共通点

記事タイトルの回収がだいぶ遅れてしまいましたw

記事の最後に、を中心にすえたコミュニティデザインを考えるときに必要な観点を、ものに例えてご説明します。

バームクーヘンの作り方をご存知でしょうか?店頭で焼き上げる様子を見たことがあるかもしれません。中心に(この場合は芯と呼んだほうがいいですが)となる棒があり、その周りに生地を塗りながら遠火で焼いていくのです。

その層が焼き上がったらまたその外側にもう1層塗り重ね、同じように焼いていきます。決して急いで層を厚くしてはいけません。少しずつやらないと、内側が生焼けになって崩れてしまいます。

和ろうそくもこれに似た作り方があります。中心に(これも芯と呼ぶべき)となる竹串とそこに巻き付けた和紙があり、ここに溶かしたロウをつけては乾かし、つけては乾かしを繰り返していくのです。これも急いでやると形が崩れてしまいます。

余談ですが、洋ろうそくは型にろうを流し込んで固めて作られます。

コミュニティも、バームクーヘンや和ろうそくと同じ。

まずはがあり、その周りに人が集まり、少しずつできあがっていくものです。を作ってカタチから入ると、作ることはできても、その後の熱狂は起きません。生焼けのバームクーヘン状態で、ダラダラと惰性で続けることになりかねない。

だから、コミュニティ作りは急がない。少しずつ火を通していきましょう。

急いては事を仕損じるとはよく言ったものです。

この「急いではいけない」という観点についてはまた別の角度からお話してみたいと思います。テーマは「ルールと文化は補完関係」になると思います。お楽しみに。

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