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見えない時間を見せるデザイン

アプリケーションにおける時間の表現はさまざまであり、人間の欲求と、置かれている状況を常に意識してデザインすることが求められる。

DBに入っているからと言って日付をそのままYYYY/MM/DDで出すということは、冷蔵庫に入っているトマトを洗わずに食卓にのせるようなものだ。

時間は目に見えない

時間というのは、人間が勝手に決めた決まりごとである。人類が平和に暮らすために明示的にした、ただの共通認識だ。

「期限」の見せ方

「期限」を知りたい時、時刻は重要でなく、自分がいま何をするべきか、与えられた時間がどのぐらいか、ではないだろうか。

何日何時何分までが期限です、と言われても人間は、今日が何日なのか、記憶を更新し続けるのは面倒なものだ。
日付は、毎日変わる。毎日変わる日付を毎日調べ続けるのは、未来から見たらひどい体験である。

その表示が「期限である」と断定できるならば、あと何日何時間です、という見せ方の方が適している。
また、達成できないとどうなるのかを明示すれば、さらに優しい。

Instagramにおける時間の表現

下記の比較を見ると、Instagramのデザイナーはおそらく人間の時間の認知を意識してデザインしている。

「瞬間」と「記憶」と「記録」
Instagramでは1時間以内であれば「X分前」、1日以内であれば「X時間」、1週間以内は「X日前」、ちょうど1週間なら「1週間前」、それより古いものはMM/DD形式になっている。
「リアルタイムを共有すること」と、「それが自然に思い出になり、過去の記録となって行く」、という人間の「時間」に対する感じ方を上手に表現した見せ方であると思う。
Instagramほど多数の国で使われているアプリでこれが出来るのはすごいことだ。時間の認知は国によってさまざまであるから。

「見えないけど重要」な概念に対して

とくに「時間」や「金額」など、目には見えないが人間の生活にとって重要な概念を扱うときは、ユーザーの欲求を起点にして、慎重に見せ方を考えるべきだ。

参照:
Icons designed by Good Ware from Flaticon
Header texts quoted from by "The Variable" from "Lost"
StackExchange : How to display date and time

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