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2021年中国年間自動車販売台数ランキング+解説

セダン編

No.1 日産 シルフィ  51.3万台

英語:SYLPHY 中国語:日产轩逸
人民元 9.98-17.49万

(出所:NISSAN)

2019年の上海ショーでお披露目された新型シルフィは「力強く自信に満ち溢れる(Vigorous/Confidence)」と、「鋭敏で躍動感のある(Lean/Dynamic)」をキーワードにデザインされました。

https://www.nissan-global.com/JP/DESIGN/NISSAN/DESIGNWORKS/PRODUCTIONCAR/SYLPHY/

 「日産 シルフィ」は、今年も年間50万台以上の販売台数を誇り、トップを維持しています。 安定したパワートレインだけではなく、スポーティなスタイリングと快適な乗り心地が、中国人の美意識に合う「外柔内剛」(外見は穏やかでもの柔らか)の感じを生み出す。 昨年末には、シルフィのe-powerモデルも正式に発売され、新エネルギー車の分野にも総合的な攻防が繰り広げられ、来年はまたリードするかなと推測されている。

No.2 上海VW  ラヴィーダ 43.2万台

英語:Lavida  中国語:上汽大众朗逸
人民元 9.99-15.89万

(出所:VW)

ラヴィダ(LAVIDA)は、2008年にデビュー。『ゴルフ』をベースに開発された中国専用の4ドアセダン。2009年、フォルクスワーゲンと上海汽車の中国合弁、上海フォルクスワーゲンから現地に投入され、高い人気を維持。

https://response.jp/article/2018/04/25/308970.html

 上海VWラヴィダの成功には、それなりの理由がある。VWのエンブレム、外観はステレオタイプで保守的だが、いくつかの適切な技術があって、プラス中国の消費者がVWへの信頼(?信仰かも)。

 唯一書けるものとしては、「完全なチャイニーズ・スペシャルカー」中国の消費者に合わせて作ったモデルということです。VW直近のMQBプラットフォームを使わず、前世紀からのPQ34プラットフォームにこだわっているため、車に詳しい人を喜ばせるのは難しいかもしれない。

 個性がないというのは悪いことではありませんが、その個性のなさこそがラヴィダの最大の特徴。 褒める方法も見つからないし、批判する方法も見つからない( ´∀` )。

No.3 格安EV「五菱・宏光ミニEV」39.5万台

英語:HongGuang Mini EV 中国語:宏光MINI EV
人民元:2.88-4.86万

(出所:上汽通用五菱)
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 中国EV車市場で売上ナンバーワンは無理はないが、 まさか全市場でもトップ3に入るとは思わなかった。年間販売台数が40万台近くになったということは、MINI EVがEVとして性能がいいかどうかは別として、少なくとも市場の需要をちゃんと把握して成功したといえるだろう。同業他社がEV技術(モーター、バッテリー、電気制御)に苦戦している中、MINI EVは「安さ」を選択して、市場の空白を狙って売上を確保した。

SUV編

No.1 長城汽車 ハヴァルH6 35.2万台

英語:Haval H6 Hybrid, 中国語:哈弗 H6
人民元:10~15.7万

(出所:長城汽車)

 長城汽車は純粋ローカルカーメーカである。 ハヴァルH6は長年にわたって中国SUV市場のトップを維持している。理由はすごく簡単で、まず外観的には悪くない、そして性能が良くてコスパ高い。
 ハヴァルH6は最初から「国民のSUV」を狙っている。なぜなら、10年前中国人は外車や合弁会社の車し買わず、国産車に非常に不信感を持っていたからだ。当時車の購入は今ほど通常のことではなかった、家庭にとって大きな出費であった。「せっかくなのに、買うならいいやつ買いたいね。」という考え方が多い。こんな最初から消費者に疑問を持たれているのに、どうやって商品を売るのか?売る前にまず「試してみよう」という気持ちを持たせることです。クラシックなクロームめっきの大型グリルがあって、外観は外車にそれほど負けてないし、価格を消費者の予想より低く設定すれば、「試してみる」と思う人が出てくるでしょう。

No.2 長安汽車 CS75 27.4万台

人民元:11~15万

(出所:長安汽車)

 トップ2になるのは、国産車としてのコスパ高さは言うまでもない。ハヴァルH6に比べると、CS75 PLUSはスポーティに設計されており、若い客層を狙っている。
 とくに、多くのモデルが低コストのデュアルクラッチトランスミッションを採用している中、長安CS75PLUSでは6/8ATトランスミッションを採用している。この2つとも、長安汽車の「蓝鲸(Blue Whale)」シリーズという自社開発エンジンであり、品質と出力性能が優れており、3年連続で「中国心(China Heart)」のトップ10エンジン賞を受賞している。
 もう一つの理由は、CS75 PLUSは衝突安全性が高いこと。2019年中国C-IASI衝突試験では、一位で満点を獲得した。ちなみにトヨタカローラは二位だった。(C-IASI衝突試験は、中国保険協会が様々なブランドの異なるモデル間の安全性の違いをテストし、保険会社にデータの参考を提供するために使用されている。)

No.3 ホンダ CR-V 22.2万台

人民元:17~27.6万

(出所:本田)

   販売価格が基本20万元を超えるCR-Vは、数十万元のモデルと競争するのは少々難しいね。しかし、CR-Vは、安定した品質、優れた燃費性能、そしてブランド力の高さによって、SUV市場のロングセラーの地位を維持している。パワーと燃費を両立させた1.5T+CVTパワートレインで、パワーと燃費の両立が功を奏したことには間違いない。長城や長安汽車などのメーカーがまだハイブリッドモデルを開発中であるのに対し、CR-Vのハイブリッドモデルは、すでに成熟した技術を目に見える形で売上に結びつけている。

EV編

No.1 格安EV「五菱・宏光ミニEV」39.5万台

前文紹介したので、ここには割愛させていただきます。

No.2   BYD「QIN」(秦)

 人民元:13~17.4万

(出所:BYD)

 BYD Qinの販売が急速に伸びている理由は、簡単に言うと、コスパ高さとEVであること。
 中国では、「世界のハイブリッド技術は、トヨタの技術とそれ以外の2種類しかない」という説がある。 そのため、国産ハイブリッド車を楽観視している人は少ない。しかし、BYDのハイブリッド技術「DM-i」が量産されてからは、販売を後押しし、BYDのハイブリッド車が「どうでもいいハイブリッド」であるという印象を変えた。

No.3/4 テスラ モデルY 16.9万台, モデル3 15万台

Model Y 人民元:30.1~38.7万
Model 3    人民元:27.6~33.9万

(出所:テスラ)

 21年中国では、テスラに関するネガティブな報道が多かったので、みんな国産EVが大きく成長するじゃないかと推測していた。しかし、実際の販売台数から見れば、テスラの地位はゆるぎないものとなっているね。さらに驚いたことは、モデルYは1年経ってもあまり値下げしておらず、年末には値上げさえしていた。

(21年テスラ中国のネガティブなニュース↓↓↓)


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