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【国連での仕事を選んだきっかけ】どこで働くかより、何をするか

知人を通じて、日本の大学で国際関係学部の授業にオンラインでの講演を頼まれ、自分の仕事の話や、国連や国際協力の分野で働くためのアドバイス的なことも話した。オンラインだと反応が見づらいのでためになったか不安はあるがアンケートや先生からの反応だと満足してもらえたようだ。

さすが国際関係学部の学生さんだけあって鋭い質問が多く、時間の関係で講演中に拾えなかった質問がいくつかあって、Noteで回答すると伝えてあったので、見てくれるかはわからないが、何回かに分けて回答していく。

「今の仕事を選んだきっかけはなんですか?」

この質問が国連の今のポストを選んだきっかけなのか、国連で働くことを選んだきっかけなのかはわからないけど、前者であれば答えは簡単。ポストが取れたから。国連で働く人はほとんどの人が2-3年でポストを変えて、自分で契約を取りに行く。国連機関によっては日本の人事に近い形で異動もあるが、それでも自分で組織内のポストに応募していく。

僕のいる機関では常に一般公募なので自分で応募していってポストを取らないといけない。もちろんすで中にいる人の方が、元上司から推薦されたり、内情を知っているので有利ではある。契約期間が終わったら失職する危機にあるので、人によっては年中応募書類を書いている人もいる。行きたいポストに行けるとは限らないのだ。僕はまあ割と自分の行きたい所に行けているのでラッキーと言えばラッキーだし、比較的競争が少ない分野というのもある。

ではなぜ国連を選んだか?もともと海外の貧困などに興味があって青年海外協力隊などに行っていたから、国連で働くことに関心はあった。それは野球少年がメジャーを目指したり、サッカー少年がレアルマドリードでプレーすることを夢見たりするのと似たような漠然としたものだったの。

実は国連で働きたければちゃんとしたモデルコースがあって、自分の関心事を絡めてモデルコースに乗っかれば(そして自分に投資するお金があれば)実は国連はそこまで遠い夢ではないのだが、田舎の出身で英語すら大してできなかった僕にとっては、今ほど簡単に情報を集めることもできなかったこともあり、遠い存在ではあった。大学卒業後日本で国際開発系大学院に進んだが、末端の学生で笑、学生生活を楽しみすぎたため、まさか自分が国連にいくとは思っても見なかった。でも現在国連で働いている同級生は知る限りでは僕の他にいないので、当時はそれくらい距離があったのかもしれない。

それほど深い計画もなく、せっかく国際協力分野で働くんだから国連行きたいよね、みたいなミーハーな夢は心の片隅にはあったので、民間やJICAで働きだしてから、JPO試験(35歳までを対象とした日本政府推薦のポスト用試験)をなんとなく難民支援の機関で受けてきたけど当然のように面接でうまくいかず落とされた。

難民支援も興味があったけど縁がなかったなって思い、平和構築の仕事を続けていくうちに運よく今の組織でポストが獲れた。中に入ってみて、そりゃ難民支援の方は受からないよなって思った。バックグラウンドも違うし難民支援で自分が役に立てるようなヴィジョンもなかった。難民支援の勉強してそういうNGOで働いてきている人に対して失礼だよなとあとから思った。

というわけで何となく憧れみたいのはあったけどそこまで入るための努力もしてなかったが、平和構築という分野で働き、その仕事にやりがいを感じ、アフリカで働くことを楽しんでいたら、運よく入れちゃったって言うところだろうか。

ただ、若いうちから本気で国連で働くことを考えている人、フィールドではなく本部や事務局で働きたい人はこういうキャリアは参考にしないことをお勧めする。一つ言えることは国連で働くことを目標としたときは国連には入れず、こういう仕事がしたいというヴィジョンがはっきりし、やりたい仕事ができたときに入れたってことなので、もし国連に入りたいという人がいたら、実際にどんな仕事がしたいのかをはっきりし、それに応じたキャリアを作るほうが良いということかな。どこで働くかより、何をするか。

あまり答えになってない気がするが、僕は結構目の前に出されたチャンスに楽しそうと思ったら飛びつくタイプで、あまり将来これがしたいというものが無いタイプだし、国連に入れるかは自分の行きたいポストにタイミングよく空きが出て、そこに受かることができるかという割と運ゲーなところがあるので、あまり大きなきっかけがあったわけではないというのが結論かな。こんな僕でも入れたので、今の若い人にとっては実はそこまで狭き門ではないと思う。





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