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そうだ、わたしは作家だった!(自己紹介 Part 2)


こんにちは、ショコラリスト®︎サユリです。

改めて、自己紹介Part 2です。

わたしはチョコレートプロフェッショナル®︎で、もとアパレルのプレスで、もと映画ライターでした。


チョコレートとファッションと映画は大好きで、得意ジャンルです。noteは最近デビューしたばかりですが、それにしても文章力や洞察力がすごいと思いませんか? 笑


自分でも文章を書くのは、息をするよりも簡単です。いつも頭の中に書きたいことが渦巻いています。それを整理して、アウトプットするだけなんです。


そうだ!
すっかりと忘れていましたが、わたしはもと作家でライターだったんです!
息をするよりも簡単過ぎたので、あえて自分を物書きだと紹介すらしませんでした。


忘れていたのは、息子という、わたしの人生を変えてしまった新しい命との出逢いがあったからです。


いまから20年前。
わたしは、とある文学賞に応募しました。
最終選考の前に、とある文芸評論家の方からお電話を頂きました。


「残念ながら、あなたの作品は最終候補に選ばれませんでした」


電話の向こうで、いかにも文藝関係者らしい知的な声が響きました。


その文学賞は3000編以上もの応募があるもので、まぁ、1/3000の確率での幸運も必要だったのです。


その人の声は続きました。


「でも、僕はあなたの作品こそが大賞に相応しいと出版社に訴えました。文書もセンスも良く、心に響いて忘れられない。ぜひ多くの人に読んでもらいたいと思い、お電話差し上げました」 


その方とは、銀座〈ピエール・マルコリーニ〉のサロン・ド・テでお会いしました。マルコリーニはちょうど日本初上陸したばかりで、銀座店もオープしたばかりでした。


お会いした方は、まさにザ・文藝評論家らしい出で立ちで、クラシカルな中折れ帽が、ハンフリー・ボガードのように似合っていました。ハードボイルド小説から抜け出てきたようなダンディズムが漂っていました。

その方とは、わたしの作品の講評はもちろん、作家論や文章論についても話が弾みました。大学でアメリカ文学を学んだわたしと同じように、雑誌〈ニューヨーカー〉スタイルの都会的で洒落た短編小説が好きだということも分かりました。フランス文学のマルグリット・デュラスについても、今年2023年のノーベル文学賞を受賞したアニー・エルノーについても、当時はそんな大作家になることも知らずに、夢中になって語り合いました。


ピエール・マルコリーニの濃厚なショコラ・ショーと、ガトーショコラと、ボンボン・オー・ショコラを次々と注文しながら、カフェもお代わりしながら、文学談義に夢中になりました。



お会計の時、普通の喫茶店の代金とは違う、目の玉が飛び出るほどの金額に、その方は驚いていましたが、クレジットカードで払ってくれました。


当時は、高級ショコラティエでお茶したりアフタヌーンティーをするのに、一万円札が2枚ほど必要になるということを知っているのは、ごく少数でした。

その後、その方には大手出版社の編集者を紹介して頂き、単行本用に長編小説を書き下ろす約束もしました。



すごい!
ついに作家デビュー!


……と思っていたのですが、原稿も出版化も進みかけていたまさにその時、わたしの妊娠が発覚したのです。



息子が生まれ、その後は怒涛のごとく子育てに突入し、編集者とも疎遠になり、今までとは別世界で生きることになりました。



まるで地球がもうひとつ出現した感じです。
わたしの知らなかった、もうひとつの別の地球🌏



作家としてのデビューも、文学も、自分の夢も、全て、1個めの地球に置いてきてしまった……そんな感じでした。 


さて、息子は17歳になりました。
〈ピエール・マルコリーニ〉も日本に上陸してから、すでに20年が経ちました。
文藝評論家の方には、毎年、2月14日のバレンタインにピエール・マルコリーニのバロタンを送っていましたが、いつしかそれも立ち消えてしまいました。

もうひとつの地球に残してきた、作家デビューという夢を後悔しているかと問われれば、きっぱりNOと言えます。



息子に出逢えたこと。
わたしの人生を変えてくれたこと。
2個めの地球を見せてくれたこと。
全てに感謝です。 


1個めの地球で、わたしがデビュー予定だった頃に作家デビューした女性の何人かは、今もそこに住み続けています。


どちらの地球であっても、それぞれが選んだこと。
正解は自分で創るものです。


わたしの自負は、2個の地球を知っていること。
わたしにしか書けない2個ぶんの視点を持っていること。


というわけで、今、わたしは自分のスタイルで、自分のペースで、文書を書き続けていこうと思います。 



わたしの文章力は、ノウハウを習ったのではなく、わたしの人生を通して獲得したものです。
良い文章にテンプレートもメソッドもありません。


あるのは、自分の心、想い、伝えたいこと。愛。


それを書いていけば、ノウハウから外れていたとしても、必ずや、読んだ人の心に響くものと信じています。



お読み頂き、ありがとうございます。


ふと、自分は作家だったと、根源的なことを想いだしたので、忘れないうちに書き留めておきます。


もしかして、あなたの文章や人生のヒントになれば幸いです。


自己紹介 Part 1 はこちらです。

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