今が楽しければいいじゃん♪
って言いながら嫌なことから目を背けて毎日をハッピーに生きる。

どうして人生は、そういうことを許してはくれないのか。

どんなに明るく楽しく見える人も、鋼の心を持っていそうな人だって、過去のどこかで傷付いた経験くらいあるはずだ。
自分にはそういう感情が無いのだと豪語する人ですら、そのことに対してなんだかんだ苦しんでいるじゃないか。

一度大きく傷ついたことを自覚してしまうと、それ以上傷口を深めたり増やしたりしないようにリスクを忌避するようになる。
でもそうやって安全な世界で生きたって、なんとなくの虚無感とか、問答無用で降ってくる人間関係のトラブルとか、そして避けようもない病気や大事な人の死とか…色々ある。

人は皆、自分だけが辛いとか卑屈になりがちだけれども、大概の人は多分、生きていくだけで結構つらい。

辛い事なんて、何もなければいいのに。
そう思うけれど、思わない。

幸せだけがある世界を想像してみる。
愚痴を言い合って共感しながら人と飲む時間とか、嫌な気持ちが塗り替えられた時の高揚感とか、そういうのも一緒に無くなるんでしょう？それって最悪に寂しい気がする。

しんどい事も人生の中ではまた一興！
そう綺麗に結論付けられれば良いんだけどね。なんか、なんだかなあ。ちょっと最近、ごちゃ混ぜで自分の気持ちが整理できずに、どうやって生きているのか分からないまま気が付いたら時間が過ぎている。

言葉の選択を間違えて、毎日電話していた家族から2週間話してもらえなくなった。嫌味混じりなメールはくれる。
毎日凄い眠くて、総睡眠時間は極端には少なくないはずなのに、1時間ごとに繰り返し悪夢にうなされて起きて、疲れが全然とれていない。
疲れをほぐそうと思って行った銀座のマッサージがやたらと痛くて、数日間、全身内出血だらけになった。
仕事も控えめに言って忙しい。発注したのに届かない商品、手配されていない資材、間に合うはずの無いスケジュール…今月の実質的な残業時間は100時間普通にオーバーするなあと思う。

なんか…今はちょっと冷静に自分の「今」を見られていないけれど、これがいつかの糧になれば良いと思ってる。

だから、突然休日だったはずの日にほぼ始発出発の仕事が入っても、私はそれを利用して朝マックを楽しんだりする。

マックってマカロン売ってたんだ～。
3種類あったうちの、とりあえず2種を。
バニラとチョコレート。シンプルに対比的な色の選択が、好きだ。

分厚くて堂々とした佇まい。

それでいてコロンとした可愛らしさもある。
マカロンは、だから良い。
もしかして、見た目がちょこっとハンバーガーみたいだからマックのスイーツメニューとして取り入れたとか、そういう意図なんだろうか、知らんけど。

ギュンムッと詰まった食感に、なかなかインパクトがある。
パティスリーで売られているような簡単に壊れゆく繊細な儚さの魅力とは異なる。パン屋さんで見られるような、わりとボリューミーな感じ。

チョコやバニラの分かりやすい風味に安心感がある。

マカロンってやっぱり比率としては女性の方が好むお菓子ではあると思うのだけれど、これは男性も一緒に「旨いな～」と笑いながら食べられるやつではなかろうか。などと考えながら、私は1人でじっくり味わう。

仕事終わり…というか終われなかったからカフェで続きをやる必要があったのだけれど、大好きなGODIVA cafeに行く。

コロネって久々。
小さい頃から慣れ親しんだ大好きなパンなのだけれど、やっぱり尻尾の方にはクリームが少なかったり…？といったこともあったりして、大人になったらなんとなく選ばないパンになっていた。

でも、ゴディバのコロネって人気と聞くし。
いよいよ注文したことのないメニューが少なくなってきたし。

"GODIVA"のロゴが入るだけで、高級感があるし、チョコの美味しさには凄く期待感が生まれる。

可愛い。

コーティングのチョコに重ねて削りチョコがあるところから、もうチョコに対する絶対的な拘りが見られる。
表面のチョコたちは、わりとビターめな味わいだろうか。
中のクリームもチョコなのだが、だいぶミルクな感じ。

このチョコ＋チョコ＋チョコ＋チョコ！みたいな複雑な厚みをもって、ふかふかの超分厚いパン生地に挑む。チョコの味わいが、シンプルなパンの中でしっかりと生きる。

量としては、それほどたっぷりチョコ、という感じでは無…い？？と思いきや、最後まで食べた時に、寧ろ後ろの穴からクリームがムニュっとはみ出すくらいだったので、多分嬉しい適量がこれなのだ。

「今」の正しい生き方が、ずっと分からない。
でもこういう、なんやかんや日常に溶け込ませた幸せタイムを人生のあらゆる地点に織り込んでいくことで、いつかに繋がれば良いかなあと思う。

今が楽しければいい、って
多分、そう言うことなのかなと願いながら、甘いチョコや大人の苦味のコーヒーを味わっている。