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チュッパチャップスの女になりたかった

我ながら生きるのが下手だなと思う。

致命的に何かが出来ないわけじゃない。
コミュ障などと言いながらも人付き合いも愛想も悪くないとは思うし。頭もコンプレックスにする程は悪く無いはずだ、…多分。

それでも人と関わることは怖いし、自己否定が身に染みてしまって卑屈な考えが常の脳裏をちらつくし、そうやって時間的にも精神的にも無駄に自分を追い詰めている感は否めない。

そういうことに息苦しさを感じながらも、ツンケンした反抗期を迎えることも叶わず、いい人の皮を被ったまま…いや待って、これで「え、君めっちゃ酷い人間よ?」なんて言われたら超恥ずかしいな……。許して…。

そんなこんなで。

チュッパチャップスを加えた女の子に憧れていた。
なんとなく、どうしようもなく何となく。
そこに抗えない社会の理不尽への小さな抵抗をそこに感じられる気がしたから、かもしれないし、そんな深い意味はなくて単純にカッコイイからなのかもしれない。

結局私はチュッパチャップスの少女にはなれなかったけれど、それを夢見させてくれる素敵なチョコに出会えた。

CANAL CAFE
シュセット

いや可愛い。めちゃくちゃ可愛い。ごめん変な前置きしたけど、憧れとかそういうことを無視しても全然可愛い。たしかサロショでもこんな感じの出てたよねえ。メリーのブランドでも、まとめて花束にする感じのあったし。類まれというわけではないのだけど、やっぱり珍しいタイプで、なんか惹かれちゃう。
可愛い。

色とりどりなところとか、本当にセンスが良い。
一本ずつでも買えるけど、こういうのはセットで買ってしまいたい。

 シトロン

ホワイトチョコの入り交じる甘〜い酸味。レモン系の好きな人にはたまらない色だし味わいだ。

かじると「中が空洞!?」ってくらい軽やかに割れて驚く。階段がもう一段あると思ったのに無くてカクンといくあの感じ。パリンッうおぁ???って感じ。

でも空洞なんかじゃ全然なくて。
中には飲めるトロトロのソースがたっぷりで、二重の驚きが楽しめる。

アプリコット

うわっ!
これは中身の上2/3がもっふりフワリとした柔らかクリームガナッシュ系。底にジュレらしいのが。

こういうお互いの親和性が強そうなお菓子って、食感や味わいの方向性はかなり似通ったものが多いのだけど。
全然違うなあ、楽しい。

使われているのは梅ワインゼリー。ホワイトクリームな甘みと凄く良い相性で。凄く可愛らしい、ちょっと大人びたテイストにうっとりする。

アールグレイ

パールの甘さ?たっぷり光る銀の粒たちのカリッと食感から弾け飛ぶ甘さに最初は翻弄されて。気が付けば口の中はアールグレイの茶葉の味わい。あれっ、いつの間に…。

紅茶を強調したようなエキスは、なるほど紅茶のリキュール。
ちょっと大人の、紅茶な甘さ。

カシス

真っ赤なカシスが滅茶苦茶たっぷり!!
ふふふ、断面カットをしたい気持ちをグッとこらえて…だって棒に刺さっているんだもの、上からバクリといきたい。

艶やかなトロリとは少し違う、もっと野性味ある自然いっぱいのジャムのような。ん~~、こういう舌触りの表現って難しい。
ザラザラとかモフモフなんて言うと美味しくなさそうだろうか。和菓子の滑らかさなんて、わりとそんな感じなんだけどね。

パリッとした厚めの甘いチョコからこの甘酸っぱさが飛び出すの本当にもう、凄く幸福感がある。

ところで全体が白だと、めだm…ゲフンゲフンッ
ハロウィンスイーツに登場してもおかしくなさそう。

ポムタタン

いかにも、名前から既に美味しい。

リンゴのお酒だ!!
甘くて柔らかで妖艶で上品な、大人びた甘さ。
もう…この5本を言い表すのに、「大人っぽい」という表現を何度も使ってしまう。大人ってなんだ…子供より子供してる大人だって沢山いるのに…。それでも、そんな風に感じてしまうのは、私にも大人の世界が見えるようになってきたからだろうか。

パリッとしたビターチョコと、モフッと存在感ある生チョコのようなガナッシュ。5本の中では、凄く安定したというか、シンプルな味わいだと思う。でも…それが凄く良い、最高だ。美味しい…美味しい…これは、上手く表現出来ないけど、美味しい…。



チュッパチャップスを食べて育たなかった私もこれでそういう少女の仲間入りを果たせるだろうか、なんて。多分違うけど。

わりと毎日、今日も凄くどうしようもなく私だったなあと落ち込む。
それでも、こういうチョコが待っていると、もうちょっと頑張ろうって気になるよなあ。だから美味しいものは凄いし、人はチュッパチャップスに憧れを抱く。

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